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2006.07.31
噴水の庭園、ヘルブルン宮殿Herrbrunn
オーストリア:ザルツブルク |
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今日はザルツブルク最終日。天気は昨日ほど晴れているわけではないが、回復を期待しつつ噴水の庭園で有名なヘルブルン宮殿に行くことにした。
ザルツブルクに到着した日に、駅で出あった日本人女性からこの宮殿がお勧めだと聞いていたのだ。「とにかくね、噴水が面白いの。ピューッて色んなところからいたずらっ子みたいに出てくるのよ」。いたずらっ子みたいな噴水ってどんなんでしょう?興味があったが、到着日は雨だったので断念していたのだ。
旧市街からは25番のバス。運転手さんにヘルブルンに行きたいと告げると到着したらマイクで車内放送してあげるからと言われた。
15分くらいも乗っただろうか、「ヘルブルンです」という案内でバスの中にいた観光客のほとんどが下車。矢印にそって歩くと、すぐに宮殿に到着した。
近くに動物園もあるので、チケットはヘルブルン単品(EUR8.9)のと動物園とセット(EUR14.5)になったものの両方が販売されていた。我々はヘルブルン単品のチケットを購入。
このチケットでは、ガイド付きで面白い噴水を巡るコース、フォルクスクンデミュージアム(民芸博物館という意味くらいだろうか)、オーディオガイド付き宮殿見学ができる。
あと10分で噴水巡りが始まるというので、その列の後ろについて待つことにした。
やがて門が開き、噴水のある区域に他の観光客とガイドさんと入った。目の前にある池は静かで、辺りを見回しても全く水が出ている所はない。噴水は?一体どうなっているんだろう?
とりあえずガイドさんの案内で、右手奥にある階段状の所に座ることになった。
ガイドさんの説明によれば、大司教の夏の宮殿であるヘルブルンは400年前に作られ、当時とほぼ変わらぬままで保存されているということだった。
夏のパーティーになると、この石のテーブルに客人を招く。テーブルの真ん中には水がためられるようになっていて、そこでワインを冷やしてお客をもてなしたのだそうだ。
「さぁ、そんな当時の客人の気分を味わいたい人、ここに座ってみよう!」とガイドさんは明るく参加者を募った。目の前の石でできたテーブルと椅子は、びしょびしょに濡れている。どう見ても危険な香りの漂う風景だった。皆が知りごみする中、勇気のあるお父さんが一人挙手。偉い!それを皮切りに子供たちが次々と着席していった。
「ここに座った人にはルールがあります」とガイドは続けた。まず一つは両手をテーブルの上に置くこと。何があっても席を立ってはいけないこと。この2つ。
お父さんと子供たちが両手をテーブルの上に置くと、パーティーの始まり。
大方の予想通りに、座席の後ろの穴から一斉に水が吹き上がった。
予想はしていたものの、皆ワーキャーの大騒ぎ。
ところが予想に反していたのはお父さんの席だ。お父さんの席だけは水がでないようになっている。実はこの席は城主の席で、自分だけは濡れないようになっているしかけだったのだ。
ここから先にも、こうしたしかけ噴水がいくつかあるので、カメラが濡れないようにと注意を受けて、次の噴水に移ることになった。
いやー、あんな席に座って濡れなくってよかったねぇと胸をなでおろしながら、次の噴水に向かう人に向かって、ガイドのおじさんは、又もや噴水のスイッチを入れ、そこでも大騒ぎ。やれやれ、これからどうなることやら。
お次の建物は、奥に鍾乳洞のような洞穴がある所。
ここでも、説明のあと、予告なしに床の至る所、壁の至る所からピューッと水が出てくる。
人口の小さな運河沿いには、水の力で動くからくり人形劇場みたいなのがいくつかあるが、中でも大きな舞台装置の前で、また解説。
皆どこから水がやってくるか、戦々恐々だ。あまり書いてしまうと、行った時に面白くないので、ここでは割愛するが、噴水も面白いが、400年も前にこんなからくりの装置が作られているというのも見逃せない。
最後の噴水のしかけも面白い。ここでは、建物に行く通路で水が噴出すしかけになっていた。
私は通路を歩き終わって向こう側で待っていたのだが、一緒に来た画家の寿子ちゃんは濡れたくないので、ガイドさんが噴水の水を止めるのを待っていた。
他にも数人、そうした人がいて、スイッチがオフされるのを確認してからこちらに向かってきた。
ところがこの瞬間、ガイドさんがクルリと踵を返して、スイッチに走っていきスイッチオン。全くいたずらっ子だ。噴水がいたずらっ子というよりは、ガイドさんがいたずらっ子なのだ。誰一人として乾いた服では返さないという使命感に燃えている人だった。
こうして賑やかに噴水巡りのツアーが終了。出た所では、知らない間に撮影された写真が並べられ、写真販売になっていた。
宮殿の庭園を散策しながら、宮殿前のカフェまで行って休憩。天気も良くなってきて、湿度も低いので、濡れていた衣類はあっという間に乾いていった。
休憩後には、宮殿内をオーディオガイドを使って見学。展示は宮殿と庭園の歴史や所蔵する絵画などなのだが、近隣の川で連れた実物大の巨大な魚の絵や動物園にいた当時珍しい鳥(ハゲタカや南米のオウムなど)など、通常の宮殿の絵画とは一味違うのが面白かった。
また、ここの宮殿がイタリアのミラノ郊外にある Villa ViscontiBorromeo Litta
をモデルにしているおり、噴水も真似ているという情報が面白かった。噴水、面白いから、ミラノのにも行ってみたいなぁ。
本当は、丘の上の方に立っている民芸博物館も入れるのだが、今回はパス。民芸博物館も入って、動物園に行くのなら、ここで半日は過ごせる所だ。
きらびやかさはないものの、可愛らしい黄色い宮殿は庭園も美しく、宮殿所蔵の絵画も興味深い。何よりもカラッと晴れた暑い夏の1日、噴水の水に濡れてワーキャーするのが楽しいね。
宮殿から宿に戻る途中、遅めの昼食。知り合いになった画家の寿子ちゃんに宿で作品を見せてもらったりしで、夕方ザルツブルクを発つことにした。
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