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2005.09.15 アレナル火山国立公園〜タバコン・リゾート |
コスタリカ:アレナル火山国立公園 |
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サン・ホセからバスで約4時間半、アレナル火山の麓にある小さな街、フォルトゥーナに到着した。着いた所は、街の真ん中にある公園脇の道。どうやらここがフォルトゥーナの中心地らしい。
バスを降りると少年ともいえる若い男性が近寄ってきて英語で宿を紹介してきた。一人US$7で、個室・シャワーとトイレ付だという。別にあてもないので、見に行ってみることにした。少年はスタスタと歩いていく。おいおい、一体どこまでいくのだ。辺りは街からはずれ、どうみても民家がポツポツと並ぶ地域。紹介されたのも、民家の一角に数部屋建てられた民宿みたいなところだった。小奇麗ではあるが、そして値段も安いが、寂しすぎる。フォルトゥーナに到着して30分も経たないというのに、こんなに寂しいところに連れてこられちゃぁ、旅の気分も盛り下がるってもんだ。それを少年に告げると、それではと、同じ値段でもっと街寄りの宿を紹介してくれた。だったら、最初からこっちを紹介してくれればいいものを。
道すがら、少年の立場を聞いた。少年は、宿の紹介からはマージンを貰っていないということだった。宿を紹介して、ツアーを買ってほしい。ツアーからマージンを貰っているということだった。「我々は、今回の旅行では、ツアーが必要ないベストな宿に宿泊する予定なので、君の利益には協力できない」ときっぱりと告げて、2軒目に紹介してもらった宿も、あまりに民宿的だったので、丁寧にお断りして街の中心に戻った。
さらに一軒見たホテルは、設備もきれいで炊飯器と流しとレンジもある部屋だったがUS$35と言われてやめた。道で「いくらくらいのホテルを探しているんだい」と話しかけてきたおっさんがいたので、「US$25くらいがあればいいなぁ」というと、あるホテルを教えてくれた。見に行くと、3階の窓から目一杯アレナル火山が見える部屋でUS$25だという。どんぴしゃだ。ということで、ここに一泊することにした。
あいにく、部屋から見た火山は山頂がすっぽりと雲に覆われてしまっている。これが見えたら、さぞや気持がいいだろう。
でも周りに高い建物がないので、3階からの眺めは良く、大分満足だった。ハイシーズンだともう少し値段が高くなるそうだ。
宿で一息ついてから、宿の主人の加瀬さんが提携しているPura Vida Toursのオフィスに立ち寄ってみる。今回の旅では、16日から宿泊するオブセルバトリーロッジの予約、18日にオブセルバトリーロッジからトルトゥゲーロまでのシャトルバスを加瀬さんに手配してもらっていた。その確認と、トルトゥゲーロから我々は一体どのようにサン・ホセに戻るかの相談をしようと思ったのだ。予約の確認はOKだった。またサン・ホセにもどうやら戻れそうだった。
それを確認してから、今度は、今日これから遊びに行く、タバコン・リゾートへのシャトルバス(無料)の発着所へ向かい、バス発着場所と時間の確認をした。タバコンに行くバスは2時、4時、6時と2時間おきに出ている。近い時間だと4時だ。全ての確認を終えて、宿に戻ろうとしたら、先ほどのPura
Vida Toursの前で加瀬さんを発見。他のお客さんのアテンドで来ているということだった。加瀬さんもお客さんをピックアップしにタバコンに行くというので、無料シャトルバスを待つことなく、加瀬さんの車でタバコンまで連れて行ってもらうことにした。
タバコン・リゾート。実は、アレナル火山国立公園で、私が最も楽しみにしていたのは、トレッキングよりも流れる溶岩見物よりも、タバコンの温泉だった。フォルトゥーナには、タバコンの他にもバルディ(Baldi)という温泉もあるが、入場料金が倍くらい違う。タバコンは入場料がUS$29もするのだ。ちと高いが、日本人なら誰もが満足して帰るというタバコンに是非行きたいと思っていた。どうせ夕食も向こうで取るだろうということで、加瀬さんを通じて入園+夜のビュッフェチケットUS$41を購入し、加瀬さんの車で向かった。
タバコン・リゾートはフォルトゥーナから車で15分ほど。より火山に近いところにある。今日は天気が悪いので無理だが、晴れていれば温泉につかりながら溶岩が流れるのを見られるそうだ。いかにもリゾートスパの構えのタバコンに到着。入口で受付してもらい、受付済みのリストバンドをしてもらって、いよいよ温泉入り。
受付の建物を出ると、うわーっと小躍りしたくなるような光景だった。私は、色んな温泉プールが並ぶ、箱根の温泉スパみたいなイメージを持っていたのだが、全く違う。ジャングルみたいに鬱蒼と木々が生い茂り、その合間を縫って湯気の立つ川が流れ、水着の人々がゆったりと湯につかっている光景なのだ。これは、これは。予想以上にワイルドで、自然たっぷりの温泉だ。
