夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.07.14
コンサート(4)散策後にシュテファン大聖堂Stephansdomへ

オーストリア:ウィーン

 金曜日、コンピュータ画面とにらめっこした1週間。部屋の中にいながらにして、精神的にヘトヘト、肉体的に超運動不足となっている私たちには、何か息抜きが必要だった。

 そうだ、こんな時はコンサートに行ってみよう。こんなことが可能なのがウィーンの素晴らしい所だ。月刊ウィーンという日本語の小冊子には、その月のコンサートスケジュールがびっしりと書かれている。これを頼りに、今日の日付のコンサートを探すと、教会音楽のコーナーで2つみつかった。教会コンサートなら当日でも入れる。これを狙ってみることにした。

 一つはアウグスティーナー教会Augustinerkirche。マリア・テレジアやエリーザベトらが挙式を行った由緒ある教会で、午後7時半からオルガンのコンサートが行われる予定だった。もう一つはシュテファン大聖堂Stephansdom。町の中心に立つ大きな建物で、こちらも観光名所の筆頭にくる所の1つだ。こちらでのコンサートは、ウィーン室内オーケストラ・ゾリステンとフルートということで、小編成のコンサートらしい。午後8時45分開演で演目はモーツァルト父子とある。

 とりあえずアウグスティーナー教会から見てみようと、午後7時前に家を出た。

 オペラ座の左手の道を進むと、左手に写真のような彫刻が見える。この彫刻を通り過ぎて、左斜めに入っていく道を進むと左手に教会がある。

 教会のコンサートといえば、お布施を支払えば無料で聞けると思い込んでいたのだが、ここのコンサートはEUR15。むむむ。無料だったらこちらを聞こうと思っていたのだが、有料となるとシュテファンのモーツァルトの方が魅力的。あちらの値段を見てから決めようと、シュテファン大聖堂に向かった。

 午後7時半のシュテファン大聖堂は、夕方の光を浴びてうっすらとオレンジ色に染まり、辺りはこれからナイトライフを楽しもうという大勢の観光客で賑わっていた。

 大聖堂前に置かれた仮設ブースにいるお姉さんに聞いてみると、柱の影でステージが見えない席はEUR15、教壇正面の前の方がEUR35、後ろの方がEUR25ということだった。

 まぁ、それじゃぁEUR25にしましょう、ということでチケットを購入。開演まであと1時間ほどあるので、シュテファン大聖堂周辺を散策して時間をつぶすことにした。

 シュテファン大聖堂の前を通り過ぎて、ドナウ川に向かうローテントゥルム通りRotenturm strasseは、ドナウ川の手前のシュヴェーデンプラッツSchweden plzに向かう。この大通りの右側は、むかしながらの細い路地が入り組んでいて、この中に迷い込んでみたら、何と面白いこと。

 まず、シュテファン大聖堂の目の前を通り過ぎてまっすぐ進むと、右手にWolle Zeileという道がある。

 そこを右折してしばらく行くと、左手に建物と建物の間に作られた路地があるので、入っていくと、観光客が行列をなしているレストランが見つかった。

 創業1905年という老舗のシュニッツエル(ウィーン風カツレツ)屋だそうだ。ホームメードのシュニッツェルはEUR11.9。これにポテトがEUR3.5、サラダがEUR3.5、飲み物が一杯EUR3〜4と考えると、一人の予算はEUR25くらいになるだろうか。

 この行列を見る限り、なかなかの人気店らしく機会があったら行ってみたいと思う。サイトから予約もできるようだ。(http://www.figlmueller.at/

 この路地を通り抜けて振り返ると、路地の入り口に店の名前「ZUM Figlmuller」(uはウムラウトです)と大きく書かれているので、こちらから入るのがわかりやすいかもしれない。

 目の前はグーテン・ベルクの大きな彫像が置かれた広場になっていた。グーテン・ベルク?彼は確かドイツ人だったはず。その彼の彫像がなぜここにあるのか不明だが、とにかく大きな彫刻。

 路地から出て左手を見ると、レストランのオープンカフェになった席にかかった屋根からモクモクと煙があがっている。あれは何だ?

