夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.05.04
イル・ド・フランス(3)フォンテーヌブローFontainebleauとバルビゾンBarbizon

フランス:パリ

 今日はパリ南東にあるフォンテーヌブローを目指す。

 パリからはリヨン駅でフォンテーヌブロー・アボンFontainebleau Avon駅で下車して、駅前からバスに乗って15分でお城に到着するとガイドブックに書かれていた。

 家からリヨン駅まで40分、リヨン駅からフォンテーヌブロー・アボンまでは40分から50分。そこから15分。待ち合わせ時間も考えると、2時間半はかかるとみた。

 昨日のうちにワインのハーフボトルは買っておき、朝7時の開店と同時にパン屋にバゲットを買いに行く。バゲットはまだ温もりが残っていておいしそう。

 お弁当を作って、朝8時に出発。

 最寄の駅の窓口には、何度か顔を合わせて私達のことを覚えていてくれた駅員の女性が座っていた。「あらら、またお会いしましたね、ボンジュール」と愛想がいい。彼女に今日の行き先を説明すると、それなら1日券を購入したほうが安くすむと計算してくれた。モビリスMobilisという1日券は1から6ゾーンで使えて、EUR15.35(=US$19.49)。購入したらその場で名前を記入するように言われた。

 リヨン駅ではフォンテーヌブロー行きの切符販売窓口が非常にわかりにくいということも併せて考えると、地元でこれを買っておいて良かったという結果になった。

 リヨン駅は大きな駅。9時というと、各方面からパリに通勤に来た人で混んでいて、東京駅や上野駅を思い出させる光景。

 パリに向かう人は多いが、パリを下る人は少ない。我々方向のエスカレーターはがらがら、電車もガラガラだった。

 乗車45分くらいでフォンテーヌブロー・アボン駅に到着。ここに至ると町の喧騒もなく、緑の中に駅がある。お城まで行くバスは、駅を出ると接続してすぐにあったので、それに乗り込んだ。運転手さんに1日チケットを見せると、運転手席後ろの自動検札機に通すように言われて、ガチャンと日付を刻印した。

 緑の中に駅があったので、てっきりもう民家はないのかと思っていたらそうでもなかった。バスはすぐに街中に入り、レストランやスーパーや衣料品店が並ぶ、繁華街を走り始めた。非常に混んだバスの乗客の中にガイドブックや地図を広げている人が何人もいた。この人たちについて降りれば正解だろう。

 バスを降りると、目の前がツーリストインフォメーション。

 ここでお城の場所(オフィスを出て左手にどーんと見える建物がそれだった)を尋ね、市街地図をもらい、今日はバルビゾンまでレンタサイクルして行こうと思っているのでレンタサイクル屋の場所を聞いた。

 ツーリストインフォメーションでも自転車を貸してくれているのだが、成人男性用しかなく、女性には大きすぎるだろうということだった。「それなら、男性用はここで借りて、紹介してもらったレンタサイクル屋で女性用を借りればいいのかしら」というと、係りの女性は「あちらのレンタサイクル屋さんはかなりコスト競争力のある価格ですから確認してからこちらを考えたほうがいいですよ」と、さりげなく向こうの方が安いということを教えてくれた。これで、今日の準備はOKだ。

 まずはお城の見学と行こう。

 昨日訪ねたシャンティイ城は公爵の持ち物だったが、今日は王家の宮殿。ヴェルサイユ宮殿にも劣らない程の豪華さということで、人気が高いらしい。

 宮殿内と庭園を見学できるチケットを買うのにちょっとした行列ができていた。

 中に一足踏み入れて、確かに昨日のお城との格の違いを感じさせる調度品が数々目に飛び込んできた。さすが王族。

 居室から居室への入り口についている装飾だけでも、ご覧の通り圧巻なのである。

 中でも舞踏の間Salle de Ballは、床、壁、天井と全てに渡って隙を見せない装飾振り。舞踏というくらいだから、ここにはかつて華やかな衣装を身につけた貴族が集って踊り明かしたのだろうか。




