夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.10.27
ドルマバフチェ宮殿 Dolmabafce

トルコ:イスタンブール

 晴れ。観光に最適なお天気になった。

 午前10時20分にドルマバフチェ宮殿に一番近いトラムの駅カバタシュKabatasに到着。道路を渡って、明日イベントが行われる駐車場を見ると、初代共和国大統領アタチュルク氏とトルコの国旗が下がり、共和国記念日への準備が着々と進んでいることを物語っていた。

 ドルマバフチェ宮殿はこの先。手荷物をX線に通してから中に入る厳戒態勢は、近年この近くのタクシム広場で発生したテロ事件以来のことなのかもしれない。

 手荷物検査はあるものの、正門の前までは無料で入れる。

 門の中央にはピクリとも動かない衛兵がいて、観光客が間近で一緒に記念撮影などしている。



 この門の右側でチケットを購入して宮殿内に入ることになる。宮殿内だけのチケットとハーレムだけのチケットとコンビネーションチケットがあり、コンビネーションチケットが割安なので、それを購入した。確かコンビネーションチケットが一人TRY20(=US$13.51)で別にカメラ持ち込み撮影許可料金が1台分TRY6(=US$4.05)だったはず。

 中に入ると、再び門。こちらは両脇の壁が赤くて、これまた素敵な感じ。ここにあるトイレは空いているのでお勧めだ。

 奥のカフェにももう一つあるのだが、そこは常に混んでいる。

 というのも、宮殿内もハーレム内もツアーで回ることになっているため、一定時間になると人が吐き出されてカフェに集まるのだ。次のツアーまでの間にお茶を飲み、トイレに行くという同じサイクルで人が動くので、トイレに行きたいと思った時には行列になっている。トイレは、この入り口で済ませておくのがいいと思う。

 この赤い門を入ると、内部が庭園でその奥が宮殿になっている。

 宮殿の庭園というには慎ましい広さなのだが、海沿いにあるので、ふと目を移すときらめく海面が視界に入るのが気持ちのいい所だった。

 海上からの入り口というのもあり、要人がこちらからお出ましになることもあるのだろう。船で家に到着というのは、なかなかカッコいいではないか。

 庭園の真ん中にある池を回りこんで、向こうにある宮殿に行くと、「英語のツアーは○○時から、トルコ語のツアーは○○時から」とホワイトボードに書かれてあり、宮殿の階段で皆でたらたらと待つことになった。


 そうそう、宮殿内部は土禁。階段下には靴にするビニールカバーが用意されている。

 ブルーモスクに入るのにも靴を脱いだし、楽器屋さんのお茶会も上のお座敷には靴を脱いで入った。イスラム圏は結構靴を脱ぐ習慣があるようで、その点は親近感がわく。

 午前10時55分、ツアー開始。ツアーの開始時間は、他の団体観光客の入り具合などによって、待っている間に何度か書き換えられていたが、ついに55分に決定したらしい。

 赤い絨毯が敷かれた広間から見学が始まった。

 ヨーロッパの城風に廊下沿いにある部屋などが展示されているが、正直あまり興味を引く部屋や調度品はなかったが、食器や陶磁器の展示では2点面白いのがあった。

 蓋付きの陶器のカップは高さ18cmくらいもあるくらいの大きめなもので、地色のグリーンが美しい。形もユニークだしゴージャス。

 もう一つのお気に入りは、フラミンゴみたいな色の優美なガラスの壺。模様の部分は色が抜けて透明になっている。こちらは高さ60cmくらいあるかなぁ。結構大きなものだった。

 この宮殿にあってヨーロッパの宮殿にないのは、スルタンのハマム(風呂場)と、体育館のように大きな広間ではないだろうか。

 ハマムはトルコやアラブで見る浴室のスタイルで、私はまだ経験したことがないが、経験した人の話によるとゆるいサウナみないなそうな。

 蒸気のなかでリラックスして、時々近くの浴槽にためた湯を体にかけ流すのだそうだ。

 スルタンのハマムはまず前室があり、そこから奥にもう一つの部屋になっている。ツアーの観光客が詰め掛けると狭苦しい空間になるが、浴室にこの2部屋というのは、何とも贅沢な空間だ。

