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2006.03.26
ピランギPirangiでシュノーケリング
ブラジル:ナタル |
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ピランギPirangiは、我々のいるポンタ・ネグラ海岸の一つ南に位置する湾岸にあるビーチ。ここの特徴は、湾内にある珊瑚礁にできた天然プールで魚といっしょにシュノーケリングできるツアーがあることだ。
我々の宿泊している宿とピランギからのシュノーケリングツアーを行っている会社の契約で、通常の半額でツアーに参加できるというので、ナタル最後の今日、そこに行ってみることにした。もっと遠くに同じようなビーチがあって、そちらの方が豊富に魚が泳いでいるようなパンフレットだった。しかし、ここのところの不安定な天候を考えてツアーは当日決めようとしていたので、今日の天気を見ていけると思った時点で、遠い方のツアーは既に出発してしまっていた。
遠い方のツアーはR$34、ピランギツアーはR$17.5。値段も安いし、魚が少なくてもまぁいいかということになった。しかーし。ツアーが半額になるというのは、ピランギまで自力で行くからということだった。バスは本数が少ないうえに乗車して40分もかかる。休日の今日は朝8時からのツアーしかでなく、平日にはある9時発はなし。ということで、時間も無いのでタクシーを利用せざるを得なくなった。タクシー送迎代金がR$50。つまりツアー1人R$17.5プラス足代1人R$25で、遠いビーチに行くよりも高くつく結果になってしまった。あー、失敗した。
ピランギに到着して程なく乗船が開始された。天気も微妙だ。
ちょっとブルーになりかけた我々2人だったが、船に入ると、ウッキウキのブラジル人がたくさんいて、かなり救われた気分になった。
外国人観光客はほとんどいないといっていいだろう。船内にはマイクを持ったおっさんが、ブラジル語(ポルトガル語)でノリノリのMCをかましていた。「へーい、みんな。ようこそピランギへ!ピランギは皆も知っているように、珊瑚礁と魚の宝庫だ、イェーイ。思う存分シュノーケリングを楽しんでくれ!カウンターでは、ビール、コーラ、カイピリーニャ、何でも好きなものが揃ってるぞ、さぁ、今日という日を思いっきりエンジョイしてくれー!ウァオー!」みたいなことをひとしきり言い終わると、隣のミュージックスピーカーの音量を上げた。聞いているみんなも、彼のMCに「そうだぁ」とか「ウァオー」とか合いの手を入れて、いきなりにしてハイテンションなのだった。こういう所はさすがブラジル人だ。
乗船して20分もするとシュノーケリングポイントに到着。岸から泳いでこられる距離ではないが、まだ湾の中という地点だ。
シュノーケリングマスクとマウスピース(無料)とサンダル(有料と言われたがなぜか支払わなくてよかった)を受け取り、早速海に入る。船が停泊している所は、もちろん足が届かない。
それにしても、ラフなシュノーケリングだ。昨今の衛生管理のトレンドを受けて、かろうじてマウスピースは使い捨ての新しい物を手渡してくれているが、フィンもなければライフジャケットの支給もない。ゴーグルは曇り止めがほとんどされていないので、始終曇ってきちゃう。シュノーケリングが初めてというブラジル人もいて、いきなり足の届かない海に放り出されてアップアップしていた。なかなかハードな世界である。
でもまぁ、そこから更に数メートル沖に泳いだ所が、がくんと地底が高くなっていて、そこが珊瑚礁なので、苦しいのはそこまでだ。
珊瑚礁は茶色がかったものや紫がかったものがあり、泳いでいるすぐ下に見えるので、珊瑚礁に隠れている魚も間近に見ることができた。といってもたくさんいるわけではなく、泳いでいると、時折ポツリ、ポツリと数種類をみかける程度だった。今まで見たことがない美しい海蛇を2種類見られたのが、ここでの収穫だったといえる。ざっくりと見て顔をあげると、もう皆船に戻っている。ポルトガル語で理解していなかったが、シュノーケリング時間は30分だけのようである。
船に戻ってから次のポイントに行くのかと思ったら、もうシュノーケリングはおしまい。出発した所から隣の湾は、お金持ちが別荘を構えるビーチで、そちらに行って「ここはお金持ちがたっくさんいる所なんだよー、イェーイ」というMCがあって船は元の出発地に戻った。なに?これで終わり?何だかとっても物足りないツアーだった。・・・と思っているのは私たちだけのようで、他のお客さんは「ほほー、あれがお金持ちの別荘だってよー」と素直に楽しんで、写真とりまくりのおおはしゃぎ。
ありえない角度で尻が見えているふんどし水着のブラジル姉ちゃんや、うっとりナルシスト系のカップルを見ているうちに、これもまた一興とだんだん楽しくなってきた。
出発地の桟橋に到着したとたんに、大雨が降り始め、やはりこの時間に戻ってきてよかったと誰もが思った。さて、このツアーの最後のお楽しみは朝食ビュッフェ。思えばブラジル南部のイグアスの滝からずっと、ブラジル人は食べることをとても大切にしている国民だというイメージがある。例えば長距離バスのドライブインのレストランの充実振り、例えば食べた分だけ支払う公平な重量課金制のレストランの流行、そして今回のようにツアーの内容や時間と同じくらいの時間を食事に費やすツアー。これもとても興味深かった。
朝食の内容は、ありがちな豊富なフルーツ、スクランブルエッグ、ソーセージの煮込み、パン、飲み物などだが、まるで何時間も水泳をしてきたかのような旺盛な食欲を発揮して、快活にたべまくるブラジル人(私たちも負けずに食べていたが)に混じる楽しさは、何ていうのかなぁ、ブラジルって楽しいなぁと腹の底から思えてくる瞬間でもある。
こうしてお腹一杯食べて、お迎えのタクシーで貴族のように満足して宿に戻ったのであった。終わりよければすべてよし、それなりに楽しかった。しかし、やはりこのツアーは車を持っている人ならばともかく、タクシーで行くとしたらコストパフォーマンスが悪い。魚も少ない、たいした珊瑚礁もないし、シュノーケリングの時間も少ない。ああ、こうやってあらためて考えても、ま、失敗だったかな。
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