夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.08.09 
コンサート(7)ドン・ジョバンニDon Giovanni(安くていい席とは?)

オーストリア:ウィーン

 さぁ、今夜はいよいよオペラ鑑賞だ。我々夫婦二人とも、今日のオペラ鑑賞が人生初の生オペラとなる。

 今思えば、パリにもオペラ座があり、何か上演していたはずだったのだが、我々はなぜか「ウィーンに行ったらオペラを見よう!」と盛り上がって、パリのオペラ座は見向きもしなかった。

 ところが、ウィーンに来てみたら7月、8月は音楽家の夏季休暇でシーズンオフ。シーズンのオペラは9月のシーズンまでお預けなのだ。

 しかし、ウィーンの7月、8月はオペラシーズンオフにもかかわらず、夏のウィーンを楽しみたい観光客でいっぱい。そんな観光客に向けてなのか、7月の終わりから8月中にかけて、テアター・アン・デア・ウィーンTheater an der Wienでドン・ジョバンニが上演されるという情報を得た。よし、9月からのシーズンに向けての肩慣らしをしてみよう、ということでドン行きを決定。

 冒頭にも書いたように、我々にとっては初めてのオペラ。
・まずチケットは、どうやって買うの?
・服装は?
・ドン・ジョバンニってどんな話?
という所から始めなきゃ。

○チケットはどうやって買うの?
 この劇場はサイトも持っていて、インターネット上でチケット販売も行っているし、電話注文もできるようだ。ホームページはドイツ語だけだが、最初に表示されるページで「Spielplan(上演予定)」をクリックすると、カレンダーのように日付と演目が書かれているので、見たい演目を選択して「Karten(チケット)」という項目からたどっていけば購入できる。
参考:テアター・アン・デア・ウィーン(http://www.theater-wien.at)

 ホームページで見る限り、8月13日現在、8月中のドン・ジョバンニはほぼ売り切れとなっているので、手配するのなら早めにしたほうがいいのだろう。我々は8月9日のチケットを7月の半ばに窓口に購入しに行った。

 テアター・アン・デア・ウィーンの正面入り口の左手にあるチケット販売所だ。

 インターネットで購入することも考えたのだが、それには一つ問題があった。それはどの席にしていいのか見当がつかないってこと。一番高い席はEUR130からEUR11まで、席は8ランクに分けられていて、その下にERU4(立ち席)というのもある。ERU130のクラスのチケットならば、どこを取っても申し分のない席だろうから、何も迷わずにインターネットで購入できるだろう。しかし、私たちが狙うERU11やERU26のチケットは、なかなか微妙なのだ。席によっては、舞台が全く見えないことになってしまうかもしれないし、同じERU26でも限りなくEUR44に近い価値の席もあるだろうから、そういうのはインターネットではわからない。窓口で対応してくれる人の心意気というか、今までの経験から、そうしたアドバイスが得られるんじゃないかなぁってことで、直接窓口へ行くことにしたのだった。

 窓口では、とても丁寧に教えてくれた。まずERU11の席では音は聞こえるが舞台はよく見えないらしい。そこで舞台が見える中での最低ランクはEUR26。その中の残席から一番いいのを選んでもらったら、3階席の舞台から9番目と10番目の席になった。

 結果から言うと、この席で十分だった。この席から見えないのは、ステージ真ん中の奥の方だけ。ステージの自分寄りは、覗き込めば見える。常に左側を向いていなければならないので、やや体は痛い。ステージ左側には、同じ値段で18番目くらいまで席がある。この並びでステージから一番遠いとステージ奥まで見えるだろうし、ステージの左端も覗き込まなくて見えるだろうし、左向きの角度も少なくなるので体も痛くならないだろうが、ステージからちょっと離れるので臨場感は薄まる。この辺りは好みということになるだろう。

 ステージ左側の3階のステージから9番目〜18番目。これがテアター・アン・デア・ウィーンでコストパフォーマンスのいい席というのが結論だ。

 こうしてチケットは無事に入手。

○服装は?
 次は服装は?という疑問。これは今まで出会った音楽学生などに聞き込みをした結果、3階4階の席ならば、正装は必要ではないということがわかった。

 私たちはこの1年8ヶ月の旅行で、全く着ることがなかったジャケットの出番。1週間くらい前にスーツケースから取り出して部屋にかけておいて、皺も伸びてきた。この一張羅を着てでかけることにした。

