夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.07.16
ベルヴェデーレ宮殿SchlossBelvedereとドナウ川中州

オーストリア:ウィーン

 今日はお弁当を持って宮殿でピクニックの第二弾。前回のシェーンブルンは丸1日楽しめる宮殿だったが、ベルヴェデーレはどうだろうか?

 宮殿敷地内にいくつか出入り口があるのだが、我々は住まいに一番近い南駅Sudbahnhof側から入った。結果としてこれがいいと思う。というのは、宮殿の敷地は南から北に向かってなだらかに下る斜面になっているので、南側から入ったほうが楽なのだ。

 南側の入り口には観光バスも横付けされていて、たまたまアメリカ人の団体観光客と一緒になったために、とても混雑している所に感じてしまった。

 しかし、この団体をやり過ごすと、あとはあまり人もいなくて、シェーンブルンに比べると、割と静かである。

 この門の先に、前庭がありドーンと宮殿がそびえている。ここから見る宮殿が、いかにも「お城」という雰囲気を漂わせて美しい。


 この宮殿が斜面の上にあるので上宮と呼ばれており、斜面に作られた庭園をはさんで、下にあるのが下宮。上宮にはクリムトやエゴン・シーレとその仲間達の作品が収められた美術館があり、下宮には中世絵画の美術館があるそうだ。

 それでは上宮の向こう側に回ってみよう。

 上宮を背にして庭園を見ると、「あ、これだけ?」ってくらいあっさりした庭園があり、その下にまた建物があってそこが下宮らしい。

 シェーンブルンを見てくると、肩透かしをくらわされたような気分になる。

 美術館は上宮と下宮の2つの美術館、あわせて3つの美術館が入れるチケットで、EUR9。まずは、上宮の美術館から入った。

 相当昔に池袋西部に来ていた、エゴン・シーレとグスタフ・クリムト展で見て以来、「何だか気持ち悪い」というイメージしかなかったのだが、今回じっくり見ているうちに、「悪くない、いや面白い」という感想に変わった。

 有名な「接吻」をはじめとして、クリムトの絵画は人物の顔や腕の部分だけは、コケティッシュな写実がされていて、後の部分は平面的にアールヌーボーの装飾模様などが描かれており、その対比が面白い。また、油絵なのに、キャンバス地が見えるくらいにとてもうす塗りなのが特徴的だった。クリムトの緑色がとても美しく、ばら色に描かれた女性の肌を引き立て、とても妖艶。

 一方のエゴン・シーレの絵画は、気持ち悪い作品もあるが、それよりも、人物の性格がふとした表情にとても良く出ている作品が何点もあって、それが興味深かった。描かれている人の性格がわかるような人物画。これが今回のエゴン・シーレの作品から感じたことだった。

 この美術館は宮殿でもあるので、展示室と展示室の間に、写真のような天井画と部屋の装飾が素晴らしい部屋も通る。

 こうした所も、この美術館の楽しみの一つだろう。

 宮殿の2階から庭園を見ると、下で見ていたよりは模様がはっきりと見えて楽しいというのもある。下で見ると、この庭園は何だか感心できないのだ。


 宮殿の3階部分は、また違う時代の作品。

 こっちは貴族の発注で描かれた家族写真や風景画などが多く、描かれている子供の顔と体のバランスがちょっと悪かったりする。

 それが逆に、子供の頃見せられた西洋風挿絵の絵本チックで、こういう所から取ってきたんだろうかと、しきりに面白がりながら見た。

 この上宮で以外に面白かったのは、ミュージアムショップ。

 クリムトの「接吻」の背景になっているキンキラキンのアールヌーボー図柄でできた熊のぬいぐるみなど、お子様の英才教育にいかがでございましょうか?

 クリムトモチーフのTシャツ、ネクタイ、スカーフ、カップ&ソーサーなど色々ある。それに比べてエゴン・シーレはテーマとして商品になりにくいようで、グッズはあまりなかった。

 それから庭園の間を歩いて下宮へ。こちらはあまり興味なし。ぐるーっと周って終了。

 時刻は午後2時。シェーンブルンと比べると、あまり見る所もなく、予想外に早く終了してしまった。さて、どうしようか。

 そうだ、ドナウ川に行ってみよう。ウィーンに来てから「美しき青きドナウ」を何度も聞いているが、まだ実際にドナウ川を見ていなかった。地下鉄のU1にはドナウインゼルDonau Insel(ドナウの島)という名前の駅がある。ここはドナウ川の中州にある駅で、今の時期だとお店などが出ているという話を聞いていた。

 地下鉄に乗って移動。ドナウインゼルで降り立つと、両側に川が見えて確かに中州。

 地下鉄を降りて進行方向向かって右側に出てみると、緑の芝生と木陰があって、大勢の人がピクニックしているが、聞いていたようなお店は出ていない。

 おやおや?と思って、今度は進行方向左手に歩いてみるとすぐに店の立ち並ぶ一角がみつかった。

 自分達がいる中州は、ドナウ川に細長く続く土地で、いわゆる中州と言われている地区はここから見ると対岸の橋を渡った所を指すようだった。左手にはドナウタワーが見え、国連の建物も見える。こっちも中州。中州は2つにわかれているのだった。

 新旧のメリハリをきかせて都市計画しているから、ウィーンは情緒を求めて訪れる観光客が満足できるのだろう。旧市街の建物の合間に、ガラス張りの超高層ビルが立ち並んだら興ざめするからね。

 川には我々が乗ってきた地下鉄と車が通れる大きな橋の他に、歩行者だけが渡れる橋もあった。

 このポップな橋を渡る時に、ドナウ川を間近に鑑賞することができる。


 橋を渡り終えると、両側にはレストランがずらり。夜になったら両岸とも盛り上がるのかもしれないが、午後3時過ぎの段階では、国連の建物がある中州側にお客さんが集まり、対岸の店はまだ閉まっている状態だった。

 我々もこの中の1軒でビールを飲んで休憩。もっと日が落ちてきたら川面を渡る風も涼しくなり、最適なビアガーデンになるだろう。ウィーン旧市街の歴史あるレストランでの食事もいいが、ドナウ川をたっぷり楽しめるこの界隈もウィーンらしい。周りの観光客は白人さんが多い。日本人ももっと時間にゆとりを持って遊びに来れば、ここまで足を伸ばすことができるだろうに、惜しいことだ。

 パラソルの下でゆっくり休憩。本当は川岸の草むらに寝転がって、このまま昼寝・・・というのもよかったが、今日はここまで。ここにお弁当を持ってピクニックに来るのもいいな。


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