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2006.07.30 vol.2
モーツァルト住家とホーエン・ザルツブルクHohensalzburg
オーストリア:ザルツブルク |
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昼間のコンサートが終わったその足で、モーツァルトが住んでいた家を見学することにした。コンサート会場からほんの数分歩いたところにある。
先日、ゲトライデガッセにあるモーツァルトが生まれた家を見学にいったけど、今日はもう一つの家だ。
入り口を入ると、右手にチケットを購入できるオフィスにあがる階段があるが、左手の壁には日本の保険会社の「第一生命」と名前の入った板が埋め込まれている。
後で調べると、第二次世界大戦のザルツブルク空襲で破壊されたこの家に対し、1996年に第一生命が資金の大半を拠出して再建したのだそうだ。
オーディオガイドは日本語がない。英語あるいはドイツ語。第一生命がお金出して再建した家で、中の展示のオーディオ設備はソニーがやっているというのに、なぜ日本語のオーディオガイドがないのか?「これは第一生命が、日本の観光客に対して、英語やドイツ語を学んでもっと国際的になるようにという、親心だねぇ」と私が言うと、「それは、めちゃくちゃ皮肉やねぇ」と夫がつっこみを入れた。
展示物は、モーツァルトの生涯をその時作曲された音楽とともに解説してあって、生まれた家よりは面白く感じられた。オーディオガイドではモーツァルトの作曲した曲が流れ、展示物にはその楽譜の一部が展示されている。流れている曲の中で、楽譜に相当する部分を確認できると臨場感が高まり、更に面白かった。父レオポルドの熱心な教育ぶり、数々の演奏旅行の経路なども紹介されていて、人間モーツァルト父子を感じられた。
入り口を入って右側でチケットを購入して左側の階段からあがっていくのだが、誰も入場チケットをチェックしていない。もしかしたら、入場無料でオーディオガイドを使いたい人だけがチケットを買えばいいのかもしれない。また、私たちは生まれた家と住家で別々にチケットを購入してしまったが、2つの家の共通券を買えば割安だったようだ。
館内の展示を見終わって中庭で休憩。さすがにちょっとお腹が空いてきたので、持参していたパウンドケーキとコーラで一服。
目の前のベンチで休んでいる親子4人も、持参したサンドイッチを頬張っていたし、右手の兄さんもバナナをパクついていた。周りの世界から隔絶されている静かな中庭では、ゆったりと午後の時間が流れていった。
さーてと、お腹もいっぱいになったし、今度はホーエン・ブルクに向かうことにしよう。
ホーエンは「高い」、ブルクは「城塞」という意味なので、ホーエン・ブルクとは「高い所にある城塞」という意味になる。その名の示すとおり、ホーエン・ブルクは旧市街のある川の砂州となった低い所から、一段持ち上がった断崖の上にある。
ここに行くには旧市街のドームの裏手にある坂を上ったところにあるフニクラに乗っていく。今朝の散歩でフニクラ乗り場も確認しておいたので、迷わずに行けた。
フニクラ往復料金と城塞内の2つの博物館の入場料金がセットになっているチケットEUR9.9を買って乗り場に向かった。
下から見上げるとかなりの急斜面だった。ここをスルスルスルーっと登っていくのだ。
フニクラは上に1台と下に1台があって、中央の部分だけが分岐して2車線になっている。常に下と上から同時に出発して、中央で交差するようになっているのだった。
上までは2分もかからないだろう。あっという間に高台に到着。
ホーエン・ブルクは思ったよりも広く、そこだけで小さな町のような風情になっていた。始めは小さなエリアだったのだが、ザルツブルクを納めた代々の大司教が徐々にエリアを拡大していったと、後に見学した博物館で説明を受けた。こんな崖の上に忽然と町が存在するのは、ちょっとマチュピチュを思わせる。
2つある博物館のうちの1つは、7ヶ国語のオーディオガイド付きで、一度に入場できる人数が40人までと制限されているようだった。入り口で何語を希望するか聞かれて「ジャパニーズ、プリーズ」というと、係員は「はい、そーですか、ありがとう」と日本語で答えた。7ヶ国語で全部言えるのかもしれない。入り口のバーを回して1人入る度に、頭上の電光掲示板の数字が40から1ずつ減って表示されていく。案外ハイテクなのだ。
40人の団体に一人の案内人がついて、皆で一斉に周ることになっている。1つの部屋に入って、全員がオーディオガイドをそれぞれ聞き終わると、はい、次の所にご案内しましょう。という具合に、1人ももらさずに連れまわるのが案内人の仕事のようだ。
こんな古びた城塞で、とても厳重な管理体制。大司教が統治していたころの民衆になったような気分で、ちょっと面白い。
このコースの最終目的地は、塔の頂上。ここからは、眼下のザルツブルク旧市街やザルツァッハ川、そこからもっと先まで見渡せる。
もう一つの博物館は、オーディオガイドもなく、自由に見て周れる。
こちらには城塞内の音楽ホールもあり、今でも実際にここで毎週金曜日と土曜日にコンサートが開かれているということだった。
城塞内部から見える眼下の町が美しかったので、これを眺めながら最後にビールでも飲もうと町が見下ろせるレストランに行った。城塞敷地内には3つのレストランがあり、1つは旧市街を見下ろせる所、1つは反対側の草原を見下ろせる所、もう1つは城塞の建物の間にはさまっている所にある。それぞれ、好みに応じた景色を楽しみながら一休みできるようになっている。
歩き回って喉が渇いていたし、景色もいいし、何よりビールがおいしい。ここはザルツブルク観光で欠かせないスポットですね。
「あなたの顔じゃなくって景色を見せてー!」という方、まぁまぁご容赦ください。
今回は臨場感を味わってほしくって。 |
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