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2005.09.19 Vol.1
トルトゥゲーロ国立公園〜朝のジャングルカヌーツアー |
コスタリカ:トルトゥゲーロ国立公園 |
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今朝は6時集合で、朝のジャングルカヌーツアーを予定している。昨日通りかかったパン屋さんで、ニカラグアパンとコーヒーを食べ6時前にツアー集合場所に行った(このパン屋さんのエピソードは「本日の献立2005年9月19日の朝食の詳細画面」を参照)。
明け方は曇りがちだった空も、日が昇るにつれて青空に変りつつある。トルトゥゲーロではお天気運がいいらしい。
ガイドブックに掲載されていた写真では、船の上に椅子が設置されたクルーズボートで屋根もついていた。しかし、我々のツアーは、本当にカヌーのような船だった。エンジンも頼りない電動式一つ。これで大丈夫なのかしら?
と思ったが、クルーズを終えた今は、むしろカヌーでよかった。というのも大きなエンジン付きの船だと、音がうるさすぎて生き物が逃げてしまうような気がする。しかし、我々は国立公園の隣にある村に宿泊していたので、クルーズする国立公園まで近いのであんなエンジンでよいが、孤立した中・高級ホテルに宿泊していたら、クルーズの現場までくるのに大きなエンジンが必要なのだろう。静かなクルーズをしたいのなら、村の安い宿に宿泊する方がいいということになる。
カヌーは岸から近いところを国立公園に向かって進んでいく。あ、第一生き物発見。首が妙にながい鳥だった。別のボートの陰から首をニューっと伸ばしてこちらをうかがっているようだった。
ここを通り過ぎると左手の岸辺に国立公園の管理事務所が見えてくる。ここでツアー料金には含まれていない、公園入園料金US$7を支払って、公園の当日有効チケットを受け取る。このチケットがあると、クルーズツアーが終わった後でも、公園に再入園できるのだ。
ツアーはここから本番。広い川を進むと、左右に支流があり、いくつかのツアーボートは、各々得意とする地域にボートを進めている。朝の清涼な空気、鳥たちのさえずり、川の水は澄んでいるわけではないが、青い空と緑の森を映しこんで、全てが一体となって、物凄く気持がいい。
我々のガイドも生き物を見つける達人だった。ほとんどエンジンはかけずに、手漕ぎでポイントまでスーッと近寄っていく。慣れていない観光客には絶対に見つけることのできない、葉影に潜む生き物をいち早く見つけ、教えてくれる。その眼力は凄い。
森の生き物を写真に捕らえるのはとても難しいので、この先、我々が見た鳥や蝶の写真は残念ながら記録に残すことができなかった。見事な水色の羽に輝くモルフォ蝶も、ボートの上をヒラヒラと舞って通り過ぎていったのだが、カメラが間に合わなかった。残念。そんな中でも、いくつか捉えることのできた写真を下に掲載する。
猿は、コスタリカに生息する4種類のうち3種類はここトルトゥゲーロで見られるという。今朝もその3種類全部を見ることができた。ボートに乗っている間、森のあちこちから「おぉー、ごぉー、あっ、あっ、あっ」(これに全て濁音がついた音だと思ってください。)という吠え声が聞こえる。近くなると、ガイドさんが同じ鳴き声を真似する。すると、威嚇されたと思って近寄ってくるので、見ることができるのだ。
1時間半もボートに乗っていただろうか。「ちょっとここで降りてみましょう」と、ボートはある岸に近づいていった。まるで森の中なのだが、かすかに道ができている。
ここでは赤い毒蛙が見られるのだという解説だった。
ボートツアーだからとサンダル履きで参加していた私たちは、この展開にちょっととまどった。しかし、昨日の雨で道はぬかるんでいたものの、サンダルでも何とか大丈夫な所だった。ガイドさんは蛙を探しながら、どんどんと森の中に入っていく。毒蛙。その響きから恐ろしい物を予想していたが、「あ、いたいた。皆こっちに来てー!」というガイドさんの声に近寄ってみると、大きな葉っぱの植えに、ちょこなんと体長2cmくらいの小さな蛙が座っていた。
「これ?これが毒蛙なの?」巨大で、いぼいぼがいっぱいついた、憎々しげな奴を予想していたのに、そのまま置物にでもなりそうに可愛い。ガイドさんの説明に寄ると、毒といっても人間が死ぬことはなく、2時間くらい体調不良に陥るだけだといっていた。「だからまぁ、ポイズン(毒)というのはちょっと大げさなネーミングなんだけどね」と、彼は付け加えた。この森の中には、他にもヒトデのようにも見える蜘蛛もいて、これも珍しかった。
こうしてボートを降りて森の中を歩くというちょっとしたイベントで、体もストレッチされ、またボートの旅を続けることになった。
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写真左上:中央に黄色の色鮮やかな鳥。こうした目にも鮮やかな鳥は、何種類も見た。当たり前のように飛んでいる。
写真右上:ガイドさんに言われなきゃ、絶対に気づかないワニ。かなり近づいても、剥製のようにじっとして動かない。一体何を思っているのだろうか?
写真左:朝日を浴びてのびをするカメ。のびをする猫や犬はよく見るが、カメってのは珍しい。うううーっと首を伸ばして、気持良さそうだった。 |
他のボートとすれ違いざまに、生物情報を交わしながら、ボートはゆっくりと移動していった。
さぁ、そろそろツアーも終わり。ボートの上を赤い羽根の鳥がサーっと飛んでいった。ガイドさんが「ああ、今のはジャカルナという鳥ですね」。ガイドさんの解説によると、ジャカルナは1匹のメスが7匹のオスをパートナーに持つそうだ。メスは新しいパートナーができると卵を産み、次のパートナーを探しに行く。後はオスが巣を守り、子を育てるのだそうだ。この話を聞いて、私と同乗していたイスラエル人の奥さん、そしてその息子のガールフレンドの女性陣は「何と進んだ鳥なのだろう、人間よりもアドバンスしている」としきりに感心した。イスラエル人のガールフレンドは、「じゃぁ、私の場合、あと6人パートナーを見つけなくっちゃ、それは大変だわ!」と眉間にシワを寄せて真剣に言うので、一同大笑い。ただしボーイフレンドは複雑な表情をしていた。
そんな鳥のエピソードも含め、ガイドさんの話は専門的かつユニーク。3時間のボートツアーは、充実した気持のよいツアーだった。午後からのツアーもあるが、より多くの生物を見たいなら朝のツアーがお勧め、というのはトルトゥゲーロのみならず、どこの国立公園でも同じようだ。
こうして9時に出発点に戻って、ツアーは終了した。
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