我々はグループ受付から入ったので、ロッカーとタオル貸し出し用のカードをもらうために、ロッカールームを越えて一般受付に行き、デポジットを渡してカードを貰った。デポジットはメジャークレジットカードか、現金一人US$20だった。我々は現金を預けることにした。そのカードを男性・女性ロッカールームの間にある受付に出すと、ロッカーのキーとタオルをくれる。ロッカールームは、トイレと着替え用の個室が並ぶ所とロッカーの3つに分かれていた。着替え用の個室には、シャワーもある。うーん、高級リゾートに来たという嬉しさがひしひしとこみ上げてきた。この旅始まって以来の贅沢をしている気分である。そう、今回はちょっと贅沢な旅なのだ。早々に着替えて、まず全体を見学して周ることにした。
園内には、お湯の川がどーんと流れている。ロッカールームから見て左手が川上で、川下にあたる部分にロッカールームやレストランがあり、川下部分はタイルをはったプールがいくつかある。レストラン前のプールには、水に入ったままお酒が飲めるプールバーがあり、アルコールの匂いをプンプンさせながら、いちゃいちゃとじゃれあう中年白人と現地人らしい若い女性のカップルなどが何組かいて、ちょっと妙な雰囲気を醸し出していた。
ロッカールームの前には落差1.7mくらいの滝があり、天然の打たせ湯になっている。ちょっと肩だけ打たれようか、というもんじゃなくって、思いっきりドドドドドーッと水圧がかかってくる。打ち所が悪いと、水着のパンツのほうに水圧がかかって、パンツだけあっという間に流されそうな勢いだった。ここに来るなら、ゆるいビキニを着てきてはいけない。
ここから更に川上に行くと、ちょっとした段差をつけながらいくつもの温泉が設置されている。湯に入るところは、階段になって手すりがあり、自然の造詣を活かしながらも、快適に楽しめるように工夫されている。足元には苔むした玉石があって、天然の足ツボマッサージにもなりそうだ。湯から湯に向かうには、ジャングル内に設けられた通路をたどって行くのだが、この道沿いも変った花や樹がたくさんあって楽しい。
湯の温度は、川上に行くほど高くなっていった。白人さんは温い温度でも、周りの風景が自然に満ちていると、つかって楽しんでいるようだったが、日本人の私としては熱い温度を楽しみたい。目に入る温泉に、片っ端から浸かってみて、気に入った温度のところはないかなぁと探していった。
やがて、日本人好みの熱めの湯がたっぷりしていて、目の前に滝のあるスポットがあったので、そこに落ち着くことにした。加瀬さんの他の日本人客もそこが好みということで、結局日本人5人が集まってしまった。湯に入って暑くなったら出ておしゃべり。そんなことを繰り返しながら、ずーっとその湯に入り浸っていた。
他の3人は、一人旅の女性と会社員夫婦が一組だった。ここのところ自由旅行の人ばかりに出会っていたので、日本で働いていて休暇を取って旅行している人には会うのは、久しぶりだった。
何か違うなー。何が違うんだろう。そうそう、日本から来た人は小奇麗だ。髪もこざっぱりとして、着ている洋服も新しそうなものばかり。グアテマラのパナハッチェルにある日本人宿の村岡さんの奥さんが言っていた。「長く旅行しているとな、だんだん450番になってくるんや」。450番は「よ・ご・れ」、つまり長旅で髪も服も日本にいる時のようには、かまわなくなって、風呂もシャワーだけなので薄汚れてくる、という意味らしい。わー、私も450番が入ってきている気がしてきた。今日の温泉で少しは垢抜けるといいのだが。
他には、自分もそうだったが、短期休暇で来るとテンションが高い。日ごろのフラストレーションを一気に解消しようと思っているし、思いっきり楽しもうと気合が入っている。世界旅行をしている夫婦に何組か出会っているが、みんなもっと普通のテンションだった。そう、先が長いのでそんなにハイテンションでばかりもいられないのだ。そればかりでなく、旅が進むにつれて、残金が見えてきて節約モードも働く。でもねぇ。やはり時にはテンションを上げないと、自分のいる場所の魅力がわからなくなるし、あんまり節約モードだと楽しめなくなってくる。じゃぁ、どうやったらテンションがあがるのか?今回のように、時々自分たちに贅沢を許すのも、一つの方法じゃぁないかと思った。長い旅行の中でも、緩急をつけるとテンションが上がる。今回のタバコンは、テンションあがったなー。それに、こういう所にくると、ハイテンションの日本人にも会えるので、それもいい。そうそう、この方法は一つありだと思う。
いやー、それにしても、幸せ、幸せ。やはり、日本人ならお湯に浸からないとねぇ。全く意識していなかったのだが、自分がどんなにお風呂に入りたかったかが、よーくわかった。夕食のビュッフェは、7時にレストラン前に集合しようということになっていたので、4時前からたっぷり3時間はここで遊んだ。
7時になるころには、もう既に日は落ちて真っ暗。ところどころに付いた照明が、また夜の雰囲気を盛り上げていい感じになっている。
夕食はビュッフェ形式だった。US$12にしたら、品数も内容も雰囲気もサービスも満足がいく。何よりも、温泉でいい気持になり、そのまま食事ができるというのが日本の温泉みたいで心地よい。夕食付きにしてよかった。他のみんなと8時半近くまで盛り上がった後、我々は8時半のシャトルバスでフォルトゥーナの町まで戻った。いつにも増して、ぐっすりと眠れたことは言うまでもない。
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