 近寄ってみると、冷たい霧を屋根から噴霧させているのだった。

 霧はゆっくりとお客さんの席に下りていって、辺りの空気はひんやりしている。

 ヨーロッパなどでは、冬の間の外の席には、照明のように上から照らす暖房器具などを見かけることがある。あの逆の発想なんでしょうね。見た目も涼しげで面白いし、なかなか洒落ている。

 更にドナウ川よりにはFleishmarktという通りがあり、道沿いにはいかにも古い建物のレストランがあった。案内人を引き連れた白人3人組の旅行者も、このレストランを指差して何やら説明をうけている。帰ってから調べてみると、1447年創業のウィーンで最古のレストラングリーヒェンバイスルGriechenbeislだったということがわかった。ぐるなび偉い、わかりやすい。こんな所でご飯を食べたら、いかにもウィーンという雰囲気でいいでしょうねぇ。

レストラン情報の参考:
「ぐるなび ご当地グルメ海外版 ヨーロッパ」のウィーンのページ
http://www.gnavi.co.jp/world/europe/vienna/3091_1.htm
地図上25番の店をクリックすると、Figlmullerの詳細情報が見られる。
http://www.gnavi.co.jp/world/europe/vienna/8309044/
住所:Wollzeile 5
地図上9番の店をクリックすると、Griechenbeislの詳細情報が見られる。
http://www.gnavi.co.jp/world/europe/vienna/w309009/
住所:Fleischmarkt 11,A-1010,Wien

 他にも、モーツァルトの衣装をモチーフにしたワンピースを売っているブティック。

 これが気になった。これ来てオペラに行きたくなりますねぇ。ウィーンにはまりそうですねぇ。このワンピースのお値段はEUR250くらいだった。日本の感覚から考えたらまずまずの値段だと思う。こういうのを買って帰るのも面白いが、恐らく着る機会があまりない、というのが難点だ。

 さて、時刻は午後8時過ぎ。そろそろ大聖堂に戻ってみよう。

 大聖堂はコンサートのため、一般の見学客を締め出している最中だった。コンサートの入り口は、通常の正面入り口ではなく、大聖堂の右側だと言われる。コンサート30分前で、入り口には数人の人が既に待機していた。それから15分後、いつのまにか待ち人は列をなし、我々はほとんど扉のまん前。基本的には同じ価格のチケットエリア内は自由席なので、早く並んだ方がいい席に座れる。

 開場とともに大聖堂内に入り込み、EUR35のすぐ後ろの席に座ることができた。

 荘厳な大聖堂は、夕方になって雨が降り始め、ステンドグラスの向こうは暗く、既に夜の雰囲気だ。

 中央こそ照明で明るく照らされているものの、端の方に目をやると、薄暗い空間に、白い彫刻がぼんやり見える。恐怖感と荘厳な雰囲気とは紙一重なのかもしれない。

 やがて4人のソリストたちが置くからステージに出てきた。フルート、バイオリン、ビオラ、チェロ。チェロの男性が司会をする。まずはドイツ語で「皆さん、ようこそ。今日は、モーツァルト、モーツァルトの父、サリエリ、そしてハイドンの曲を行います」と演目を説明して、着席。

 開場はシーンとして演奏が始まる瞬間を待った。と、チェロの男性が再び立ち上がり、「えっとー、英語で説明するのを忘れていました。」と今度は英語で説明。開場はどっと沸き、クラシック音楽という堅苦しさと教会の薄暗いおどろおどろしい雰囲気が一気に和らいだ。

 演奏開始。すぐに、今まで行ったコンサートよりずっとレベルが高い人が演奏していることがわかった。


 曲は超御馴染みというものではないが、フルートのビブラートのちゃんと聞いている澄んだ音や、弦楽器の一人ひとりの音が作り出す和音の世界は、とても魅力的で、曲を知らなくても十分に楽しめるコンサートだった。

 こうした小曲で、4人の作曲家の作品を続けて聞いてみると、何と違うことか。そんな違いが楽しめるのも、こういうコンサートならではなんだろうなぁと感心。

 演目の中には、「バッハのフーガを自分達でモーツァルト風にアレンジしてみました」というのもあったが、「ほっほー、モーツアルト風ねぇ」とうなずける程にはこちらの耳ができていないのが残念。こうした玄人受けしそうな試みも行われていた。

 後日、ウィーンで音楽をやっている日本人に聞いた所、今日の演奏者はモーツァルトコンサートなどで演奏している人たちとは全然レベルが違って、学校で教えたりしている人たちなのだそうだ。

 ホールで賑やかに行われる観光客向けのコンサートを2回続けて見た後で、こうしたしっとりしたコンサートに来ると、やっとウィーンの音楽に出会えたという気がする。純粋に音楽を楽しみたいのならこっちがいいと思う。


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