夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.07.22 vol.2
南米な夜なんです。ベルー人の集いに参加しちゃった。

オーストリア:ウィーン

 同居人のウラちゃんが、「今度の土曜日の夜、空いてますか?」と聞きに来た。

 何でも今度の土曜日に、毎月定例で行われているペルー人の集いがあって、我々が南米ペルーにも行ったことがあるというので、もしよかったら見に来ませんかというお誘いだった。

 月に一回の集まりは、ウィーン在住のペルー人同士の交流会という目的の他に、ペルーの文化を理解してもらおうという国際交流の意図もある。そのため、毎回ペルーの伝統芸能の踊りや歌も披露されるのだそうだ。面白そう。「それと・・・」とウラちゃんはちょっと恥ずかしそうに付け加えた。「私もちょっと踊るんですよね」。えええ?何ぃ?それは面白い。絶対に見に行く。これで決まり。

 ウラちゃんはドイツ語学校のクラスメートのペルー人に誘われたのが最初だったそうだ。それから何度か足を運ぶうちに、踊り手が不足しているから、ダンサーとして登場してほしいと言われ、ペルーのダンスを習得。今回も、前と同じステップを踏んでいればいいからとお願いされて出演することになったそうだ。

 準備のために早くから家を出てしまったウラちゃんとは別に、我々は開演の7時半頃に到着するように会場に向かった。ウラちゃんからのメモには「何分、南米のことですから、7時半といっても始まるのは8時になるのか、もっと遅いのかわかりませんが」と書かれてあった。

 7時半。教えてもらったモダンな形の教会に到着。中に入ってみると、アジア系の人たちが皆で何かを神妙に読み上げている。???ここじゃないな。

 どこなんだ?と思っていたら先ほど読みあげを行っていた部屋から青年が出てきたので聞いてみると、右手にまわりこんで入る地下だろうと教えてくれた。彼はフィリピン人だそうだ。どうりで英語で話しかけてきたはずだ。

 先ほどの神聖な教会の雰囲気とは違って、地下は地元の公民館のような雰囲気になっていた。入り口には民族衣装を着たおばちゃんがいて、入場料EUR6を支払うと、くじびきの番号がついたチケットを手渡してくれた。

 会場では既に一人の女性歌手が歌っていて、既に始まっている様子。何だ、案外パンクチュアルに始まってるじゃない。南米の人といっても、オーストリアに来たら時間厳守になるのねぇ。と感心した。

 周りを見ると、おお、何とそこには懐かしくも感じられるインカ文明顔の人々が勢ぞろいしてスペイン語でかしましく話している。部屋の奥で販売している飲み物も「Cervesa(ビール)」やら「Kola(コーラ)」やらスペイン語の世界になっていて、一気に南米の世界に突入。不思議だ、何とも不思議だった。

 誘ってくれたウラちゃんは裏で飲み物のサービスをしたりして、すっかりペルー交流会のスタッフとして大活躍していたが、私たちの姿を見てかけよってきてくれた。「ちゃんと時間通りに始まってるね!」というと、「ん?いや、まだ始まっていないと思うんだけど。私もいつから始まるのかよくわからなくって」と言っていた。始まっていたと思っていたのは実はリハーサルで、女性ボーカルももう歌うのをやめていた。ペルーの長い夜は、まだ始まってさえいなかったのだった。

 「じゃぁ、忙しいので、また後で〜」と言ってウラちゃんが去っていってから30分、40分。何のステージも始まらない。人は徐々に集まり始め、食べ物のブースも開かれ、これから飲んで、食べて楽しむぞーという雰囲気が、非常にゆっくりと南米時間で流れていった。で、始まったのは午後8時半過ぎ。「1時間遅れかよ!」とつっこみを入れたくなる、まさしく南米時間でパーティーが開始。

 最初のステージは、先ほどリハーサルしていた女性ボーカル。

 最近クラシックを多く聞いていたので、こうして南米の曲を聴くと、昨年にタイムスリップしたような気分になる。私たちの知っている曲は1曲しかなかったが、周囲の人は一緒に口ずさんだりして、ポピュラーな曲オンパレードなようで、皆本当に楽しそうだった。

 彼女の出番が終了すると、今度はお待ちかねの民族ダンス。何とウラちゃん、最初にソロでのダンシングだ。

 その後、3人の女性が出てきて、コンドルのようなしぐさでの踊りを披露。音楽といい、踊りといい、ウィーンの文化とはまーったく違う。昨年まで自分達が囲まれていた文化が、いかに今年の環境と違うことか。


ペルー南部に伝わる伝統的な「ハサミ踊り」
 こうして一つの伝統ダンスが終わると、また音楽。これの繰り返しでいくようだ。

 ウラちゃんの登場したダンスの後は、再び最初に登場した女性ボーカルの歌。この頃にはもう、会場から女性達が中央に出て、ペルー版クラブのような状態になってきた。

 自分の国の言葉で思いっきりおしゃべりできる楽しさは、私たちもこの旅行で味わっている。わかる、わかる、その気持ち。

 私たちと同じテーブルになったペルー人の女性は、この会が今日あることを聞きつけ、お昼に一度始まっていないか確認に来たそうだ。夜からだと知って出直してきたという。それほど楽しみにして来ているのだ。

 私たちといえば、民族舞踊を楽しみに来たのだが、民族舞踊ばかりが続くわけでもなく、周りの人ともおしゃべりができずにいた。まぁ、今日の会の趣旨がどちらかというとペルー人同士の交流会に重きが置かれているようだから仕方ない。

 ペルーの南部で有名な民族舞踊「ハサミの踊り」を見て、次のバンドが入った所で帰ることにした。帰る頃になって、オレンジの仮面の舞踏が始まり、後ろ髪が引かれたが、まぁ、ここまでにしときましょう。

 後から聞いた話では、この後、「悪魔の踊り」(うーん、私の記憶ではボリビアのオルーロだと思うんだが、ペルーにもあるらしい)があり、そしてメレンゲというサルサに似たステップのダンス教室になってから、ダンス大会になっていったそうだ。

 もらったパンフレットには、朝の5時まで開催されていると書かれてあった。我々は11時前に会場を去ったが、結局ウラちゃんは朝まで手伝っていて、翌朝の7時半にご帰宅。お疲れ様でした。皆、朝まで元気バリバリで踊ったりしゃべったりしていたそうだ。南米パワーはウィーンでも熱く炸裂している。


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