夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.12.06
日帰りでシャルム・イッシェーフへ

エジプト:ダハブ

 ダハブからバスで1時間南下した所にシャルム・イッシェーフという町がある。シナイ半島の東側にあるリゾート地としてはむしろダハブよりもこちらの方が国際的には有名だろう。ちょっとした地図などでは、シャルム・イッシェーフの地名はあっても、ダハブの地名がない場合があるのだ。

 そもそもシャルム・イッシェーフはイスラエルの占領下にあった影響もあり、現在でもイスラエル人が多く訪れるリゾート地なのだそうだ。2週間以内の滞在であれば、イスラエル人に限らず、他の国からきてもビザが必要ないなどの特別な措置をとって観光客を呼び集めているせいもあり、フランス、ドイツなどの先進国からも多くの観光客がきている。

 そのせいで、シャルム・イッシェーフはエジプトの他の地域とは全く物価が異なり、ホテルに至っては先進国なみに高いと聞いていた。

 そのシャルムには行きたいけれど、到底予算が追いつかないバックパッカーが徐々に集まり始めて、いまや市内半島でバックパッカー行くところといえば?という代名詞にもなりつつあるのが、私たちが滞在するダハブ。だから、今回の旅行ではシャルム・イッシェーフなぞに行くチャンスも、いや行きたいとも特には思っていなかった。

 しかし、ある事情でどうしてもDHLを使って物を送らなければならなくなり、当然ダハブにはそのような需要はないのでシャルムに行かなければならなくなった。ほほー。この際、シャルムがどんな所か見て参りましょう。

 ダハブのバスターミナルからシャルム・イッシェーフのバスターミナルまでは一人運賃EGP11(約220円)。海沿いを走る事を期待していたのだが、道はまるで水気のない荒野の中をひたすら1時間走った。

 まだ行っていないが、シナイ山はきっとこんな感じだろうなぁと思いながら窓の外の景色を眺めていた。

 ダハブの爆破テロ事件の影響を受けて、ここでもパスポートチェックは2回もあり、パスポートは必携であった。

 午前10時過ぎ、1時間ほどでバスはシャルム・イッシェーフのバスターミナルに到着。バスターミナルから50mも海の方に向かって歩けば、ミニバスの通る大通りに出ることがわかったのは、この後シャルムをミニバスで移動してみてのことであり、この時点で近くにミニバスが走っていることは知らなかった。

 勝手がわからないのでDHLの入っているホテル(高級ホテルゾーンにある)までタクシーに乗ろうとすると、さっそく一人の見るからにヤクザっぽい男が近寄ってきた。ホテルの名前を言うと「EGP50(約1000円)」だという。ほほー、さすがシャルム。到着一発目からかましてくれますねー。

 ガイドブックではEGP10のような事が書かれていたので、このぼったくりぶりに感動すら覚える私たちであった。私たちが立ち去ろうとすると値段は50から30、そして25まで落ちたが、男は「これ以上は負けられない」とこちらが何の交渉もしていないのに、勝手に値段を打ち止めにしていた。端からこの男は無視していたのだが、ベラベラとしゃべりながら「自分の車だ」と指差す方向を見ると、明らかに普通車で明らかに白タクだ。

 バスターミナルの敷地に面した大通りに、丁度、ちゃんとしたタクシーが停車して客を降ろすのを見つけた私たちは、白タクの運ちゃんを置いて「それっ」っとタクシーに向かって猛ダッシュ。正式タクシー運転手にEGP15で話をもちかけると即座にOKというので、さっさと車に乗り込んだ。

 そこにゼーハーいいながら白タクの運ちゃんが追いついてきて、私たちが乗り込んでいるタクシーの開いた窓から車内に顔をつっこみ、「お前らなんか日本のヤクザだ!ジャパニーズ・マフィアじゃ!」と腹いせに怒鳴った。あははは、エジプトのチンピラ運転手にマフィアと呼ばれて、シャルム一発目の戦いは痛快に一勝を決めた。

 10分近くも走っただろうか、中央にきっちりと美しく刈られた緑地帯のある大きな道路、両側にはいかにも大資本でございますというようなホテルが立ち並ぶ一角に入って停車。ふへー、これがシャルムかぁ。

 DHLはあるホテルの敷地内にオフィスがあり、ホテル内に入らなくてもよかったのだが、折角ここまで来たのだからとホテル内にも足を踏み入れてみた。

 ダハブのホテルではあり得ないのだが、ホテル内にはいるのに金属探知機検査を通る。

 中はピカピカの大理石の床、ロビーでくつろぐ観光客はピカピカのリゾートウェアをまとった先進国の人々だった。

 ロビーを抜けると、中庭には青々と水の張られたプールがあり、プールサイドで寛ぐ人々。プールを囲むように客室が並んでいる白亜のホテルだった。あらあら、素敵。

 ここでシャルムのホテル見学は終了。DHLで手続きを済ませ、この高級リゾート地区にもあるはずのパブリックビーチを見学に行くことにした。

 パブリックビーチは、高級ホテルにはさまれた所に入り口があった。

 エジプトではパブリックビーチといえども有料である。ホテルのプライベートビーチに宿泊客ではない人が入ろうとする場合の値段に比べると、遥かにリーズナブルな価格で、シャルム・イッシェーフの場合はパブリックビーチへの入場料金は一人EGP10(約200円)。

