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2006.07.08 Vol.1
豪勢な建物に感激の美術史博物館
オーストリア:ウィーン |
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宿も決まったし、今日は週末でFXのマーケットもお休み。ってことで、ウィーン観光日和。
今日は、夜にコンサートも控えているので、市内にある美術史博物館を訪れることにした。ガイドブックに「世界三大美術館の一つ」と書かれているが、私の記憶が正しければ、世界三大美術館といえば、ルーヴル、プラド、エルミタージュ・プーシキンではなかったか?インターネットのWikipediaでは、世界三大美術館はルーヴル、エルミタージュ・プーシキン、メトロポリタンとなっている。ま、諸説あるのかもしれないが、ガイドブックの執筆者が思わず「世界三大美術館」と筆を走らせてしまうくらい、凄いものなのだろうと、期待が膨らんだ。
写真は向かいの自然史博物館。朝はこちらの建物に陽があたって
いるので、こちらを撮影した。手前がマリア・テレジア像。 |
美術史美術館は、マリア・テレージア広場に面した2つの大きな建物のうちの1つ。
広場の中央にあるマリア・テレジア像をはさんで向かいには、そっくり同じ形の建物が相対していて、こちらは自然史博物館になっている。
開場は10時なのだが、何故かもう見学を終えたような顔をした団体観光客がこちらに歩いてくる。
ツアーの人は特別に早い時間から見学できるのかもしれない。
我々は個人なので10時の開場を待って博物館に入っていった。
中に一歩入って、この建物の豪華さに驚く。パリからウィーンに入ってきて、どうもちょっと田舎くさい、建物がシャビーだという感想をぬぐえなかったのだが、ここに来て始めて「ハプスブルク家」という言葉がぴったりきた。
大理石の豪奢なロビーの両側にある階段の左側は閉鎖されていたので、右側から見ていく。
ここはエジプトなど古代文化の展示で、面白いのは、天井もわざわざここの文化に合わせて描かれていたり、建物の支柱のように見せて古代の支柱を展示していたりすることだった。
2階の絵画に比べると、このフロアの展示はより楽しく見てもらおうという博物館側の意図が伝わってくる工夫があって、こちらも見逃せないと思った。
例えば、上にあげた天井の装飾以外にも、ピラミッドを模した照明の前にファラオの彫刻を置いてあり、モダンな感じの展示。
細かいタイルでちぎり絵のように模様を描いた床の展示では、ポイントとなる部分に1つずつ照明が当たるように
なって、自然と1つずつに焦点をあてて見学できるようになっている。
ふと見ると、こんな展示物もある。何の目的で作られたのか気になりますねぇ。
1階の見学を終えて元のロビーに戻ると、今度は中央の階段を上がって2階へ。この大階段の部分も豪華。
踊り場から2階へ上がる階段の方を向くと、上の方にクリムトの絵が見える。額縁に入っているわけではないので、見落としそうになるが、よく見るとクリムトなのだ。
階段を上りきった正面はカフェ。黒地に模様の入った大理石がそれだけでテクスチャーとなった支柱をアクセントに、細かい装飾でびっしりと飾られた壁が、天井のドーム内部全体にまで及んでいる。
一部の隙も感じさせないびっしりとした贅沢な空間。これを安易に真似しようとすると、逆に安っぽさが目だってしまうだろう。
こんなにゴチャゴチャとしているのに、嫌味がない荘厳さになっているのが素晴らしかった。
2階の絵画は、著名な画家による名画もたくさんあって面白い。私が注目したのは、ブリューゲルの絵画。アントワープ出身のこの画家の描く生き生きとした農民の様子は、写実的なようでファンタジックな感じもして、とても面白かった。ブリューゲルというと、黒地に花という静物画のイメージがあったが、それは次男のブリューゲルの方で、今回見たのは父ブリューゲルだということを初めて知った。スケッチ書くと勉強になりますです、はい。
「子供の遊び(遊戯)」と題される絵画では、私たちが小学生の頃に行っていた遊びもたくさん描かれていて、16世紀のフランドル地方の画家の描く遊びを、自分が子供の頃に行っていたということは、一体我々の遊びはどこからやってきたんだろうと不思議な気分。
こうして2階の絵画も堪能して、美術史博物館の見学を終えた。
ルーブルや大英博物館のように1日かけてクタクタになっても回りきれない規模と違って、2〜3時間で見て周れるので丁度いいサイズだ。
午後から来てゆっくりと周って、あのゴージャスなカフェでお茶するというのもよかったかもしれない。
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