夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
目次Today's imagesTravel sketch食の楽しみPeopleAccommo旅行費用
Excursion移動の記録旅先で住むとしたら更新履歴日誌問合せAbout usENGLISH
北米
アメリカ合衆国
メキシコ
中米
ベリーズ
グアテマラ
コスタリカ
南米
ペルー
ボリビア
アルゼンチン
チリ
ブラジル
ヨーロッパ
スペイン
フランス
イギリス
オーストリア
ハンガリー
ブルガリア
中近東
トルコ
シリア
ヨルダン
北・東アフリカ
エジプト
ケニア
インド洋
モーリシャス
北・東アフリカ
マダガスカル
タンザニア
ウガンダ
南アフリカ
マラウィ
モザンビーク
スワジランド
南アフリカ
レソト
ナミビア
ボツワナ
ザンビア
アジア
インド
ネパール
タイ
オセアニア
オーストラリア
 
2006.08.28
グラーツ観光

オーストリア:ウィーン

 一夜明けて、グラーツは昨日とは打って変わった晴天の朝となった。

 アンナは今日は出勤ということで、すでに家にはいなかった。アンナを職場まで車で送りに行ったクリスチャンが朝食用のパンを買ってきてくれるというので、彼の帰りを待つ間、再びお庭見物。

 晴れた日の庭は、殊更に美しかった。

 家に入ろうとして、ふと玄関先に置いてある木製のベンチのような物に気づいた。お父さんに「アンティークショップで買ったのですか?」と聞くと、お父さんの実家から持ってきた物だと言う。椅子の端にハンドルの付いたロートのようなものがついていて、ここにとうもろこしを入れて挽く為の道具なんだそうだ。

 年代を帯びた実用的な道具と、今を盛りに咲く草花の組合せが、何とも言えない味を醸し出している。パリにいる時に、青空アンティーク市に出くわしたことがあるが、ガラクタのような食器や家具が無造作に並べられていて、見た目も美しくなく、古びた物の良さが今ひとつピンとこなかった。しかし、こうしてセンスの良い装飾の中で見るとアンティークも味わいがあっていいなぁと思える。アンティークを見に来ている人は、こういうデコレーションを想像しながら見ているだろうか。そうであれば、私も理解できる。

 クリスチャンがパンの袋を抱えてお戻りだ。さぁ、朝ごはん、朝ごはん。朝食の席では、お父さんの次なる野望が語られた。

 家の右手の庭に、ぶどう棚を作ったのだという。ぶどう棚の下に置いてある椅子に座ると、グラーツの町並みを眼下に見ることができる。お父さんは、ぶどう棚の木陰のベンチで、ワインを片手に町を見渡したいということらしい。もしかしてワインも自作するつもりなんじゃないだろうか?

 なんて話をしていたら、朝食開始の8時半から1時間も経過。そろそろお暇しなくては。

 支度をしてクリスチャンの車で町の中心部まで送ってもらうことになった。別れ際にお父さんが「投資で成功したら、是非教えてね!」と夫の肩をたたいた。はいはい、是非ご報告に戻ってきますよー。何年先になるかわかりませんがね。

 中心部までは来るまで20分。クリスチャン、本当にありがとうね。来年はアジア方面に旅行に行きたいということなので、アジアのどこかで会おうね!と約束してお別れ。アディオース。


 さて、昨日天気が悪かったので、今日はもう一度グラーツの見所を回って写真撮影をしよう。ううん、今日はいい写真が撮れた。

 まずは、車を降りた所から一番近い見所はクンストハウス(芸術センター)。牛の乳を逆さまにしたような形は地元ではバブル(泡)と呼ばれているらしい。

 正面玄関のファサードは鋳物を使った昔からのものをそのまま保存していて、その後ろ側に新しい建物をくっつけている。

 ピーナッツのような牛の乳のような部分は、表面に粒々と丸い模様が見えるが、これはライトで、夜になると青い光を発して夜の風物詩になっているそうだ。

 あいにく、月曜日は休館なので中に入れなかったが、内部から見たバブルも面白いということで、エキシビションの内容はともかく中に入る価値はあるよ、とクリスチャンから言われていた。

 クンストハウスはムーア川沿いに建っているのだが、一番近い橋の上に立ちキョロキョロト周りを見ると、川の中に奇妙な建物が見えてくる。シェル(貝)と呼ばれるカフェだ。

 この中州のカフェには川の両岸から伸びている橋を渡っていく。

 貝の巻き始めの部分は野外コンサートもできるオープンカフェになっていて、らせん状の階段を下りると川の中に埋まったような感じでカフェになっている。

 内装が白と水色とシルバーで統一されていて、椅子の形が宇宙っぽい、まさにクールなカフェだった。アルコール類が充実しているので、バーといった方がいいかもしれない。夜はここも水色にネオンが光り、グラーツの洒落た夜を演出しているらしい(夜で歩いていないので、パンフレットで見ただけですが)。

 このカフェから出て、バブルのクンストハウスの対岸から少し奥に入って上方を見上げてみると、グラーツのシンボル的存在の時計台が目に入る。時計台を見つめながらまっすぐに歩いて行くと、昨日子供電車に乗ったトンネルが見えてくるだろう。

