夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2006.12.08
ダハブという町

エジプト:ダハブ

 シナイ半島はエジプトの東側、紅海に突き出した半島だ。

 このシナイ半島の東岸沿いにバスで南下し、ダハブというバックパッカーが集まる小さな町に落ち着くことにした。

 紅海は流れ込む川がない為、とても美しいと聞いていた。もしダハブが気持ちのいい気候なら、ここで年越しするのがいいのではないか、というのが当初の計画だった。

 ところが、暖かいとはいえ12月に入った北半球は冬である。風の吹かない日中は半袖で町中を歩いたり、海に入って泳いだりできるのだが、風のある日は昼間も寒く、朝晩の冷え込みは冬を感じさせる。

 ということで、年末まで1ヶ月ゆっくり過ごすという計画は切り上げて、10日程で移動することになった。ここで行おうと思っていたシュノーケリングツアーや数々のスイミングスポットなどは全て中止になるので、アクティビティーとしてスケッチすることは難しいのだが、ダハブの海、そして町中のスナップで、私たちが過ごしたダハブを写真で綴ってみたい。

 ダハブといえばまず海。私たちが滞在したマシュラバビーチは、海岸線が緩やかに波をうつような場所にあった。

 なだらかな浜辺のように見えるのだが、ここは全て遠浅の岩場で、岸から海に入ると2メートルくらいはゴツゴツした岩が続き、その先から突然深く落ち込むような構造になっている。

 マシュラバビーチの北端にあるライトハウスというスポットは、岸から入るとガクッと深くなり、深くなった岩の表面に美しい珊瑚があり、その珊瑚礁に熱帯魚が集まっている。

 こんな岸に近いのにシュノーケリングが楽しめる場所として、また岸からすぐに深くなっているので、ダイビングライセンスを取得するビギナーの格好の教習場として使われている。

 風のある日に海岸線を散策していると、多数のウィンドサーファーをみかける。他の国のビーチではウィンドサーフィンに適した深度となると、かなり岸から離れてしまう場合が多いが、ここでは目の前から始められるので、ウィンドサーファーのみならず、ウォッチャーにも格好の場所。へー、ウィンドサーフィンってああやるんだとじっくり見せてもらった。


北側の遊歩道は幅も広く、北に向かって右の海側にはレストラン、
左側には土産物屋が多い。

ビーチの真ん中から南側は海側にホテルが経営するカフェ
遊歩道を挟んで内陸側にホテルが並ぶ。やや狭い道幅が
散策の雰囲気でよい。

土産物屋では通常のタオルや水着の他、ベドウィン(遊牧民)が
よく使う織物をモチーフにしたものがあり、見ているだけで楽しい。

ビーチの真ん中から南の、海沿いの遊歩道に並行して走る
一本内側の道路沿いにも店やレストランが並んでいるが
道は工事中。

夜のマシュラバビーチ。北側から南側をのぞむ。
 マシュラバビーチのある地域は、ビーチの真ん中から北側は海沿いの遊歩道の両側に土産物屋とレストランが続き、真ん中から南側は海沿いの遊歩道はホテルとそのホテルの持つカフェにはさまれた通りを通ることになり、店やレストランは、遊歩道から内陸に一本入った道路にその役割を移している。

 レストランやカフェはベドウィン風というのか、床の上に絨毯がしいてあり、低いテーブルとクッションでくつろぐタイプも多い。日本人にとっては座敷の感覚で馴染みもあり、ゆったりできる。

 レストランは海沿いは高め。といってもシーフード一品EGP35(約700円)注文すると、ご飯、サラダ、スープ、デザートがついてくるそうだ。一度も食べていないので、質についてはわからないが、こうした観光地の目抜き通りのレストランでおいしい目にあったことはない。

