夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.04.21
パリの中華街

フランス:パリ

 今日はこれから2ヶ月間を過ごす家に移動する。といっても、入居できるのは家主が仕事から帰ってきてからなので夜。それまでは、ゆるゆると観光できる。

 移動もあるので、あまり気負って観光したくない。じゃぁ、お昼ごはんがてら中華街にでも行ってみようってことになった。

 ガイドブックに掲載されている中華街は2つあった。1つは地下鉄7号線の南の方にある駅Tolbiacで下車。ここは13区になる。もう1つは19区になるが地下鉄11号線の東の方にある駅Bellevilleで下車。Tolbiac周辺は高層ビルが立ち並び、高度な中華経済を感じることができ、Bellevilleはより下町風なので手荷物などには十分に注意という説明がされていた。

 危ない所は避けたいので、13区のチャイナタウンへと向かう。Choisy通りとIvry通りの2本にお店が並んでいるというので、地図を見ながら行ってみた。確かに、周囲は近代的な高層ビルが立ち並び、チャイナタウンという響きからの、またパリという響きからのイメージとも違った所だった。お目当ての2本の通りには、確かに土産物屋やレストランが並んでいるが、それらは私達の期待していたチャイナタウンの「飯屋」はなく、ちゃんとした「レストラン」ばかりが軒を連ねていた。

 店先でアツアツの肉まんが湯気を立て、気軽に春巻きやシュウマイを1皿、2皿食べて出られるような店は見つからない。「当店に入ったら最後、お腹をいっぱいにして満足してお帰りいただきたい」的な店ばかり並んでいるのだ。

 ここ13区のチャイナタウンは、1975年以降ベトナム、ラオス、カンボジアのいわゆるインドシナ3国からの大量の難民流入の際に基盤を作り、その後、急速に発展した歴史を持っているようだ。いわゆる中国本土から移住してきた中国人が血縁関係や知人を呼び寄せて徐々に形成していったチャイナタウンとは歴史が違う。あらかじめ資産を持って入って来た人も少なくないため、急速に発展していったのだそうだ。チャイナタウンにもタイプがあるのだ。

 で、私達が期待していたのは、古いタイプのチャイナタウンだったというわけだ。こりゃ、だめだ。2本の通りをざっくり見てそう判断した。そこで、もう1つのチャイナタウンに行こうと思ったのだが、ガイドブックを置いてきてしまって駅名がわからない。そこで、店の勝手口でたばこをふかしている中国人男性に話しかけた。

 「別のチャイナタウンに行きたいんだって?パリにはチャイナタウンが7つあるんだけど、どれのことかなぁ。」

 う、7つもあるのか。やっとのことで、19区あたりにあるBで始まる地下鉄名だったことを思い出して聞くと、「それならBellevilleだね。」と即答してくれた。しかし、彼いわく「Bellevilleに行くんなら、手持ちのバッグは斜めがけにして、手でしっかりと押さえていた方がいい。あそこに行くとね、こうやって人がカバンをひったくっていこうとするからね。」と私のショルダーバッグの紐をグイと引っ張って、「気をつけなよ」とアドヴァイス?してくれた。

 ガイドブックにも、同じようなことが書かれていたので、彼のアドヴァイスもあながち嘘には聞こえなかった。しかし、本当にそんなに物騒な所なのだろうか。行こうか行くまいか一瞬悩んだが、肉まん食べたさに行ってみることにした。

 11号線のBelleville駅を地上に出ると、先ほどの町とは違った空気をすぐに感じた。それは危ないというよりは活気に満ちているという感じ。地上に出て右手に上っていく道沿いに漢字の看板が見えていて、そこがチャイナタウンだろうと検討がついた。中華系の顔立ちも多いが、黒人やアラブ人も多い。こうしたミックスな度合いが高い地域は確かにスリやひったくりなどが多いケースは今までにも体験してきた。しかし、おおぜいの人がいる町は、人通りが少なくたまにすれ違う人が怪しそうな所に比べると危険性は低い。なるほど、この程度か。これなら大丈夫そうだと判断して、先に進むことにした。

 坂道を中腹くらいまで上がった右手に数件、私達が期待していたような「飯屋」がある所が見つかった。活気のあるスーパーもある。

 その中の1軒で、肉まんを発見。さっそく5つ購入して食べることにした。ここは店内でワンタンスープやラーメンも食べることができる。そうそう、こういうお店を期待していたのだ。

ここの肉まんは蒸してあるのでなく、多めの油をしいたフライパンで半分揚げたようになっている。

 底がカリカリしていて、なかなかおいしかった。


 この肉まんを買おうと、店のカウンターに並んでいたら、前に並んでいた東洋人(日本人だったかもしれない)が、フランス語で「私、フランス語を勉強するためにここにいるんです」みたいなことを言って、店主と2言、3言交わすのが本当に嬉しそうにしている女性がいた。年齢は30代半ばくらい。仕事の合間を縫って、1週間くらいの語学バケーションなのだろうか。こんな光景も、国際都市パリのチャイナタウンっぽい。

 肉まんも食べたし、移動の時間も迫っているので、坂を下りて駅までいくと、市が立っていた。もう終わりかけなのだが、それでも、多くの人で混み合い、店の売り子は売れ残りをなくそうと、最後の大売出しを声高に叫んでいた。

 2つのチャイナタウンは、それぞれの発展の歴史を背景に、全く異なった町を作り出していた。肉まんを求めていたので、最初のチャイナタウンには短時間しか滞在していないが、あとから陳氏百貨商場 TANG FRERESという有名スーパーがあって、中華食材、アジア食材がかなり安く買えるというのを家主のスージーから聞いた。機会があったら行ってみよう。



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