 今日は子供電車には乗らず、エレベーターチケット(登り分のみ二人でEUR1.2)を購入してさっさと上に上がった。天気予報によれば、晴天は午前中のみ。午後から曇りまたは雨。急いで見所を周ってしまわないと。

 丘の上からの景色はとてもいい。特に今日のように晴れていると、グラーツの赤い屋根と周囲の森の緑の調和が美しく、「おお、これぞヨーロッパの世界遺産」的な風景が目の前に広がっている。


 エレベーターを降りて右手に進むと、そこから徒歩で更に丘の上に上っていけるようになっているが、一番景色がいいのは、その坂の途中。一番上まで上がってしまうと、丘を回りこんでしまうのでちょっと行きすぎの感がある。

 時計台の下には美しい花壇が広がっていて、ここから見上げる時計台も美しい。

 帰りは、この花壇から、目の前にだんだんと赤い屋根が近づいてくる風景を楽しみながら階段を伝って降りてきた。






 時計台から降りてきて左手に行くと、グラーツで一番華やかな通り、やがて名前を変えてヘーレンガッセHerrengasseになるザックシュトラッセSachstrasseに出る。ザックシュトラッセを左手方向にぶらぶらと歩くと、左手にシュポアガッセSporgasseが見えてくる。この通りも面白いので入ってみた。

 写真では面白さが伝わらないのだが、曲がりくねりながら緩やかな坂を上っていくこの通りは、古くからの装飾を施した壁の建物が並び、歩いてみるとタイムスリップしたような気分が味わえるのだ。

 グラーツ市が用意してくれている日本語の案内小冊子によると(グラーツ駅の案内所で無料配布)、このシュポアガッセの22番地の中庭も見逃せない、ということで入ってみる。「ん?ここか?ここのどこが見逃せないのか?」とちょっと微妙な気持ちに陥るが、後から写真で見ると美しいアーチを描くテラスが1階2階3階と続いていてなかなか優美だ。現地では、ちょっとクエスチョンマークを感じた建物だった。

 ここからちょい先のホーフガッセHofgasseで右折して進むと右手にドームが見えてくる。

 ドームに至る手前左手にはシャウシュピールハウスSchauspielhaus(ドイツ語で劇場の意味)や、その向かいに現在は州知事官邸として利用されている王宮の入り口などの見所もある。




 私たちはこうした見所のある道を散策し、ドームの手前で右手に折れて、ヘーレンガッセHerrengasseに戻り、散策出発地点のクンストハウスに向けて歩き始めた。

 昨日の日曜日はヘーレンガッセの店はほぼ閉店しており、人通りも少なかったが、今日は地元の人や観光客が多く賑やかで楽しい通りに見える。

 1階にはテナントの店が入っているが、2階から上を見ると、様々な色と形の模様を付けた外壁の建物になっている。

 パリのように同じようなグレーの石を使ったたてものがずらりと並んでいると違って、色々な色を使っているので、可愛らしい。しかも、どの建物も4階の高さに揃っているので町並みに統一感ある。通りに張り出したカフェでは、今日はアイスクリームを食べている人が多かった。

 このヘーレンガッセの先に、町の中心部ともいえる市庁舎Rathausと中央広場Hauptplatzがある。

 私たちのグラーツ散策もここで終了。広場にはいくつかの屋台があるので、ここでギリシャサンドイッチのギロスを食べて昼食とした。

 それにしても、天気予報は当たり。今まで晴天だった空はみるみる曇ってきてしまった。でも観光2時間にしてウィーンに戻るのも名残惜しい。

 最後に中州のカフェでお茶をして帰ることにした。中州のカフェは昼間は閑散として、私たち以外には1組の男性カップルくらいしかいなかった。

 カフェの周囲には子供が遊べるように縄が巡らされていて、よじのぼった最高点から筒の滑り台を滑って降りることができる。この子供たちが走り回る振動や、反対側の通路で人が走ったりすると、カフェ全体が地震のように揺れる。というとこは、このカフェは川底に基礎をさしているのではなく、本当に浮いているということになる。へー、座ってみないとわからないこともあるんですねぇ。

 更に、更に、「ここに来たらトイレを見学した方がいいよー」と昨日アンナに言われていた。見に行ってみると、何と前面鏡張りのトイレなのだ。

 写真に撮ってもよくわからない物になってしまったが、色々と周りの風景が映りこんでいるので鏡なんだなぁとご理解いただきたい。


 とにかく、便座に座っている自分の姿の一挙手一投足が全て目の前に映し出されるっていうのは、変な気持ちだ。これもある意味、インタラクティブアートだね。

 昼下がりの中州カフェで1時間ものんびりして、駅まで歩いて20分。適当な電車に乗ってウィーンへ帰ってきた。来る時はウィーン直行のECでとてもよかったが、帰りの電車は途中で乗り継ぎのIC。計画をちゃんと練ってECに乗るべきだった・・・と後悔するくらい快適度が違う。同じ値段の切符なのにね。


このサイトを友人に知らせる
目次About Us免責事項著作権とリンク
(c)2005-2006 海外生活実践研究会 All rights reserved