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2006.04.18
ガロンヌ川右岸(東側)、ノリノリ城主と真面目な城主
フランス:ボルドー |
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ボルドー観光の3日目にして、ようやく観光局主催のワイナリー半日ツアーに行った。一人EUR28(約US$36)で、大型観光バスに乗って2ヵ所のワイナリーを巡ってくれる。
1時半に観光局前からバスが出発。今日も定員の50人満席御礼という状態だろう。
バスはブドウ色に染められ、シャトーの絵が描いてある、これ専用の特別仕様のバスで、ボルドー市の意気込みが感じられる。
今日は、ボルドー市からガロンヌ川を渡って東側のやや南に下った所にある、Entre-Deux-MersのSt-Leonという村にあるChateau
de CastelneauとPremiers Cotes de BordeauのIvracという村で4つのシャトーが共同でやっているワイナリー(その4つとはChateau
La Rose Montet, Chateau Huat Greyzeau, Chateau Les Moulineaux, Chateau
Dimacy)を訪ねた。
最初のシャトーに到着すると、大柄で陽気な城主が迎えてくれた。案内人の女性は、フランス語と英語で説明してくれるので、城主が英語を話す必要はないのだが、とても一生懸命に英語で説明してくれるのが好感度が高い。また、笑いを取ろう取ろうとする会話運びも、面白く、この人なりのホスピタリティーが感じられた。
上の写真がシャトー全体図。
まず我々が案内されたのは、ロの字型になった母屋の裏手。それが下の写真である。
この城もフランス革命時に、大部破壊されてしまっているので、少しずつ修復しているということだった。
因みに写真中央からやや左に写っているのは城主の息子さんとそのお友達だそうだ。息子はまだワインの知識が全然なく、現在勉強中なので、このツアーにも参加させて徐々に勉強させているのだ、などというお父さん的解説も加えられ、アットホームな雰囲気がますます伝わってくる。
この後、畑の前でブドウの説明があった。ブドウの木はある程度の高さまで成長すると、両脇2本に伸びた枝以外は全て伐採してしまうのだそうだ。
こうすることによって養分が全てその2本の枝、つまりその先のブドウに集中して、より良いブドウが取れるようになるためにこうするのだという説明だった。
次にワイン醸造倉庫の前で説明。こうした建物は、内部の設備こそ新しい物にしているが、建物そのものはそれこそフランス革命の時から変わっていないのだろうと思うと、タイムトリップしたような気分になる。
城主は、ここでも絶好調で、ワイン作りにまだ慣れていなかった頃、ワインが発酵するタイミングがつかめずに、気がついたら、この倉庫から発酵したブドウがあふれ出て、大変なことがあったよ、と苦労話を陽気に披露していた。
そして試飲室へ。この地域では白と赤の両方を作っており、両方を2種類くらいずつ試飲させてくれた。
味は白は酸味が強く、赤は軽い。残念ながら、どちらも私達の好みではなかった。
でも、他の人たちは、折角来たのだからということもあってか、みんな3本6本と物凄い勢いでワインを購入。
最後にバスで出発する時に、城主は大きく両腕を掲げて「サンキュー、サンキュー」とご機嫌でお見送りしてくれたのは言うまでもない。
次に訪れたのは、もう少し南に下ったCotes de BordeauのIvracという村。こちらはもっと年の若い城主がお出迎えしてくれた。
先ほどと違って、いかにも自らワインの生産に取り組んでいますという感じの朴訥とした人で、服装も普段着で、説明してくれるその指先の爪がブドウ色に染まっていた。
ブドウ畑の前での説明が終わって、振り返ったところにある醸造所の扉を開けて、簡単にワインの製造の説明。ツアーの2軒目ということもあり、1軒目で基本的な説明は済んでいるので、こちらでは割愛されていた。
すぐに試飲。城主の奥様も登場してきて、皆のグラスにワインをついでいく。この注ぎ方がすごい。試飲というとワイングラスの1/3くらいに注ぐと思っていたが、この奥さんはグラスの半分以上をワインで満たしていく。おお、凄いねぇと誰もが笑顔になってしまう。
こちらも赤と白、しかも違う年のものと違うブランドの物などが試飲対象になっていて、どんどん出てくる。いい気になって飲んでいると、やや酔いが回るくらいになってしまった。
赤はねぇ、やはりちょっと軽いです。白はフルーティーで良かったと思うが、飲みつけていないので、白を飲むとだんだん頭が痛くなってくるのが困り物。
今回は、ワインの味は好みとは違ったが、タイプの異なる2人の城主からお話が聞けたというのが、楽しかった。
ボルドーのワイナリー巡りは、これでおしまい。私の中ではアルゼンチン、チリは工業生産的、ボルドーは手作り的なイメージができあがった。アルゼンチンのメンドーサで訪れたワイナリーは、もっと大規模で工業的に生産していて、「我がワイナリーの年間生産量は○○リットルで、年間○○本を世界中に輸出しています」という説明が得々としてされていた。それに比べると、今回訪れたワイナリーは、家の歴史や自分の失敗談などが聞けて、どちらかというとこちらの方が印象に残った。
今回はボルドー市内に宿泊して、ワイナリーを訪ねたが、次回はどこかの生産地の村のオーベルジュに宿泊して、昼間はワイナリーを訪ね、夜はオーベルジュでボルドーの美食とワインを味わうというのをやってみたいなぁ。。それには、現状の旅の予算をもっとあげられるようにしなければならないけど。
この3日間でボルドーのワインを何種類口にしただろうか。ボルドーでの好みは、変わらずHaut-Medocという結果になる。カヴェルネ・ソーヴィニヨンの含有率が多いのだろうか。結局、私達はカヴェルネ・ソーヴィニヨン100%の、もう限定しちゃうとチリのコンチャ・イ・トロがとても好きなのである。ボルドー市内の酒屋を物色していたら、コンチャ・イ・トロのディアブロというシリーズのカヴェルネ・ソーヴィニヨンのバーゲンをやっていて、飲みたくてたまらないのを、ぐっと抑えてボルドーのワインを買ったりもした。
でもまぁ、今回ボルドーワインを毎日飲んで、「華やかさ」というのが体感できたのは良かった。言葉で説明するのが難しいのだが、香りを嗅いだ時と、口に含んだ時、チリワインとはまた違った、パーッと明るい色のイメージが脳で炸裂するのだ。ボルドーで得た快感だ。ボルドー満喫。明日からはパリだ。
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