 この後は部屋が連なっている所の見学。日本人の団体観光客が2組いて、他の国からも多くの団体観光客がきているので、狭い通路は大混雑。更に、各グループが立ち止まってガイドさんが説明するので、なかなか前に進めない。しかし、日本人グループの場合は、ガイドさんの日本語解説も聞こえてくるのでラッキーと聞かせてもらった。今回出くわしたガイドさんはベテランで、ガイドブックにあることがらプラス様々なエピソードを面白おかしく語ってくれる。やはり説明があると、面白さが格段に違うなぁ。

椅子がかわいらしい部屋

王妃の寝室だって。こんなに賑やかな部屋で
安眠できるくらいの人じゃないと王妃になれない。

ナポレオンも座ったことがあるという玉座。
天井からたれているビロードの豹柄がそれらしい。

礼拝堂も圧巻の装飾。

 いやぁ、なかなか見ごたえのある宮殿で、人気があるのもわかる。

 城を出ると今度は庭園の見学。

 池の奥にお城が見えるロケーションにベンチがあったので、そこでお弁当を広げることにした。

 ここから城の前を左方向に周りこむと、ディアヌの庭園、宮殿の後ろ側が花壇、私達がお昼を食べた所の右手がイギリス庭園と3種類の庭園が楽しめる。

 ディアヌの庭園からは、池越しにお城が見られてとても美しい。

 また、イギリス庭園も野手あふれる設計になっていて、花も咲き乱れて美しかった。



 たっぷりと見学していたら、午後2時近くになってしまった。さぁ、これからバルビゾンだ。観光案内所で教えてもらったレンタサイクル屋さんは、新品自転車屋さんでもあった。中に入ってレンタサイクルしたいと告げると、オーナー女史はどこかに電話して、若い男性を呼び寄せた。男性に付いて店を出て、先の角を左に曲がった建物が店の倉庫になっているようだ。そこから、私達のサイズにあった自転車を出してきてくれた。料金は午後から店の閉店時間の18時30分までで、一人10ユーロ。観光案内所では、確か4時間で14ユーロと言っていたので、こちらの方が安い。

 機嫌よく出発。先ほどの観光案内所の前までたどり着いて後ろを振り返ると、夫が来ない。おやおや?待っていたら、夫が自転車を抱えて歩いてきた。途中でギアをチェンジしたらギアの部分が壊れてしまったというのだ。やれやれ。もう一度自転車屋に戻って、新しい自転車にチェンジしてもらった。今回はギアも試して良好なことを確認。

 ついでに観光案内所にも再度寄って、詳しく行き方を聞いた。

 しかし、わかりづらい。観光案内所の人は、行く先々の木の幹や道路に「FB」というマークが出ているので、その矢印に沿って走っていけばいいという。しかし「FB」のマークが出る所までがわかりにくかった。

 参考になるかもしれないので、言葉で説明しておく。

 観光案内所出たら、城と反対方向の右手に進む。やがて道路がVの字で2手に分かれるので、左手の細い方の道に進む。この道沿いの左側にはメルキュールホテルがあるのが目印。

 メルキュールホテルを過ぎたら、とても大きな幹線道路にぶつかる。この道を左折すると、幹線道路を地下道で横断できる入り口があるので、そこから入って幹線道路を横断する。なおも道なりに進むと、未舗装のまっすぐに森の中に入る道と、今まで通ってきた道の続きで舗装された右折する道に分かれる所にくる。ここは舗装道路に従って右折。次に十字路に出る。舗装道路はここでも右折。まっすぐ進む道と左折する道が未舗装の森に入る道になっている。ここで左折。(ここが一番難しかった)

 ここから先は未舗装の森の中を走ることになる。途中、舗装道路が横断していることもあるが、関係なく道なりに走る。この辺りまでくれば、さりげなく、うっすらと、どこかに「FB」というマークが出てくるので、それを頼りに進む。下の写真の木の幹には「FB」のシールを裏返して貼ってしまったらしく、「BF」しかも左右反転文字になっていたし、道路の「FB」は消えかけている場合が多く、頼りがいはあまりないのだが、ないよりましである。こういう所がフランスらしいと感心して楽しむポイントなのだ。





