夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.06.21
フランス音楽祭(フェット・ド・ラ・ミュジックFete de la Musique)

フランス:パリ

 昨日のセーヌ川クルーズの楽しさも冷めぬ今日、家主のスージーさんから「今日は、フランス音楽祭の日よね!」と言われた。何ですか、それは?

 彼女によると、フランス中の様々な所で音楽の祭典が行われ、パリも地下鉄が無料になるし、無料のコンサートもあちこちで行われているのだという。それを聞いたのは午後の夕方に近い時間だったのだ。

 何と。そうと知っていれば私たちもパリにでかけたのに。悔しそうな顔の私たちを見て、スージーさんは「ここの市庁舎の前でも夜からコンサートがあると思うわよ」という情報をくれた。ああ、そうだ。そう言えば昨日から市庁舎前に巨大なステージが設置されていたっけ。そうか、あのステージは今夜のためのものだったのか。

 ということで、またまた夜の外出。午後10時過ぎに、先日「光と水のパフォーマンス」が行われた市民劇場と市庁舎の方にぶらぶらと歩いていった。

 市民劇場の前にはステージが設置され、ステージ横の看板によると、本日4回ある公演の最後、近所の高校生によるパーカッションの発表会が行われているようだった。


 群衆のほとんどは同級生や両親や兄弟と思われる人たちで、学園祭に来たような感じだった。パリでは有名ミュージシャンのコンサートが開かれているようだが、やはりここになると、朴訥とした雰囲気になるのだろうと思った。

 朴訥ではあるが、歩道にも車道にも人があふれ、この町にこんなに人が住んでいたのだとびっくりするくらいに人が出ていた。先日の「光りと水のパフォーマンス」はシックな催し物だったが、今日はちょっと違う。ホットドッグやクレープの屋台なども出ていた。何だ、何だ、一体何が始まろうとしているんだ?

 市庁舎に近づくに従って、人々はステージに向かって立ち話をしながら何かを待っている風だった。今は何も行われていないステージには、本格的なバンドのセッティングがなされ、時々ライトが調整するようにピカピカと光り、少なくとも先ほどの高校生グループのバンドとは扱いが違う。

 期待して私たちも待っているうちに、高校生バンドが終了したせいか、どんどんこちらに人が集まってきた。集まってきている人の大半は黒人。東洋人も多く住んでいる地域なのに、あまり来ていない。一体どういうことなのだろうか?

 午後10時過ぎ、「キャー」という歓声があがった。え?スターなの?スターが来ているの?ステージにあがったのは黒人の男性と女性ボーカリストがいるバンドだった。全然見たことがない人たちだったが、まぁ我々が知っている人の数なんて高が知れている。曲が始まるとすぐに周りの人は歌詞を熱唱していることから、ある程度有名な人たちなんだろうなぁと想像がついた。


 曲は、管楽器とギターとパーカッションという組み合わせの明るい音楽で、ノリのいいダンス音楽もあれば、しっとりしたバラードもある。後で聞いたところズークZoukという音楽のジャンルらしい。フランスの海外県であるカリブ海南部の島、マルチニーク島で発祥したフランスと黒人の文化が融合した音楽なのだそうだ。

 夜がふけるに従って周りの人のボルテージは上がっていく。バンドも乗せ方が上手くて「さぁ、今度の曲は皆も知っている通り、サビにきたら両手を挙げて、左右に振ってぇ〜」など、曲ごとに皆が盛り上げるように工夫している。


 途中大雨が降ってきても、みんな持ってきた合羽を着込んだり、傘をさして動こうとしない。午後11時半、とうとう最後の曲だとアナウンスされたようだ。大ブーイングが巻き起こりつつも、皆この曲に最後のエネルギーを放出しようと、ジャンプ、ジャンプ。メドレーらしいこの曲は、何度も曲調を変えながら、みんな大合唱のサビの部分が続出。

 雨のパリの郊外で、黒人に囲まれて、ジャンプしながらコンサートを楽しむ日になろうとは考えもしなかった。人生、何が起こるかわからない。

 「今日はこの町に来られて本当によかったぁ〜、本当に皆大好きダァ〜、今日は楽しかったかぁ〜い?」「ウィー」(こういう時、「イェ〜イ」じゃないことにフランスを感じた)という最後のご挨拶になってきた頃、帰ることにした。

 劇場まで、背中に音楽を受けつつ歩く。どうやら皆のアンコール催促を受けて、もう数曲やるらしい。劇場までの歩道では、ステージに向けて立ち、歌いながら踊りながら楽しんでいる群衆を見ながら帰った。夏に向けて、夜がだんだん忙しくなるパリのヒトコマを体験。


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