夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2005.09.17 
アレナル火山国立公園〜アレナル・オブセルバトリー・ロッジ(2)
コスタリカ:アレナル火山国立公園
 アレナル・オブセルバトリー・ロッジの2日目は、8時25分からのモーニング・ウォークから始めることにした。まず、その前に朝食、朝食。

 昨晩、ほの暗いロマンチックな雰囲気だったレストランは、目の前にアレナル火山が見える、目の覚めるようなモーニング・ダイニングに変身。アレナル火山の左手には湖も見えて、すがすがしいことこの上ない。大きな窓を3面に配することで、借景も借景。ロケーションの良さを十二分に活かしたダイニングなのだ。ここで、宿泊料金US$115に含まれている朝食ビュッフェ。メニューは、ベーコン、ソーセージ、スクランブルエッグ、フルーツ、コーヒー、ジュースと普通。コスタリカ風なのは、豆の入ったご飯くらいだった。

 8時過ぎにレセプションに行くと、トレッキング姿の人々が集まっていた。今回は、我々もちゃんとシューズを履いてきた。国立公園の入口までは、写真の車に乗って行く。ロッジからは山を下るかっこうになるので、下り坂だ。途中で、ガイドさんが猿やら珍しい鳥を見つけると、車を停めて望遠鏡を構える。そんなわけで、公園に着く前から、自然観察が始まっていった。

 車を降りるといきなり川を渡る。おっとー、最初からハードだ。さすが国立公園だと思ったが、ここはまだ国立公園の手前。この川を渡って、しばらく進んだところにある小屋で、US$6の入園料金を支払うことになっている。

 このトレッキングコースは1992年の噴火でできた溶岩の上を歩くというコース。溶岩流になるまでは、普通のトレッキングコースと同じく、森林の中を40分ほど歩く。

 ほら、あそこに鳥がいる!こっちに蝶が!と、ガイドさんの目は本当に鋭く、次々と緑の葉影に潜む生き物を見つけていく。言われてから、目をこらして見ると、ようやく見えてくるのが私達レベルだ。言われても、結局わからず、生き物がどこかに行ってしまうこともしばしばだった。なるほど、トレッキングにガイドさんは必須なんだなぁと、この時に実感した。

 40分ほど歩くと、急に草がなくなり、溶岩が冷えて固まったごつごつとした黒い岩ばかりのところに出た。ここが1992年の噴火でできたところだそうだ。噴火から13年が経過し、今では溶岩の間から緑の草も映えてきている。やがてここも森林に埋め尽くされるのだろうか。

 溶岩の向こうは森林、そしてその向こうにアレナル火山が見えた。午前中の火山は、「ゴボッ、ガフッ」というマグマの活発な音とともに熱々の岩を吐き出し、岩が白煙をあげながら斜面を転がっていくのが見られる。ロッジのレストランからも同じような光景が見られるが、溶岩に囲まれてみるのは、またひとしおだ。
ハワイの活火山では、岩が熱で溶解して、どろどろの溶岩となるが、ここでは岩が真っ赤になって斜面を転がるタイプの火山だというガイドがあった。「もし、ここで噴火が起きたとしても、私達が経っている所まで岩が転がってくるのに6分間かかるので、大丈夫です」とガイドが真面目な顔で言う。「6分って、間に合わないじゃん」と笑おうと思ったけど、誰も笑っていなかったので、笑い顔を引っ込めた。皆本当に6分で逃げようと思ってるの?無理にきまってるじゃーん、今、絶対笑うところだったのに、誰も反応しないから、ガイドさん弁解できなくなっちゃったじゃないの。

 さて、ガイドさんは、前にアレナル火山、後ろにアレナル湖をのぞむ溶岩の広場に皆を連れてきて、「ストーリー、ターイム!」と宣言して長い解説を始めた。この火山の歴史、火山のタイプ、噴火ごとに山が大きくなっていることなど、かなり色々な詳しい説明があり、いい休憩にもなった。

 途中から我々は先生の話を聞かない生徒のように、勝手に歩き回って写真を撮ったりしていた。ガイドさんの説明兼休憩は30分くらい。

 この後、来た道を戻って、車に乗ってホテルに帰った。8時25分に始まったツアーは、11時20分に解散。途中の40分のトレッキングは容易で、子供でも参加できる。溶岩の部分では、大きく足をあげて登らなければならないところも数ヶ所あるが、そんなに難しくはない。家族向けに丁度いい3時間ほどのツアーだった。しかも、アレナルならではのコースなので、面白いと思う。

 ここで、ロッジのレストランおよびレセプション付近から眺望がよいポイントを2ヵ所紹介しておく。

 一つは、レストランの横には3階建ての展望台。特に、隣のレストランの緑の屋根越しに見るアレナル湖は、「ああ、自分は今、山中のロッジにいるんだ」という実感がわく光景で、気持が晴れ晴れする。山や湖に向けて椅子も用意されており、ゆったりと鑑賞できるようになっている。

 もう一つは、レストランとレセプションの間に屋根がかかってベンチが置いてあるところ。食事したりチェックインの際に何度も通りかかるのだが、用事があって通るので、このベンチに座ってみることをしていなかった。ここに座ると、目の前にアレナル火山が見える。これもまた、いい景色だ。写真は山頂が雲に隠れてしまって残念だが、全部見えると、山が迫ってくるように思えて面白いだろう。(レストランでの食事については、「本日の献立」9月16日、17日参照)