 とまぁ、こんな具合。一番難しい所でジョギング中の人をとめてまで聞いたのだが、結局わからず、勘を頼りに進んで正解だった。

 途中、先の方の右手にワンピースを着てハイヒールを履いた女性が立っているのが見えた。こんな所で何をしているのだろうか。サーっと自転車で通り過ぎて「?????」。しばらく行ってから、夫に「だ、男性だったよね?」と聞くと、「そうそう、びっくりしたねぇ」という答え。

 パリ郊外のブローニュの森が同性同士のデートスポットとして有名なのは聞いていたのだが、ここフォンテーヌブローの森で目撃できるとは思わなかった。それにしてもスラリと伸びた膝下が美しい人で、ひげ面のおっさん顔じゃなかったら、なかなかいけていたのに。

 バルビゾンまでの道は、アップダウンもかなりありながら、だんだんと上っていく。これくらいの坂でも、私達はヒィヒィといってしまった。南米で出会った自転車旅行者(通称チャリダーと呼ばれている)たちは、「3日間のぼりっぱなしでしたぁ」なんて言っていたっけ。絶対無理だ。

 坂を上りきってしばらくなだらかな道を進むと、右手に公園が見えてきた。この辺りは、火山でもあったのか、むき出しの大きな岩がごろごろしているのが面白い地形で、特にここは高い所から遠くまで臨める景色がポイントの公園だった。

 この公園内にも岩がゴロゴロしているのだが、自転車で行ってちょっと休憩して戻ってくるとき、岩につまづいて転倒し、転倒した自転車で思いっきり膝を打撲してしまった。い、痛っ!目から火が出るほど痛かった。年甲斐もなく、岩の道を自転車でジャンプしようとしたのが間違いだった。

 しかし、ここは森の中間。どちらかに行かなければこの旅は終われない。しばらく休憩して、そろそろと又走り出した。

 ここからは下り坂多い。ってことは、又登ってこなきゃならないのかと、膝を打った今は少し憂鬱になりながら走る。

 やがて、スイスシャレー風の休憩所が見えてきて、ここを左折したらバルビゾンに到着。

 途中、自転車の故障、道に迷う、寄り道して転倒、休憩が入ったので1時間半かかったが、これがなければ1時間とかからない道のりだろう。

 バルビゾンはこじんまりとして、とてもかわいらしい村だった。




 ここに住んでバルビゾン派として有名になった画家ミレーのアトリエを訪ねた。こじんまりとした家は、画家が残したキャンバスや作品や描きかけのデッサンがたくさんあり、一緒にバルビゾン派として活動していた他の画家の作品も飾ってあった。私でも知っている「晩鐘」や「落穂拾い」の絵もあり、美術館で見るのとはまた違った味わいがあった。

 日本語の解説を手渡され、4部屋くらいの内部を見学する。質素といってもいいアトリエから出された絵画が、世界中の立派な美術館に飾られているのは、とても不思議な気がする。こんな所で描いていたのねぇ。

 本当はバルビゾン美術館にも行きたかったのが、すでに閉館の17時半に近づいていて無理だった。自転車も18時半までに戻さなければならない。

 もっとゆっくりと見たかったなぁと、後ろ髪を引かれながらも、自転車を走らせて、一路フォンテーヌブローヘと帰り道を急いだ。

 案の定、来る時の後半戦、気持ちよく駆け抜けた坂道は、急ではないのだが長く長く続いてあえいだが、その後は、来る時よりも楽な道のりだった。

 迷うことなく、転ぶことなく45分後の18時3分に、レンタサイクル店に自転車を返すことができた。

 そうそう、最後にお城を通過する時に、合計20kmの道のり走破の記念に「ガッツポーズ」で撮影。ちょっとだけチャリダーになった気分は爽快だった。



 フォンテーヌブロー城、フォンテーヌブローの森、バルビゾンを満喫した日帰り旅行。欲をいえば、それぞれにもう少しずつ時間がほしかった。フォンテーヌブロー駅着が10時だったので、あと1時間早く到着すればよかった。観光案内所は10時からだが、お城は9時半から開くので、お城見学をしてから観光案内所に行き、情報を得てバルビゾンに行く。これなら、もっと余裕を持って楽しめるだろう。それにしても、今日はよく歩き、よく走った。満足、満足。


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