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2007.01.15
エジプトカット200円
エジプト:カイロ |
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「いい加減にその髪をなんとかしたらどーですか」と何度言ったことだろう。
旦那の髪が伸び伸びになってしまったのだった。普段から実利主義で鳴らしている彼だが、エジプトでヘアーカットするのには抵抗があるようだった。というのも、宿で同室のハルさんがカットしてもらったのだが、金太郎のようなぶつ切りカットにされて、サラサラヘアーのハルさんは耐え切れずに自分でレイヤーをつけたのを見ていたからだった。
「でも、あなたの場合は天然パーマだから、大丈夫だって」といっても、「人ごとだからそんなことが言えるんだ」と、なかなか腰をあげようとしなかった。
しかし年も明け、これじゃぁいかんと思ったのかついに宿を出て2分の所にある角の床屋に行くことにしたのだった。
まず値段を確認しに行くと、床屋の兄さんは愛想よく、「カットはEGP10だよ!」と答えた。値段は安い。とても安い。この安さが不安を呼び起こさないわけでもなかったが、とにかく安いのでやってみようということになった。
宿にある日本の雑誌から、モデルになりそうな髪型をみつけて何冊か持っていった。兄さんは、ふんふんと雑誌を見て理解してくれているようだった。更に、妻の私が、上の方がこのくらいの長さで、だんだんに短くして、襟足はこんな長さでと注文を出す。オッケー、オッケー、問題なーいと兄さんはカットを始めた。
エジプト人の男性はメキシコ人と似ていて、靴と髪には非常に気を使っていると思われる。
靴屋と床屋が町中にたくさんあり、常に客が入っているのだ。
だから、この床屋さんも腕は毎日鍛えられているみたいだし、真剣なマナザシ、この立ち姿。少し眺めていたが、大丈夫そうだなぁと思って、持ってきた日本の雑誌を見ながら待つことにした。
10分もすると、「はい、奥さん、どーですか?」と言われて顔を上げると、むむむ、短い。予想よりも大分短く切られてしまっていた。
よく見ると、兄ちゃんの髪型とそっくりだ。
きっと何を言っても、このヘアースタイルにされちゃうんだったんだろうなぁ。そういう運命だったのさ。
スタイルに満足なわけではないが、仕上がりはおかしくないし、きれいにできていた。何と言っても200円にしては上出来ではないか。
宿に戻ると、「若返りましたね」とか「エジプト人みたいですね」とか、色々な感想がもらされた。
この後、市場を歩いていると、見知らぬ八百屋のおじさんが「お、いい髪形だね」と言ってきたり、インターネット屋に行くと店番の子供が、「グッドだねー、その髪型」と親指を立ててサインを送ってきたり。とにかくエジプト人にはとってもウケがよいヘアースタイルだった。
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