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2006.04.19
パリの「白い門」と部屋探し
フランス:パリ |
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「パリで部屋探しをするのは大変だ」というのはよく耳にしていたが、この発言が、いくらくらいの物件をさしているのか、何人部屋なのか、どれくらいの期間借りる場合なのかが不明なので、どうにものんびりと過ごしていた私達だった。
パリに2ヶ月滞在しようと決めたのは、今年の3月頃。ブラジル国内旅行などで、ゆっくりとネットサーフィンして探す間もなくヨーロッパのマドリッド入り。4月初旬になっていて、4月19日からパリ滞在が始まってしまう。この頃から、やっと本格的にサイトを見て検討するようになった。
条件は、キッチン、シャワー・トイレ、1ベッドルームかStudioで、2ヶ月くらいだけ借りられて、予算は月6、7万円くらいかなぁと漠然と考えていた。
参考にしたのは以下のサイト。
@Paris Livning(http://www.parisliving.com/)
ゴージャス。パリという気分を満喫させてくれるロケーションと、とてもすてきなお部屋ばかり。しかし、値段が・・・。とても手の出ないので、見て楽しむだけにした。
Aパリ生活者(http://www.paris-seikatsu.com/)
日割りの値段が多く表示されることから、2ヶ月という単位ではなく数日からせいぜい1週間の滞在向けならいいと思う。月単位の物件もあったが、希望の物が見つからなかった。
BLOGIS(http://vacation.lodgis.com/)
ここは割とリーズナブルな物件もあった。しかし、よく見てみるとパリ市内(地下鉄でゾーン1内)だと、月EUR750くらい出さないと気持ちよく過ごせなさそうだという相場がつかめた。プラス、LOGISへの手数料が発生するので2ヶ月という短期間だと結局月EUR900くらいになってしまう計算。むむむ。月EUR900にもなってしまうのか。それでも、数件にメールを出してみる。サイトでは最終的な手数料込みの値段がわからないので、いったいいくらになるのかを聞いたつもりなのだが、どうにもとんちんかんな答えが戻ってくる。しかも英語で。このサイトは日本人だけを対象にしているわけではないので、入り口は日本語なのだが、その先の交渉となると外国人も入ってくるということになるようだ。
ここまで調べて、どうにも立ち往生してしまった。以前、キー・カー・カーですれ違ったフランス人にメールしてみたのだが、なしのつぶて。こうなったら、パリに行って1週間くらいでバーっと探してみるしかない、という結論になった。
その間に滞在する宿は、安くて情報の集まる所。つまり日本人宿にしようと探すと、夫が「白い門」という韓国人宿を探し出してきた。日本語ペラペラの韓国人女性リーさんが開いている宿で、日本人バックパッカーも多くお世話になっているという情報だった。
「白い門」のサイト(http://2.csx.jp/users/siroimon/)掲示板で予約を申し込み、ここで1週間程滞在しながら2ヶ月のパリ生活を過ごすのにふさわしいアパートを探すことにした。
「白い門」は普通の3DKのアパートだった。詳しくはAccommodationパリを参照してほしいが、午後2時に荷物をおいて落ち着いた我々は一刻も早く落ち着き先を見つけなくてはならないという気持ちになった。物価の高いパリで一人EUR15という価格で宿を提供してくれるのは、非常にありがたいが、夫は男部屋、私は女部屋と別れ別れになり、作業する場所もないくらい人がいっぱい。これは問題がある。
というわけで、到着早々、オーナーのリーさんやこの宿に逗留している日本人から、どこに行ったらアパートを見つけられるかを聞き込みした。
パリで日本語の賃貸情報が見られるスポットは以下の通り。日本食レストランや食材店があるオペラ周辺が多い。フリーペーパーはジュンク堂やBook Offや日本食材店、日本食レストランの入り口においてあるという話だった。日本人会館の掲示板には、こうした個人同士での賃貸のやりとりで悪事を働く常連の要注意人物情報も掲載されているので、あわせて見てみるといいだろう。
・中古書店Book Offの店内にある掲示板(オペラ周辺)
・日本食材店「京子」2階の掲示板(オペラ周辺)
・日本人会館の掲示板(シャンゼリゼ通り)
・日本語のフリーペーパー各種。
(特にOvniが豊富。Ovniはサイトも持っている。三行広告に賃貸情報あり。 http://www.ilyfunet.com/)
早速、オペラ周辺を巡り、各種フリーペーパーを集めた。オペラ近くのラーメン屋で東京とんこつラーメンをすすりながら検討。今までサイトで見ていたのよりは安い物件がいくつか見つかったので、ぐりぐりと丸をつけて、Book offの掲示板に向かう。