 さて、午後からは、敷地内のコースを回る。まずは、ジャグジーとプールの向かいから出発する容易なコース。ここは全て小道が舗装されていて、トレッキングというよりはワイルドな庭園散歩という方が正しい。ところどころで草花を見てまわっても、40分で歩けてしまうコースだった。

天然の林を利用しながら、おそらくホテル側で植えたであろう色とりどりの花などが楽しめる。手付かずの自然の中を歩く、というのではないが、大胆な植物達をきちんと整備された環境で見られる楽しさがある。

 この後、一旦部屋で休憩。部屋の入口は、アレナル火山に背を向けて、森に向かって座れるようなベンチがあるのだが、ここも私のお気に入りの場所だった。ここの楽しみは、音と匂い。風が森を渡って行く時に、木々の葉がサササーッと揺れる音、その間を縫って、鳥のさえずり、虫や蛙の鳴き声が聞こえる。森からは、始終木の爽やかな香りが漂ってくる。自分が静止しているので、耳と鼻が敏感になるのだろうか。特に早朝や夕方は、薄暗い森の中から活発にうごめく生き物の息吹が、うるさいくらいに聞こえてくるのが楽しかった。

 部屋を出て、左手に少し行くと、ゲートがある。この先には10人くらい宿泊できる1戸建てのビラ、ホワイト・ホークや牧場、そして滝へのトレッキングの入口がある。ゲートを過ぎてしばらく進むと、右手に「Waterfall」と英語とスペイン語で書かれた黒い看板が見えるので、そこから森に入っていく。

 入るなり道はどんどんと下っていき、3分もすると水音が聞こえてきて、5分もすると前方に滝が見えてくる。滝の近くからは、時々手すりもある階段になっているが、段差が大きいし、雨の後はぬかるんでいるので、トレッキングシューズを履いてきて正解だった。

 やがて滝が目の前に見えるところまで来る。森に入って10分くらい。そんなに大きな滝ではないが、雨のせいで水量が増しているのだろう、それなりに迫力がある。

 滝に来る前に、レセプションで「滝の前の川に入って泳げますか?」と聞いたことろ、「そんなに広くないので、泳ぐというところではありません。
水着を着て水につかりたいのなら、それはお客様の自由です」と言われていた。確かに、水につかれるようなところではない。川に入るのも草をわけいっていかなければならないし、川のなかには岩がゴロゴロして苔むしてすべりそうだ。しかも、雨季の今は水量も多い。もしかして乾季なら、あまりの暑さにちょっと入りたくなるかもしれない。そんな感じのところだった。

 滝からは折り返して階段を登る。登りきって左手に行けば、入ったところに出る。もう一つ、右手に行く道もあったのでそちらに進んだ。途中から大雨が降ってきた。しかもこちらの道は、来た時よりも長い。森の中にいる限り、葉が傘になって意外に濡れないものだが、森が途切れるとびしょ濡れになる。20分後に森を抜けた時、2人ともずぶ濡れになっていた。傘、持ってくるべきだった。

 森から出て左手に行くと部屋に戻れる。右手を限りなく進むと、Cerro Chetoという湖にでるらしいので、今度は湖を目指して歩き出した。雨は小止みになってきたが、雲が立ち込める空からは、またいつ雨が降ってきてもおかしくない様子だった。歩いていくと、森が途切れて、広々とした草地となる。ここが牧場らしい。たしかに木の柵があり、中に馬が草を食んでいるのが見える。ロッジでは、有料で乗馬もできると書いてあった。また、馬で山を越えて、隣のアレナル火山国立公園に移動するツアーもある。それ用の馬たちかもしれないなぁ。

 牧場を横目に坂を登っていくと、民家があり子供たちが遊んでいる姿が見えた。さて、ここから先、道は2方向にわかれている。もらった地図もここまでしかなく、この先湖がどのくらい離れているのか、どちらの方向なのかも検討が付かなかった。なにより、びしょ濡れの上、更に雨も降りそうだ。

 ということで、我々はここで引き返すことにした。思えば今日1日、よく歩き回って自然を堪能した。もういいではないか。ということで、部屋に戻った。

 日が落ちてから、夕食のためレストランに向かう。昨日よりも遅い時間で、外は真っ暗だった。オレンジ色の照明が、低い位置に灯され、足元の小道だけが見える明るさ。あとは真っ暗で、様々な虫の声が聞こえる。夜のプールやジャグジーは洒落た照明でいい雰囲気だった。また、つり橋も電飾が灯され、クリスマスチック。暗くなってからのロッジの演出も気が利いている。

 夕食を終えて、部屋に戻り、あとはゆっくりと過ごした。明日は7時45分にお迎えの車が来て、トルトゥゲーロに向かう。2泊のオブセルバトリー・ロッジは、外にあちこち行かずに、この中を充分楽しむ滞在にしたので、心ゆくまで堪能できた。あと2日あったら、行きそこなった湖に行ってみるのに1日、アレナル湖にでも行って、カヌーを楽しむのに1日使えただろう。が、今回はこれで満足。次回に楽しみを残しておこう。