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2005.11.16
移動の途中でウマワカ渓谷見学 |
アルゼンチン:ウマワカ |
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ボリビアのビジャソンから徒歩でアルゼンチン国境を越えて入った町はラ・キアカ。そこから南下してフフイに至るまでの道のりは、南米のグランドキャニオンとも言われるウマワカ渓谷を通った。
フフイに到着してから、あらためてウマワカ渓谷日帰りツアーに行こうとも思っていたが、道沿いから渓谷を見るうちに、これで充分という気がしてきた。
ラ・キアカからバスに乗って30分もすると、赤土の断層がくっきりと見えるところにやってくる。
確かにグランドキャニオンのようだ。しかし、それにしては規模があまり大きくないなぁ、などと思っていると、今度は様々な色の山が見えてきた。
そうなのだ。この辺りの地形は断層が地殻変動で盛り上がって、地層が大胆に斜めになってみえているのに加え、各地層が異なるミネラルを含んでいるので、色が違って見えるのが面白いのだ。
驚くような赤い土、緑、黄色、白などが色とりどりに斜面を飾っている様は、初夏の強い日差しの中で壮大な風景画を作り出していて、見たことのない風景だった。
2時間後、バスはウマワカに到着。標高2940mということだが、もっと高地から来た我々にとっては、高原というより、とにかく日差しの強い暑い所、というイメージだった。
空腹と喉の渇きをバスから降りてすぐに癒した。ここで売っていたサンドイッチのおいしかったこと。バスで町中を通りかかった時に、年配の白人団体が観光をしていた。石畳の可愛らしい街並みに、お土産物やも並んでいるようで、恰好の観光地というわけだ。
このウマワカで20分ほど休憩し、再びバスに乗り込むと、ここからがいよいよウマワカ渓谷の本番。
手前に青々とした畑があり、向こうが真っ赤な山、その向こうに緑がかった山が見え、背景に初夏の空と雲。
全体の配色も美しかったが、ペルー、ボリビアと来て、久しぶりに緑が青々としているのに、我々は眼が釘付けになった。長く食べていなかったサラダを、目で食べている気分だった。心が洗われるっていう表現はよく聞くが、本当に胸が瑞々しくなってくるのを感じた。
また、よく見るのが片側が削れて、色違いの地層がデコレーションになった山。まるで巨大なデザートをみているようで、おいしそうにも見える。
こんな風景が次々に現れて、目を楽しませてくれていたが、やがてティルカラTilcaraという町で停車して、人の乗り降りがあった後は、今度は斜面の柔らかいところが削れて柱のようになって見える風景も出てきた。
いい景色はいっぱいあるのだが、なにせ観光バスでなく、路線バスなのでさっさと通り過ぎてしまう。なかなかシャッターチャンスを捉えきれないのだが、それでも、流れるバスのなかからは、様々な写真が撮れた。
ここら辺がツアーでくると、しっかりと見所で停車して、写真を撮る時間を作ってくれるのだろうと思う。
フフイの手前、最後の村であろうプルママルカの表示が国道沿いに見えて、バスは左手の敷地に入って行った。村という感じでもなく、バスターミナルでもなく、検問小屋があって、広い駐車場のある所だった。地元の人はどんどんと降りて、検問に並んでいる。取り残された外国人は、どうしたらいいのかわからなかったが、一人降り、二人降り、結局全員検問に並んで、手荷物検査を受けた。
パスポートを提示すると係員はじーっと何かを見つめていた。で、ショルダーバッグとリュックを開けて中身を見せようとしたら、「いや、いいです」と言われた。隣の夫は、この後どこに行くのかと聞かれていた。「フフイ、サルタ、それからコルドバに行きます」と言うと、夫の係員は「コルドバへは飛行機で行くんですよね?」と言う。私が隣から「そうですね、バスだと10時間以上かかるので、飛行機にしようかなと思っています」と言うと、何故かうんうんとうなずいていた。夫はリュックの中も確認された。ボリビアからアルゼンチンへのコカの葉の持ち込みが厳しく規制されていると聞いており、そのための検査だったのだろうか。
因みに後日訪れたワインの名産の町、カファジャテでは「コカの葉いりませんか?」とビニール袋に詰めたコカの葉を売っている人がいた。あれ?
こうして全員無事にチェックを終了。再びバスは走り始めた。何のための検査か、あるいは国家失業対策なのかわからないけど、やっている人たちも、今一つ目的意識が感じられなくって、妙な検査だった。
プルママルカを過ぎると、再び色鮮やかな地層が楽しめた。
夕方、フフイに到着してホテルにチェックインして、シャワーを浴びてから、町中の旅行代理店を訪ねた。ウマワカ渓谷へのツアーの内容と値段を確かめようと思ったのだ。しかし、現状ツアーは組まれていないようで(時期的なものなのかどうかわからない)、運転手を雇って個人的にこの辺りを回るというアレンジを、一人$120(=US$30)でやってあげましょうと言われた。いやいや、それには及びませんと、早々に旅行代理店を出た。ウマワカ渓谷は、ラ・キアカからフフイへの移動で充分という判断を下した。
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