|
|
|
|
2005.11.04
チャカルタヤスキー場跡+月の谷 |
ボリビア:ラ・パス |
|
今日は昨日の遺跡観光に続き、チャカルタヤスキー場跡と月の谷に行くことにした。この組み合わせのツアーがあることは知らなかったが、南雲さんの手配でアルピニストのマリティネスさんが扱っているというので昨日ツアーから帰ってきてから、申し込みに事務所に行った。彼はすでに70歳くらいいっていそうだったが、これまであの冒険家故植村直己氏と登ったこともあるそうで、その経歴に少なからず驚きながら彼のところにツアーを申し込んだ。
ツアー当日、ホテルで和食の朝食を済ませ、8時に昨日行った事務所前に来ることになっていた。そこで、ツアー会社のバスが迎えに来ることになっていたが、中々来ず雑談していたが40分経っても車が来ないので電話して確認してもらうと車のトラブルで代車を出すのに時間がかかっているらしいということだった。そうこうする内にやっと車が現れツアースタートとなった。
まずはチャカルタヤ山だが、温暖化の結果スキー場跡となったチャカルタヤの山(5300m)に出かけ、すこしトレッキングしてワイナ・ポトシの頂を見、5430mの頂上に行くと言うものである。車で5300m地点まで上がっていけるので楽チン登山といってもいい。
今日のガイド氏はラ・パスから坂を上がっていくまでに、色々とボリビアの社会構成の話をしてくれた。ラ・パスは盆地になっているが、貧民と富裕層の住み分けが行われており、上に行く程貧民層になっているそうで貧民層は日干し煉瓦を積み重ねただけの家に住んでいるそうである。また貧民層は税金を払わず闇経済が統計上の経済と同じくらいあり、実際ボリビアは統計数字より国内生産があるということだった。また前回の大統領が闇経済にも税金をかけようとしたが、貧民層が道路を壊したりして抵抗して大統領自体国外に亡命しなければならなくなったと解説していた。このことについて帰ってから南雲さんに聞いてみると、貧民層の人間は義務と権利をはき違えており、ただいま現在はコカグループというコカイン業者の団体のようなところが政権を採ろうとしており、彼らが政権を執っても汚職でどうしようもなくなるだけだとおっしゃられていた。国民のレベルと言っては失礼だがモラルが低いに違いないと思うしかなかった。日本もここまでは行かないが役人の世界には近いものはあると思わされた。
さて車は舗装されていない道路をどんどん進み、ワイナ・ポトシが見えるところに来た。ここで車を止め写真タイムである。写真奥に見えるのがワイナ・ポトシ(6088m)である。
車はここから40分ほど走り、どんどん上昇してついに5300m地点まで来てしまった。途中すこし頭が重いような気がしたが到着してみるとなんともなかった。これもクスコに10月11日に入って以来の高原地帯生活ですっかり高地に慣れてしまったおかげであった。他の観光客にはしんどくてこれ以上登れない人もいた。
トレッキングはスキー場跡となった斜面を右に見ながら登っていくことになった。この頂上は5400mで今いるところから100m上がったところである。我々はこの山ではなく途中まで行ってもうひとつ向こうにある更に30mだけ高いほうに向かうことになっている。
右写真が途中で分かれるポイントである。
ここから、左にそれてワイナ・ポトシの方に向かっていった。この地点ではどうしてもワイナ・ポトシが目に入ってきて釘付けにしてしまうのでそちらに行くしかないような気分である。歩いていくとまさに目の前で見られるポイントが近づき興奮して歩いていった。いざ目の前にするとその美しさにどうしようもなく、上ってきた辛さとそれに対する見返りがピッタリと合致するので、登山の魅力(といっても100mくらいしか自力では登ってない)はこういうものかと納得した次第である。このあたりの山は鉄平石でできており、歩いている最中はおもしろい岩も我々の目を楽しませてくれた。
さあーいよいよワイナ・ポトシを目の前にした。
圧倒的な迫力と麓のエメラルドグリーンの湖、何ともいえない美しさに皆しばし呆然といった感じだった。我々も記念写真を撮ってみました。
ここから振り返って5430mのピークに向けて歩いた行った。そこでも皆記念写真の背景はワイナ・ポトシだった。
この5430m簡単登頂を終え、先ほどのロッジで休憩後、今度は月の谷に向かうことになった。ふと見ていると、コンドルが上昇気流にのってすばやく飛行しているのが見え、思わずシャッターを切った。
チャカルタヤから約1時間半、ラ・パスの街を通り抜けて、さらに南に行くと月の谷と呼ばれるところにやってきた。入場料は15ボリ(約2ドル)
入るとすぐに階段を降り、短いトンネルと抜けると目の前が月の谷と言う演出になっている。が、来るときから回りが似たような景色になるので、何となく想像できる風景であった。
これらの鍾乳石をひっくり返したような小さい山々は隆起した海底の泥や砂でできており、長年の降雨で柔らかい部分が侵食されこのような形になってきたということのようである。歩いていると小さなグランドキャニオンか、或いはディズニーランドの岩場の模型のような、ちょっと現実離れした中を歩いているような錯覚に襲われる。いわゆる宇宙的な風景である。
このような光景を見ていると、まだ行ったことがないがトルコのカッパドキアの光景を思い出した。たぶん同じような仕組みでできたのだろうと思われた。
今日は本当に自然の美しさ、自然の芸術を堪能した1日だった。ラ・パス近郊の観光もこれでお腹一杯になった。
|
|
|
|
|