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2006.08.16 vol.2
フィルムコンサート(オペレッタ「メリー・ウィドー」、歌曲「冬の旅」)
オーストリア:ウィーン |
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○8月6日(日)
演目:オペレッタ「メリー・ウィドー」 Die Lustige Witwe
作曲者:フランツ・レハール Franz Lehar
演奏場所:ノイジードラー湖Neusiedlersee湖畔のメルビッシュMorbisch(oはウムラウト)の湖上舞台
出演者:Margarita De Arellano(主役の未亡人ハンナ)、Mathias Hausmann(元恋人のダニロ伯爵)
録画年:2005年
オペレッタは、ウィーンに来てから3作目。1つめはシェーンブルン宮殿の宮廷劇場で上演されている「ウィーン気質」Wiener
Blutt、2つめは7月中にフィルムコンサートで見た「ジプシー男爵」Zigoiner Baron。今日は3作目。これまで見てきた感想としては、オペラに比べると、陽気で明るく、エンターテーメント性に満ちているので、より大衆的なのがオペレッタということになるだろうか。
今日の舞台は、オーストリアとハンガリーにまたがっている湖、ノイジードラー湖の湖畔の町メルビッシュで毎年行われている湖上舞台。毎回オペレッタを演じているようだ。
メルビッシュの湖上フェスティバルのサイト
http://www.seefestspiele-moerbisch.at/
物凄い数の求婚者に迫られる金持ち未亡人ハンナの図。 |
ストーリーはお金持ちの銀行家と結婚したものの今は未亡人のハンナと、元恋人のダニロ男爵が久しぶりに再会して、お互いに胸をときめかせつつも素直になれない二人。しかし、紆余曲折あるがハッピーエンドで結ばれるという話。
ここに、お国の事情や、大使の奥さんの浮気話なども絡んで、面白おかしいストーリーになっている。ハンナもダニロも小さなとある国の出身という設定になっているので、お国の民族舞踊を披露する場面(東欧風あるいはトルコ風な舞踏だった)や、話自体はパリでの出来事なのでキャバレーダンサーのフレンチカンカンの場面もあり、とにかく華やかで楽しかった。
参考させてもらったサイト:
もっと詳しいストーリー→
http://www11.ocn.ne.jp/~sisd/opera.meri.htm
オペレッタは歌手の外見も重視しているんじゃないかな?ジプシー男爵に出てきた女性は、腹筋で腹が割れそうなスタイルの良さだったし、ウィーン気質の愛人役も色白でプリプリッと小太りで色っぽかった。そして、今日の金持ち未亡人役のハンナも、本当は好きなダニロ男爵に思いを打ち明けられなくて、逆に反抗的になったりする、オトナの女のいじらしさを演じるにはぴったりの人だった。
写真の参考→
http://www.seefestspiele-moerbisch.at/2005/szenenfotos05.htm
今までの3作品の中では一番華やかな舞台で、見終わった後も楽しい、楽しいの余韻が続くような作品だった。
○8月8日(火)
演目:歌曲「冬の旅」 Winterreise
作曲者:フランツ・シューベルト Franz Schubert
演奏場所:ベルリンフィルハーモニーホール
出演者:Thomas Quasthoff(歌手)、Daniel Barenboim(ピアノ伴奏)
ウィーンのフィルムコンサートの目次リスト(無料配布)には、1827年、シューベルトが死に至る1年前に書いた作品だと紹介されていた。で、タイトルが「冬の旅」。この説明を読んだだけで、行く気を失う暗いイメージが漂う。
しかし、ピアノ伴奏がダニエル・バレンボイムという点で「むむむ、これは行かなくては」という気がムクムクと起きてきた。
8月に入ってから晴れ間が影をひそめ、夜の気温は冬並みに低下。半そでTシャツ、長袖Tシャツ、セーター、ロングコート、ももひき、長ズボンというみっちりとした冬支度をしてフィルムコンサートに行くようになった。時には雨が降ることもあり、傘をさしながら見たこともあった。今日が雨ならば行くのを躊躇しただろうが、どうやら天気は大丈夫そうだ。
画面に映し出されたコンサートホールは、ベルリンフィルハーモニーホール。ブドウ畑のように客席が真ん中にあるステージを取り囲むように段々になっていて、ちょっと変わった形のコンサートホールなのだが、これはワインヤード・テラス型と呼ばれているそうだ。ホールで音楽を聴くと、ステージから直接届く音とホールの天井や壁にあたって反射してくる音の2つを時間差を持って聞くことになる。この時間差が大きいほど、濁りのある音になるのだそうだ。ワインヤード・テラス型では短い距離で反射させる設計にしているので、濁りのより少ない美しい音を楽しむことができるという設計方法らしい。
あまりよくわかっていなかったのだが、冬の旅はドイツの詩人ヴィルヘルム・ミューラーWilhelm
Muller(uはウムラウト)の詩集で、失恋した若者が街を捨ててさすらいの旅に出るという内容だった。
24曲83分を通して、場面はこのまま。この男性1人で全曲を歌い上げるのだった。
エピソードとしては、前半の12曲ができあがった時に、シューベルトが友人の前で演奏すると、あまりの暗さに皆驚愕したという。(Wikipediaより)
シューベルトの名作といわれる作品だが、予想通りにとても暗くて、歌詞の内容など勉強不足なこともあり、途中から飽きてきた。ただ、長い時間、一貫して情熱的に歌い続けるこの男性の歌唱力には驚かされた。もっと勉強していけば楽しめるか?うーむ、今日のはちょっと苦手だなぁ。
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