夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2005.12.18 
チロエ島ツアー
チリ:プエルト・モン
 プエルト・モンの南西に位置するチロエ島に行くツアーに参加した。プエルト・モンのバスターミナルから、チロエ島のアンクー、カストロへのバスも出ているが、プエルト・モンからアンクーまでのバス代金がC$2000〜2500、アンクーからカストロまでのバス代金は不明、カストロからプエルト・モンへのバス代金がC$3800〜4300などとなっている。

 ツアーは、プエルト・モンからフェリーで船に渡り、アンクーAncud、ダルカウエDalcahue、カストロCastroを周って帰ってくる。

 同じような内容を自力で行おうとすると、バス代金だけでC$7000はかかりそうだった。それに対して、ツアーは見所を周って、フェリー代金込みでC$10000(=US$19.46)である。バスのコネクションの時間もわからないし、各都市に到着してから見所の案内を探す時間もかかるので、ツアーを利用したほうがいいと判断して、ツアーに参加することにした。

 18日は朝から雲がたれこめて、今までで一番天気が悪い日となった。8時ピックアップでいつも通りに8時半にピックアップ。

 プエルト・モンからフェリー乗り場のパルグアParguaに到着したのは9時50分だった。フェリーは車ごと乗るタイプで、貨物船のようだった。

 安全に車が乗り込んで、船が岸を離れると、車を降りてもいいといわれたので、甲板に出てみた。操縦塔のような所に上がってみることもできて、これで天気がよければ結構快適な船旅だろう。

 チロエ島は、もう見えているくらいに近い島で、30分ほどでチャカオChacaoに到着。

 緑の島の海岸沿いには、プエルト・モンでも良く見られる黄色い花が咲き誇っていて、晴れかけた空の下で、春の雰囲気を出していた。
 ここからアンクーまでは西に進む。道の両側は、自生しているのか植えられたのかわからないが、黄色い花で埋め尽くされていて、気持ちの良いドライブだった。

○アンクーのアントニオ要塞Fuerte San Antonio
 チロエ島の最初のストップポイントは、アンクーにあるアントニオ要塞だった。18世紀後半にスペイン人によって造られた要塞だそうだ。歴史のお勉強の時間のようで、要塞内には学生らしい団体がたくさん来ていた。要塞の入り口では、画家のような格好をしたおじさんが、自分のスケッチ画を売っていた。驚いたことに、このヘタウマのようなスケッチ画はポツポツと売れていた。チリ人は本当にお土産好きな人だと、それがこの要塞で一番面白かったことだった。

要塞の入り口

海に向かって砲台が並ぶ

砲台は結構大きかった

○アンクーの町
 要塞で10分ほど過してから車で15分乗ると、アンクーの中方広場に到着。30分のフリータイムでアンクー見物をしてくれというのだった。見所は、中央広場斜め前の博物館らしいのだが、入り口から覗く限り、展示品があまり魅力的でなかったので入らなかった。そういえば、チロエ島にはユネスコの世界遺産に登録された教会が14つあると聞いている。アンクーのカテドラルはその登録には含まれていないのだが、ちょっと変わった教会だった。

 中央広場から海岸沿いには坂を下りていく。海沿いは小さな湾になっていて、対岸の緑が絨毯のように広がっていた。それも、天気が今一つなので、盛り上がらず、もう見るものもないので中央広場のベンチでボーっとしていたら、奇妙な石像を見つけた。一つだけでなく、中央広場のあちこちに何となく置かれているのだが、この石像はかなり変わったものだった。

 どうみても西洋文化の影響ではないだろう。おそらくここに昔から住んでいた先住民族の文化だと思われた。チリやアルゼンチンというと、ペルーやボリビアに比べて先住民族の文化が見えてこないという印象があったが、チロエ島はそうでもないのかもしれない。

 車に戻ってきた人たちに、何を見てきたか訪ねた所、ある人は博物館に入り、ある人は市場で鳥が上空から貝を落として殻を割って食べるのを観察していたりと様々だった。何かを見る、というよりのんびりする所らしい。が、ちょっと退屈かもしれない。

○ダルカウイの民芸品マーケット
 アンクーからカストロに向かう道のりの途中に、ダルカウイという小さな村がある。日曜日の今日は、民芸品マーケットが立つというので、わざわざこの日にツアーを組んだ。

 アンクーからダルカウイへの道のりもまた、黄色い花に包まれた街道だった。なだらかに坂をの上ったり下りたりしながら、ゆるいカーブがいくつもあり、知らないうちに眠ってしまった。

