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2006.06.10
ブローニュの森にあるバガテル公園Parc de Bagatelle
フランス:パリ |
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パリの町を挟んで東西に大きな公園がある。東端にあるのがヴァンセンヌの森、西端にあるのがブローニュの森だ。
ブローニュの森という名前は聞いたことがあるが、どんな所なのだろうか。調べてみると、バラ園で有名なバガテル公園、華やかなファッションの観客で有名なロンシャン競馬場、全仏オープンテニスで知られるローラン・ガロス・スタジアムなどがあり、他にも乗馬クラブ、キャンプ場、池もあるという盛りだくさんな森らしい。森という名前はついているが、こんなにたくさんの施設があるのなら、公園といった感じなのだろうか。
と、興味関心が高まってきたので、バラが見頃のバガテル公園を訪れることにした。
バガテル公園は、南北に長いブローニュの森の真ん中よりちょい上の西端に位置する。地下鉄1号線Pont
de Neuillyで下車して、マドリッド通りAv. de Madrid沿いを走る43番のバスでPlace
de Bagatelleで降りると近いという情報だった。
Pont de Neuillyに降り立つと、感じのいい住宅街になっていて、このままバスに乗ってしまうのも惜しい気がしたので、バス通り沿いにぶらぶらと歩いてみることにした。
数百メートル先の左側はブローニュの森に入る。鬱蒼とした雑木林が続き、細い小道を散歩したりジョギングする人の姿が見える。なるほど、このワイルドさはまさに森だなぁ。
日本の高級旅行代理店などは、「ブローニュの森は危ないので行かれないほうがよろしいかと・・・」という忠告をする所もあるらしい。確かに、こんな雑木林に囲まれた小道なら、暗くなってから売春の男性、女性、女性に見える男性、ヤクの売人が出るという話もうなずける。しかし、昼間はいたって健康的に見える所だ。
この道をテクテクとあるくと、やがて大きめのロータリーに出る。ここにブローニュの森共通の石板の案内図がある。今まで歩いてきたAv.de MadridはAllee de la Reine Margueriteと名前を変えるのだが、その1本右の道を進んでいくとバガテル公園に行けるように書いてある。
今までとは違ってちょっと森の中を歩くようになるのだが、進んでいくと確かにバガテル公園にぶつかった。
入り口で、入園料EUR1を支払い、その先に置いてある園内地図を見てみると、目当てのバラ園は左手にあることがわかった。
さっそくバラ園を目指そうと歩き始めると、右手から猫のような鳥のような鳴き声。むむむ。この声は孔雀だ。声につられて右手に行くと、孔雀が放し飼いにされていた。
子供連れの若い夫婦が、手持ちのお菓子を鴨やアヒルに与えていたのだが、そこにこのゴージャスな孔雀も寄ってくる。ここは、セーヌ川のほとりに立つ小屋だったのを、マリー・アントワネットの夫であるルイ16世の弟が野手あふれる庭園に作り上げたもの。公園といっても館がある邸宅の敷地で、かつてはマリー・アントワネットもここに遊びに来ていたらしい。孔雀が庭で放し飼いされるくらい、当たり前なゴージャスな歴史を持っているのだ。
バラ園までの道のりは、林の中の小道。とても気持ちがいい。すぐにオランジェリーOrangerieという建物が見えてきて、その前からバラが始まっていた。このオランジェリーでは毎年夏の時期にピアノコンサートが開かれている。今年2006年は6月17日から7月14日まで。ガラス張りの建物からバラを見ながらショパンが聞けるなんて、いいですねぇ。
さて、オランジェリーの前から始まったバラは、その奥のバラ園に至って本領を発揮。とにかくその一角はあらゆる種類のバラで埋め尽くされ、バラの香りがそよ風に乗って運ばれてくる。パンフレットには公園に植えられている花を種類数とともに掲載しているのだが、他の種に比べるとバラは1200種類と桁違いに多いのだ。
バラ園を背にしてオランジュリーをのぞむ。 |
オランジュリーから見て左手に小高い丘があり、そこの展望台に上ると、バラ園全体を見渡すことができる。バガテル公園全体としては、自然の雰囲気が漂うイギリス式庭園なのだが、所々にこうした幾何学的なフランス式庭園の形式を取り入れていて、そのバランスが歩いていて楽しい所だった。
上の写真の左手には、バラで作ったトンネルやバラのレイがかかったようなバラの通路もある。
こうしてバラを楽しんでいたら、突然タキシードとウェディングドレスを着たカップルが登場。後からカメラマンらしい男性2人もついてくる。どうやら、ここで挙式をあげているカップルの撮影現場に遭遇したらしい。カメラマンの指示に従って、様々なシーンでの撮影が進められていく。ビデオの撮影もあって、両脇にバラが咲き誇る小道を2人で走り抜けていくシーンなんていうのもあった。花嫁さんのウェディングドレスも斬新で可愛い。モデルさん並にさまになるカップルの登場に、周りも大喜び。
公園の魅力はバラ園だけではない。バラ園の近くに植えられたアイリスのコーナーも美しい。アイリスはバラに次いで種類が多く320種類あるそうだ。
ここには、1905年にパリ市がこの公園を買い取ってから造園を任されたフォレスティエForestierのレリーフが飾られていた。
アイリスの庭園を抜けると、いくつかの館の集まっているところ。
そのうちの1つはレストランになっていて、とても優雅な気分でランチを取ることができるようだ。お値段は、前菜でEUR15〜、メインはEUR24くらい。こちらも優雅だ。
最初はバラ園だけと思っていたのに、案外魅力的な所が多くて、結局公園全体を一回りしてしまった。11時に来て、バラ園でお弁当を食べて散策して、午後3時半、堪能してバガテル公園を去ることにした。
帰りは違う道で帰ってみようと、今度はブローニュの森をつっきった所にある地下鉄2号線Porte
Dauhine駅を目指した。地図で確認した所、行きも帰りもバガテル公園までは2kmの道のり。丁度いい散歩になった。
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