劇場前にて

劇場ロビーにて

 実際には、3階、4階席でもきっちりとタキシードの男性やドレスの女性はいたが少数派。4階席の立ち見などは地元のおばあちゃんや学生で、まったくのカジュアル服やジーンズ姿も見られた。もっとも、夏のシーズンオフのオペラだからこんな状況なのかもしれない。9月以降のオペラで、皆どんなレベルの服装なのかは、また後日ご報告。

○ドン・ジョバンニってどんな話?
 タイトル名は何度も耳にしたことがあるし、誰かが「ド〜ン・ジョバァ〜ンニィ〜〜」と歌う場面があることくらいしか知らなかったから、インターネットでストーリーをお勉強。イタリア語のオペラで、ドン・ジョバンニという極悪非道なプレイボーイが、最後に自分が殺した男の亡霊によって地獄に落とされるという話だった。「ド〜ン・ジョバァ〜ンニィ〜〜」は、亡霊(石像として出演してくるのだが)が「ドン・ジョバンニよー」と呼びかける場面で出てくるようだ。因みに、最近お気に入りのWikipediaには、このオペラの背景やストーリーなど全部書かれているのでとても便利。「ドン・ジョバンニ Wikipedia」で検索すると出てくる。

 これで準備OK。

 テアター・アン・デア・ウィーンは1801年に建てられた歴史ある劇場でだそうだ。現在は目の前がナッシュマルクトという観光地向けの市場で覆われているが、この下を走っている川が「ウィーン川」。テアター・アン・デア・ウィーンはウィーン川沿いにある劇場という意味になる。街の名前ウィーンはドイツ語ではヴィエナViennaなので、街の名前とは関係ないらしい(Wikipediaの英語版「Theater an der Wien」の説明より)。

 この歴史ある建物は、外見はそんなに立派な感じに見えないし、ロビーも楽友教会などと比べるとさっぱりとしているが、劇場に一足入ると歴史を感じさせる豪華な内装になっていた。


 現在はミュージカルの上演が多いそうだが、今日のようにオペラやウィーン・フィルハーモニーのコンサートも行われるそうだ。

 3階席から1階フロアー席に入ってくる人々を見物。そんなに派手な衣装の人はいないが、お洒落なワンピースに美しいショールの女性などはちらほら。和服の日本人男性も発見した。

 この席からだとオーケストラボックスも丸見え。

 中央にチェンバロが据えてあり、取り囲むように弦楽器。ビオラのコーナーには日本人かもしれない。今日の演奏はウィーン放送交響楽団Radio-Symphonieorchester Wien。指揮者は首席指揮者のベルトラン・ドゥ・ビリー Bertrand de Billy という人だ。



 さぁ、いよいよ上演開始だ。私たちの側から見ると、ステージ右側にドイツ語のサブタイトルが表示されるので、歌の内容などもドイツ語でなんとなくわかるようになっていた。

 「上演中のカメラ・ビデオ撮影はご遠慮ください」と英語とドイツ語でいわれちゃぁ仕方ない。上演中の写真は一枚もないのでご了承いただきたい。

 舞台は、衣装も演出も現代的で、あまり広くないステージだが、舞台上で大きな壁が動くようになっているので、様々な場面演出ができる。オペラというと、モーツァルトの時代の衣装を身にまとい、幕中は場面展開がないと思い込んでいたので、現代劇にアレンジされているのに、歌は思いっきりオペラという設定が斬新で面白かった。

 途中休憩の30分には、1階に下りていったが、飲み物の販売コーナーは1人でさばいているので、長蛇の列。トイレも1階女子は長蛇の列だったので、両方諦めた(2階のトイレは空いていた)。

 結局、休憩をはさんで3時間。午後7時に開幕して、カーテンコールは10時15分過ぎだった。モーツァルトの難しいソプラノアリアや、色っぽい演技など、カーテンコールで出演者の顔を見ると、今聞いた曲や見た演技が思いだされる。


 中でも拍手が大きかったのが、何と指揮者のベルトラン・ドゥ・ビリー氏に対するもの。会場から「ブラボー」の声もあがり、スタンディング・オベーションも受けていて、この人、なかなかの人気者らしい。

 これから9月に入って、ラ・ボエーム、セビリアの理髪師など3つのオペラチケットを既に買ってある。うははは、楽しみになってきたぞー!


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