狭いコルクボードに所狭しと画鋲で留められた、印刷文字、手書き文字のメモの数々。
アパート情報のみならず、帰国に伴う不用品売り情報、ベビーシッターやりますの売り込み情報、フランス語教えますとへたくそな日本語で書かれたフランス人男性の写真付きのメモなど、ここを見ているだけでも、日本人を取り巻く忙しいパリ生活が見えてくる。
この中から2軒、いい物件が見つかったのでメモをする。
一旦宿に戻って荷物を置いてから、近くの公衆電話に向かい、フリーペーパーから探した2軒とBook
offで探した2軒に矢継ぎ早に電話した。フリーペーパーの物件は、1軒は既に決まってしまっており、1軒は1人用の部屋だということでだめ。
次の電話、Book offで見つけた1軒目でようやくまだ部屋が空いているという情報を得た。早速アポイントを取る。電話の向こうの女性は「それでは、今夜はいかがですか?」という。仕事をしている女性なので、今日を逃すと、次のお休みまでまた間があいてしまうということだった。じゃぁ、と今夜のアポイントが成立。続けて、もう1軒にも電話すると、こちらも感じの良い女性が出て、明日の11時に待ち合わせることに成功した。
こんなことでもなければ、パリに在住の日本人とこうやすやすとアポイントを取ることはできない。これは面白くなってきた。
夜7時半、約束した女性の住む町に行く。目的の家は、地下鉄圏内は過ぎて郊外電車のRERという路線上のゾーン4にあった。電車はパリ市内を抜けると地上を走る。都会のパリらしい風景は終わり、びっしりと住宅が建つ地域で、我々は電車を降りた。
駅から電話して迎えに来てもらう。駅は大きな駅ビルがあり、駅から家までは、池のある公園の脇を通って住宅街の中。パリという雰囲気は全くなくなっているが、オペラまでRERで20分というロケーションで、暮らすにはとても感じのいい所だった。
家は2軒続いた庭付き1戸建ての半分。3LDKの1室を借りることになる。値段は光熱費とインターネット込みでEUR590。郊外ということもあり、当初予定していた価格に近くなったし、何よりもWifi環境があって、コンピュータ2台とも同時にインターネットにつなげる環境。しかも、もう1人の間借り人のフランス人男性はネットワークの仕事に就いているという。パリ滞在の目的はFXの勉強なので、ネット環境はプライオリティーが高い。ただ、「パリに住む」って感じではないのがねぇ。この日は、部屋を見せてもらって、返事は明日に保留して家を後にした。
ボルドーから移動してきて、初日にここまでやると、もう何日もパリに滞在しているような気分になった。ふー、疲れた。
さて、翌日はモンマルトルの丘方面で待ち合わせ。ここで出会った女性は有名銀行のキャリアウーマンだったが、その地位を捨ててパリで新しく食べ物に関する事業を行っている人だった。現在はフランス人のビジネスパートナーとフランスのワインと食を楽しむ講座を開いていて、その模様はブログ 「Soyez les BIENVENUS ! フランス便り」(http://blog.livedoor.jp/parismidori/)で発表されている。毎回おいしそうな写真がたくさん掲載されていて、見ているだけでパリを満喫できる。
日本とパリを行き来しているので、今回のように部屋が数ヶ月空いてしまうことがある。その間を他の人に貸しているということだった。部屋はStudio。日本風にいうとワンルームマンション。周りは石造りの建物がびっちりと立ち並び、週に1度は近くでマルシェが立つという、まさにパリという所だった。2ヶ月過ごしたいというと、本来の価格よりも値下げしてくれて、インターネット、光熱費など全て込みで1ヶ月EUR750。彼女の人柄、自由を求めて日本社会を飛び出したという共通点、彼女が行っているビジネスなど、お部屋もさることながら持ち主との話が面白く、こちらもなかなか魅力的だった。
さぁ、どうしようか。宿に戻って考える。うーーーん。パリというイメージにどっぷりとつかり、毎日ショッピング、観光、ナイトライフ三昧というのであれば、間違いなく後者になる。しかし、これから私達のパリ生活は、週の半分は家で過ごすことになるだろう。場合によっては、一歩も外に出ない日もあるだろう。それを考えると、共有部が広々として、庭のある郊外の家の方が寛げる。それにインターネット接続環境が前者の方が魅力的だ。
ということで、迷った結果、郊外の庭付きの部屋を借りることに決定。家主に電話して、明日からでも入りたいというと、大丈夫だということだった。後は、宿のリーさんだ。即刻話をして、こちらも明日のチェックアウトを取り付けた。パリ到着3日目、我々は新しい家へと引越しをすることになった。
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