 奥の部屋は天井がガラス張りになった総大理石で、体にかける湯をためる部分の装飾が見事だった。

 ツアーグループの観光客は、前室からちょっと狭まった大理石の入り口を通って、この部屋に入り、何となく反時計周りにぐるぐると見回しながら、時々カメラで撮影しながら歩いて出て行く。

 一人でこの空間を占領して、蒸気にあたりながら寛いでいただろうスルタンに比べると、今の我々は何と庶民なことだろう。こうした宮殿の見学というのは、時に自分の庶民っぷりを再認識させられる瞬間でもある。

 後にハレムを見学して、スルタンの息子達が、豪華ではあるが自由の全くない部屋に閉じ込められて暮らしていたと聞き、豪華な部屋は「金の鳥かご」と呼ばれていたという説明があった。ツアーは、終わってみれば庶民も悪くないという感想を持つようにできていて、トルコ国内からの見学者も多いためか、そこんところはよく練られた説明になっているのかもしれないなぁと、妙な所に感心したりした。

 体育館のように大きな広間は、ヨーロッパでいったら舞踏の間になるのだろうが、ここでは何の目的で使用されていたのかは、説明をあまり聞いていなかったので定かではない。

 そういった部屋には椅子やテーブルが置かれていたので、会議に使われていたのかと勝手に思っている。

 キリスト教の教会ドームのような構造になっていて、それでも天井の装飾がとても美しいアラビックな模様、天井から下がる非常に大きなシャンデリアはヨーロッパ製だそうだ。こういう部屋がいくつかあった。

 宮殿の見学は1時間で終了した。「ハレムはこちら」という矢印とカフェの矢印が同じ方向だったので、何となく歩いて行くと、ハレムの入り口前にカフェがあり、ハレムの次の見学まで20分あり、お茶したら丁度いい時間に組んである。

 12時20分からハレムの見学が始まった。今度は英語とトルコ語は一緒のツアーだった。

 こちらはスルタンのプライベートな空間が多いということもあり、調度品も心が通っているというか、可愛らしいものが多くて楽しかった。

 トルコを共和国に導いた初代大統領のアタチュルク氏もここに居を構えていた時代があり、彼が亡くなったベッドにはトルコ国旗がかけられて見学コースの一つになっている。これも、あさってが共和国記念日だと聞いていた私たちにとっては、とても興味深く感じられる展示品だった。

 ハレムには、スルタンの他に、スルタンの母親とスルタンの多くの妻達が共に生活をしていた。

 トプカプ宮殿のハレムツアーで聞いた説明によると、スルタンに10人の后を選ぶのはスルタン自身ではなく、その母親だったそうだ。

 当然母親の権力が一番増大するだろう。

 トプカプからこちらの宮殿に移動してきてからも、その権力が維持されていたのか説明にはなかったが、母親の部屋の豪華さに比べて、妻達の部屋が意外に質素な設えなのを見れば、一目瞭然な気がした。各妻の部屋は一つのアパートのように区切られていて、今でいうなら1Lになるだろう。1ベッドルームとリビングとトイレ・バスでセットだ。もちろん一般的な日本の一人暮らしのOLさんの部屋よりは広いと思うが、「后」という響きに相当する広さでもなかった。権力と決まりごとがあって、この部屋の広さ。古参の女性上司がいる日本の会社で働く方がまだまし、という気がした。

 ハレムの見学は30分で終了。午前10時20分からの観光は、午後1時には終了したことになる。

 トプカプ宮殿とドルマバフチェ宮殿、どっちが面白かったかは、興味のポイントによる。トプカプは惜しげもない宝飾品展示と庭園からの金角湾の眺め、トルコ産の見事なタイルを使った建物が魅力的だったし、ドルマバフチェは様々な美しいシャンデリアを楽しめることと、ハレムの展示がトプカプに比べるとリアルな感じがして面白かった点が挙げられる。私としてはイーブンに楽しかったといえる。


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