 アンクーから1時間半、ダルカウイに到着。車を停めたその先から、沿道に沿って露店の市が立っていて、人も大勢出ていた。まず目に付いたのが、煙をはく機関車の形をした屋台を引いたお兄ちゃん。「何、何?何が入っているの?」と見えてもらうと、機関車の中は石炭が入っていて、その上には焼き芋ならぬ、袋に入った焼きピーナッツが入っていた。一袋C$200(=US$0.39)。ちょっと薄寒い日にはぴったりのおやつだ。ホカホカのピーナッツを頬張りながら、尚も散策を続けた。

 このあたりの名産は木工品とニット製品らしい。素朴な味わいの木の人形やざっくりとしたセーターなどの店がたくさん売られていた。

 ニットは羊やアルパカを使っているようで、耳宛つきのニット帽や肩掛けカバンなどのアイテムはペルーやボリビアで見たものに良く似ている。あちらは先住民族の民族衣装の織物で作った肩掛けカバンが多かったが、こちらはそれもニットで作ってある。毛糸は途中にごつごつと玉ができているような毛糸なので、編むと素朴な風合いになる。

 中にはチロエ島の世界遺産の教会を集めた本を売っている露店もあった。販売員の兄さんに聞くと、この近くのも一つ掲載されているという。「ほら、このページ、このページ」と指差す兄さんの話もそこそこに、まずは実物を見なくっちゃと、教会を目指した。

 市の立っている所から5分くらい歩いた所に教会はあった。

 この形、これがチロエ島の教会の特徴らしい。さっき見せてもらった本の教会も、皆こんな形をしていた。中は、素朴な装飾で、中央の祭壇と両脇のアーチ型の柱を取ったら、昔の学校の講堂のようだった。


 市の立っている一角に集合食堂があったので、そこでお茶をすることにした。

 その道すがら、山芋のような長細い棒のようなものを抱えて買える人とすれ違った。何だろう?もう少し歩いていくと、それを売っているところが見つかった。販売のおじちゃんは「食ってみるかい?」とその山芋みたいなものの外側の皮をむいて、中の茎を15cmくらいポッキリと折ってくれた。外側の皮をむくと、繊維に覆われた筒の中にスポンジ状のものが詰まっているような植物だった。繊維のところは食べず、スポンジ状のところだけを食べるらしい。かじると、甘酸っぱいシャキシャキした食感のものだった。ペルーのプーノから行く葦でできたタキーレ島で、島を作っている葦を食べたことがあるが、食感はこれに似ていた。ただ、もっと味がする。

 食堂に入って「コーヒーある?」と聞くと、おばちゃんはネスカフェの顆粒入りパッケージを高々と持ち上げ、「あるわよ!」とニッコリ。ま、それでもいいか。こうして食堂でお茶をしていたら、集合時間の午後2時になった。
 車に戻ると、同じツアーへの参加が今日で3回目となるチリ人夫婦の奥さん、ジョアンナが手に買い物袋を持っていた。「今日は寒いからね、チロエと刺繍が入ったニット帽を買ったのよ」と見せてくれた。折角だから被ってもらって、記念撮影。それにしても、嬉しそうだ。

○カストロで昼食、ボートでクルーズ
 ダルカウエからカストロまでは小1時間かかった。3時前にカストロに着くなり、空腹だった皆は三々五々レストランへと消えていった。我々はチリ人夫妻と、ガイドさんお勧めのレストランに入った。チロエ島といえば、安くておいしい魚介類が食べられるとガイドブックには書いてあったが、我々はプエルト・モンのアンヘルモ市場で魚介類を買い込んで、毎日のように食べていた。考えてみたら、その前のビーニャ・デル・マルから魚介類尽くしである。正直、そんなに魚介類は食べたくないモードだった。

 しかし、チリ人の旦那のロバートが「鮑の料理がお勧めだ」というので、前菜として2人で一つ注文することにした。前菜といっても、チーズを使ったこってりした料理だし、私は軽めの物を頼みたいと思って、魚介類のスープにした。夫は、もう肉が食べたいとステーキにした。安いと聞いていたが、アンヘルモの市場内の食堂と比べてもそんなに安いとは思えなかった(詳しくは「本日の献立2005年12月18日昼」の写真をクリックしてください)。

 レストランの目の前は民芸品市場で、またまたニットやら木の置物やらが大量に売られていた。ダルカウエよりも商品が豊富で、デザインの可愛らしいのもあった。ぶらぶらしていると、チロエ島名産リキュール屋さんもいくつかあった。中の一軒のおばちゃんは、各誌で取材されたコピーを壁にはっていて、お化粧もばっちり。コーヒーリキュールを試飲させてもらって、記念撮影をお願いしたら、「いいわよぉ」と快諾。さすが有名人は撮影されているのに慣れている。