 私たちがよく通っていたのは、ビーチの真ん中から南側、内陸に一本入った道沿いにあるKing Chikenである。ここではチキン、ビーフ、コフタ(ラム肉ハンバーグのトマト玉ねぎソース)の定食がEGP13-15(約260-300円)で食べられる。地元のリピーターが多い店で、味も値段も良かった。

 オンシーズンならば、今日はあっちで海水浴、明日はあっちでシュノーケリングとたくさん楽しい場所があるのがダハブ。海に入れないとなると、午前中はいままで滞ってしまったサイトの更新作業にあて、午後から散策と夕飯の買い物に行くというような毎日の過ごし方。贅沢っちゃぁ贅沢ですが、やはり「海に来ている!」が感じられなくって残念だったなぁ。

 海にはオンシーズンとオフシーズンがあるが、ここに生きる人との関わりは常にオンシーズン。

 宿には住み込みの若いスタッフがたくさんいて、キッチンで交流することが多かった。

 食べることが楽しみなのは人類共通。調理をしていると、歌ったり踊ったりと彼らもとても楽しげだった。


 トルコからずっと見てきたのだが、アラブの世界の商売はオーナーという出資者である大人がいて、マネージャーという実務の責任者がいて、若いスタッフがいるという構造が多い。

 スタッフから始めて、ゆくゆくはオーナーになって、日長一日ビーチやシーシャ(水タバコ)屋でバックギャモンにふける。たまに自分が経営する店や宿を視察して現金を回収する。

 ダハブで観察する限り、現地の人はこれが一番の成功者のライフスタイルだと思っているようだ。歌って踊って楽しそうに食事の用意をしている若いスタッフの間にも、実はこうした野望が見え隠れし、上司の覚えめでたくありたいあまりに私たちが不愉快な思いをすることがないわけでもなかった。

 こうしたローカルとの楽しかったり不愉快だったりの係わり合いに加えて、食事のお供には必ず猫がいた。

 犬は蹴られたり殴られたりして萎縮している様子が多いのだが、その分、猫は伸び伸びすることが許されている。

 食堂の椅子の下から脅迫めいたマナザシで「なんかちょーだい!」と見つめたり、満腹になると人の隣でエビゾリになって眠ってしまったり。好き放題だ。猫好きにはたまらない町だろう。

 3年前と比べるとダハブの発展ぶりはめざましく、私たちがサイトであげた写真を見て「何とお洒落になったのんだろう!」と感想を寄せてくれた人がいた。私たちが滞在している間も、道路の歩道には色のついたコンクリートが流し込まれ、型模様がつけられていた。1年後のダハブですら、更に変わっていくだろう。

 超高級リゾートのシャルム・イッシェーフに比べると、格段に値段に水をあけられているダハブ。少しでも宿やレストランで高料金が設定できるように、町の発展に力を入れているというのが見えた。

 しかし、ダハブがいつしかシャルム・イッシェーフのように高級リゾート地になるとは思えない。ダハブにはシャルムのような砂浜のビーチがないので高級リゾートのディベロッパーの食指がわかないんじゃないかなぁ。ということは、大手ディベロッパーの金が入らないから、シャルムのように真水を引いてくる為のインフラ工事の金が入らない。シャワーが海水のままじゃ、宿で高価な宿泊料金は取れない。ってわけで、ダハブはバックパッカーのパラダイスとして、シャルムに追いつくことなくゆるゆると発展していくんだろーなー。

 でも、その方が私はいいと思っている。

 ダハブの後に、アスワンやルクソールにも滞在したが、大抵バックパッカーを相手にしているダハブに比べると、大金をポイポイと払ってくれる浪費家旅行者も多いアスワンやルクソールには悪質な客引きや法外な値段をふっかけてくる商人が大勢いるんだよね。

 ダハブはバックパッカーが多い。つまりお金の支払いにはシビアな客ばかりがいる。そういう土地では、値段に多少のふっかけはあるものの、ある程度落ち着いているのだ。浪費家が来ない限り、ダハブの価格は急騰しないんじゃないだろうか。


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