夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.10.22
ラマダンが明けた瞬間のイスタンって?

トルコ:イスタンブール
 今夜はどうやらラマダン月が明けるらしい。太陰暦を用いているそうで、ラマダンがいつ始まるのか、そしていつ終わるのか、誰に聞いても定かではなかったが、今夜という今夜は終わりを告げるらしい。

 一年に一度の断食の時を終えて、人々はどのように断食明けを喜び合うのだろうか?日本の年明けのようにブルーモスクは混んでいるのだろうか?そしてブルーモスクの一人用絨毯にびっちりと人が納まって、一斉にお祈りをしているのだろうか?

 様々な憶測が私たち夫婦の頭を駆け巡った。通常ラマダン明けは午後6時半と聞いている。午後6時頃にラマダン明けの街の様子を観察するために出かけることにした。宿のロビーに集まっている人たちに「ラマダン明けを見に来ませんか?」と声をかけたものの、誰も賛同してくれる人がいなかったので、我々2人ででかけることにした。

 ブルーモスクまではいつも通りの人通り。多くもなく、少なくもなく。

 違っていたのはブルーモスク周辺のレストランだった。常にも増して人々がぎっしりとテーブルに着いている。

 しかし、もちろん誰も食べ物を口にはしていない。

 とうもろこしはアツアツに茹で上がり、ドナー・ケバブもジュージューと焼けている。

 気の早いレストランなどは、座っている人の目の前の皿にスープを注ぎ始めている所もあった。

 そう、みんなあと10分ほどで明ける断食を、今か今かと心待ちにして待っているのである。

 こんなに大勢の人が、食卓を前に「Ready!」の状態でいる光景なんて見たことがない。壮絶な食欲のオーラがブルーモスク周辺を覆い尽くしているかのようだった。

 で、肝心のブルーモスクは?と見に行くと、ブルーモスクもアヤソフィアもライトアップして美しくたたずんでいるものの、ブルーモスクの中は空っぽに近かった。

 ほんの数人が絨毯につっぷしてお祈りしているだけであり、私たちが描いていたブルーモスクぎっちりの人がお祈りしている図からは、程遠い風景だった。






 こうして人のいないブルーモスクを見学している間に午後6時半は過ぎた。花火もあがらない、歓声も起こらない。とても静かなラマダン明けだった。

 先ほどReady状態だった飲食街では、人々がそれはそれは嬉しそうな顔で一心に夕食を食べていた。

 道ですれ違う人も何かを食べながら歩いている。傍らの公園にふと目をやると、芝生の上に車座になって夜のピクニックで食べている。こんなに周り中の人が何かを食べている光景も珍しい。

 期待していたのとは大分違う風景。ラマダンが明けた瞬間のイスタンブールで、多くの人は食欲に走っているのだった。

 帰り道の公園のベンチで、物を食べている人の足元には、必ずといっていいほど、猫が慎ましやかに待機していた。

 断食していたとは思えないが、「この食の喜びを私たちにもわけて頂きたい」と、そう訴えているようだった。


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