|
|
|
|
2006.10.31
パムッカレ的生活を垣間見る。
トルコ:パムッカレ |
|
夜行バスでイスタンブールから出発し、パムッカレの宿に到着したのが午前11時近く。ふー、疲れた、疲れた。
天気が良くて元気だったら、そのままパムッカレを見学して、その夜の便でカッパドキアに出発するバックパッカーもいる。そもそも、夜行バスで到着して、翌晩も夜行バスに乗ろうとは考えていなかった私たちだが、ここまでくたびれるとは思っていなかった。
宿にチェックインするなり、布団に入ってぐっすりと眠り込んでしまい、目が覚めたのは午後2時をまわってからだった。
天気もあまり芳しくないので、今日パムッカレに行くのはやめて、ここで宿の日本人奥さん、典子さんとでもゆっくりおしゃべりしようかと思っていた。
そこに典子さんの旦那さんが登場。これから日々の日課である羊の面倒をみに行くというのだ。一体どんなことをするんだろう。同行を申し出ると、旦那さんは快く承諾してくれて、早速、私と夫、旦那さんとそのお姉さんの4人は車に乗り込んだ。
どこか離れた所の牧場に行くのかと思ったら、5分もしないうちに到着。
羊は旦那さんの実家の敷地内で飼われているのだった。まずは買ってきた飼料を倉庫に運ぶ。これ、一つ50kgもする。
これは毎日の仕事ではないだろうが、餌を買ってくる度にこの作業が発生する。お姉さんは私より少し年齢が上なくらいだが、力持ちだ。
夜行明けということを差し引いても、こういう作業をしたことのない私は3つも運ぶのを手伝ったら、もう手に力が入らなくなってしまった。
で、次の作業は飼料作り。旦那さんの考案した特性の飼料は、一種類だけではなく、何種類もの飼料を混ぜていくのだ。
そのため、餌を準備するのにも手間がかかる。
その間、私たちは旦那さんのお父さんとお母さんに誘われて、ネスカフェで一息つけさせてもらった。
お父さんは国の名前とその国の首都の名前を鬼のように列挙するという特技の持ち主で、よくもそれだけご存知で、と感心するほど国と首都の名前を列挙してくれた。ま、基本的に言葉が通じないのだが、こういう芸(?)をお持ちなら、外国の客人とも間が持つ。なかなか社交性のある人で面白かった。
そうこうするうちに、餌の台や羊小屋を全て掃除し終えた旦那さんとお姉さんもお茶に加わり、お父さんやお母さんと冗談を言いながら、午後のお茶を楽しんだ。こうした家族の光景っていうのが、とても懐かしい感じがした。思えば、一人暮らしをするために家を出てからこうした家族の団欒みたいなのはなかったのだが、それでも毎日職場で同じ人と顔を合わせて食事をする昼食時が、言わば家族の団欒みたいなものだったかもしれない。仕事を辞めて旅に出てから、そうした職場もなくなり、夫と二人で食事をするかあるいは毎回異なるメンバーと一緒にご飯を食べている。それはそれで面白いが、今日のように家族が揃ってお茶をしている瞬間を見ると、こいういう事から自分は遠い所にいるんだなぁというのをしみじみと感じた。
それから、日本の家族から離れて、単身この村に嫁に来た典子さんを思った。パムッカレでトルコ人に嫁いで宿を経営している日本人がいると聞いた時は、とても勇気ある人だという印象を持った。しかし、こうして旦那さんやその家族に会ってみると、最初に持った印象ほどには難しくないことに思えてきた。
ぼんやりと考えていたら、旦那さんが「さ、それじゃ、羊を小屋から出すから。どどどーっと羊が出てきた所を写真に撮るといいよ」と誘ってくれた。「一心不乱に餌を食べる羊と俺」を撮ってくれという旦那さんからのリクエストで何枚か撮影。友達に見せたいので、後で送ってくれといわれた。
あれから訪れる街は、インターネットのスピードがとても遅くて、なかなか送ることができないでいる。旦那さん、待っているだろーなぁ。
時間の流れがとてもゆっくりと充実しているように感じられた午後だった。これがパムッカレ的生活の一部なのだ。
|
|
|
|