 エジプトの例えばハルガダという別の紅海沿いの町のパブリックビーチへの入場料金がEGP3.5であることを考えると、やはりシャルムは高級だ。

 まぁたかだか200円の入場料なのだが、水着を持ってきていない私たちはちょっと払いたくない。

 で、入り口の係員に「私たち、ほらこんな靴でしょ?それからセーターとか着ているし、カバンの中を見てちょーだい、水着もタオルも入ってないでしょ?」というと、「じゃぁ15分したら出るってことで、今日は無料で入れてあげよう!」と快く入れてくれた。

 シーズンオフのせいか、ずらりと並んだビーチベッドはガラガラ。ああ、やっぱり寒いからねぇ。

 と思って海辺に立つと、両脇のホテルのプライベートビーチにはかなりの人がいる。遠方の国から来る人にとっては、「このくらいの気温はまだまだ暖かい、シーズンオフでツアー料金も安いしお買い得だし」ということだろうか。ダハブの寒々しいビーチに比べると、とてもにぎやかな海になっていた。

 この日は暖かいということもあるだろうが、シャルムのこのエリアのビーチは大きな湾になっていて、砂浜の続く遠浅。流れがないので水が温まっていて、ダハブの海よりも水温が高かかった。

 ダハブと同じように海岸沿いにレストランと遊歩道が続いているのだが、砂浜があるので遊歩道と海の間が広い。遊歩道からの眺めはダハブの方がいいかもしれないが、遊歩道から垣間見える清潔そうなテーブルクロスのかかったレストランは、ダハブにはない魅力だった。

 パブリックビーチの見学を終えると、高級リゾートですべきことはなくなってしまった。シャルム・イッシェーフは高級リゾートのエリアともう少し庶民的なビーチエリアが離れている。ここからの移動は乗り合いのミニバスで行ける(EGP2=約40円)。

 庶民的な所にはオールドマーケットと呼ばれるお土産物屋が集合した場所があり、その奥にこのシャルムといえども超定価でコシャリを出している店があるとガイドブックに書かれていた。せっかくシャルムに来たのだから、高級リゾート併設のレストランで紅海を見ながらイタリアンでも・・・なーんてことも頭をよぎったが、エジプトでイタリアンはとても期待できそうにもない。コシャリで十分だ。

 午前中目にした光景が嘘だったかのように、一気に庶民的な店が並ぶ一角でコシャリを頬張り、昼食は終了。

 ここのパブリックビーチも2つのプライベートビーチを持つホテルの隣にあったが、ホテル側のプライベートビーチからずかずかと入り込んで、ハマ伝いにパブリックビーチに入っていったので、誰にも何も言われなかった。ここら辺も、向こうに比べるとやや庶民的。

 浜辺から中が空洞のプラスチックケースを浮かべた桟橋があり、ここからグラスボートツアーが出ているということだった。浮桟橋に行ってみると、下にちらちらと熱帯魚が見えた。やっぱりシュノーケリングやりたかったなぁ。

 そうそう、このエリアには丘の上にユースホステルがあるという。もし値段が手頃だったら、こちらの海の方が温かいし、ダハブから移動してくるっていうのもいい。そんな事を思いついて、丘の上のホステルを訪ねていった。まるで学校の施設のような無味乾燥な建物は、正しくホステルという感じだった。職員が出てきて、先日からエジプト人学生が入って満室。2週間後だったら部屋が空くと告げられた。因みにツインルームのお値段は一泊EGP120(約2400円)也。おおおお、現在私たちが宿泊している宿は一泊ツインルームEGP20で雰囲気もここよりずっといい。それで6倍も取られたんじゃ、かなわない。

 というわけで、ちょっとした思い付きは泡のように消え去った。

 シャルム・イッシェーフは浜辺のあるビーチで、水温もダハブよりもやや高い。アメリカンなビーチリゾートの雰囲気が短期の旅行者の気晴らしにはぴったりかもしれないが、ゆったりと過ごすなら断然ダハブがいい。大手資本が一気に作り上げた町と商店がわいわいと作り上げた町、という対比においては、メキシコのカンクンとプラヤ・デル・カルメンに似ている。私はどちらかというとダハブやプラヤ・デル・カルメンの方が好きだ。

 時刻は午後1時半。結局、バスターミナルまでは安いミニバスで戻れることもわかり、ダハブに戻ることにした。バスターミナルでは、朝方、私たちをヤクザ呼ばわりしたチンピラ白タクの運ちゃんが、朝のことはなかったように私たちに「ダハブまでタクシーで帰るってのはどう?」と進めてくる。本当に顔を覚えていないバカたれなのか神経がよほど図太いのかどちらかだ。

 これも難なく振り切って、バスでダハブに戻ってきたのは言うまでもない。


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