あ、釣れた。得意げに息子を見るお父さんの顔が
笑っている。
 民芸品市場の一つ一つの店を丹念に見て周ってから、市場の裏手に出ると、海に向かってはまぐりをつけて糸をたらしているお父さんを発見。

 お母さんと息子が固唾を呑んで見守る中、お父さんはひょいと魚を釣り上げた。ものの5分としていない。足元の袋の中には、既に5匹くらいの魚が入っていた。のんびりとしたカストロ住民の休日を垣間見られた。

 集合して車でどこかに行くのかと思ったら、今度はオプションで船に乗るという(C$1500=US$2.92)。今日のチロエ島のツアーは、そんなに盛り上がりもない。盛り上がりないついでに、船も乗っておこう。


 ここで船に乗せるのは、カストロ特有の水の上に立つ家を海側から見物するため。海の中に柱を立てて、その上に家を建てているのだが、柱は案外細い。

 木は10年ごとに交換するということだったが、それも大変なことだ。

 家を見てしまったらもうお楽しみは終わりかと思いきや、ガイドさんが前方を指差して「レオン・マリーノ」と言う。レオン(ライオン)・マリーノ(海の)っていうのか、英語のシー・ライオンと同じだなぁ。アシカだ。前方の小さな浮きの上には2頭のアシカがいた。近づくと1頭は海の中に入ってしまったが、残りの1頭はどうどうとのけぞって、「さぁ、写真撮って!」とフォトジェニックぶりを発揮しているかのようだった。船はアシカを乗っけた浮きの周りをぐるっとまわった。

 良く見ると、頭からうなじにかけて長い毛がなびいていて、なるほどライオンのように見える。だからシー・ライオンっていうのかと、初めて合点がいった。こんなに間近にアシカを見ることができて、今日一番感動した。

 アシカの浮きから少し行くと、フランス船籍の大型豪華客船が停泊していた。我々のグループは、小型ボートから上に向けて「ボンジュール、ボンジュール、(ここからスペイン語で)こっちは7人だけど、乗せてってー!」と叫んで盛り上がった。見るものもみたし、後はお決まりの記念撮影だ。一枚ずつポーズを変えて撮っていたら、私たちのカメラの時はこんなポーズになった。

 20分ほどのミニクルーズは案外楽しかった。ここから車で丘の上まであがり、カストロの中央広場に面したサン・フランシスコ教会を見物だ。

○サン・フランシスコ教会
 丘の上を上がると思ったら、車は海岸沿いに北西へと走っていき、海沿いの駐車場のような所に停車。

 ここから海と反対側を見上げると、変わった教会が見えていた。ガイドブックには掲載されておらず、説明もよくわからなかったので、何と言う教会かわからないが、建物の前にはサン・フランシスコという文字が見える。これもサン・フランシスコ教会というのだろうか。それにしても、チロエ島特有の形ではなかった。

 再び車にのり、今度は丘の上にあがる。チリの切手の図案にも使われているというサン・フランシスコ教会は、中央広場に面していた。外側は、あまり新しくない紫と黄色でちょっとチープな感じもするが、中は全てが木でできた美しい教会だった。通常石でできたものが多い中、柱もアーチ型の壁も木でできているのは珍しい。
 こうして教会を見物した後は町を散策。日曜日の今日は、お店は閉まっていたが、人の姿がないわけではなかった。プエルト・モンやこの周辺で有名なウロコ模様の板壁の家々を見物して周ると、集合時間の18時となった。

 あとは一路帰るのみである。こんな夕方近くになって、やっと晴れ間が見えてきた。今日は天気に恵まれない日だったが、最後になって、黄色い花の街道とチロエ島の田園風景を楽しめる日光がさした。


 来た時と同じくフェリーに乗ってプエルト・モンに到着したのは、21時になっていた。もうすぐでプエルト・モンの町中に入ろうかという時、今日最後のビューポイントで停車。プエルト・モンの手前の湾の中に浮かぶ小さな島だった。潮が引くと、陸から伝っていける道が現れるが、満ちると島になる、そんな所で、ホテルが1件あるようだった。監視台があるから、海水浴もできるのだろう。向かいには、洒落たレストランもある。
プエルト・モンの隠れ家的リゾート地なのかもしれない。


 スーパーで買い物をして宿に戻ったら10時頃だった。今日は随分と遠出だったもんなぁ。それにしてもチロエ島は、何となく、ちょこちょこと面白い光景に出会えたものの、他のツアーのように自然の圧倒的な風景があるわけでもなく、うわーっという面白さはない。今回プエルト・モンで体験した3つのツアーで優先順位は3番目といったところになるだろうか。


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