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メンドーサ(Mendosa)→サンティアゴ(Santiago)
2005.12.05 |
アルゼンチン→チリ |
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移動内容 |
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06:40-06:58 |
宿からメンドーサのバスターミナルまでタクシーで移動
タクシー運賃 A$5(=US$1.67) by 現金
バスターミナルタクシー乗り場荷物補助へのチップ A$0.5(=US$0.17) by 現金 |
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07:30-10:40 |
メンドーサからチリとの国境までバスで移動。国境越えの手続きのため、一旦バスを下車。
バス運賃 A$50(=US$16.67)/人 by 現金
※バス運賃は引き続きサンティアゴまでの料金 |
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10:40-11:36 |
国境通過手続き |
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11:36-14:15 |
再びバスに乗りサンティアゴまで移動 |
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14:35-11:51 |
バスターミナルから宿までタクシーで移動
タクシー運賃 C$3000(=US$5.83) by 現金 |
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※2005.12現在、US$1= A$3(アルゼンチンペソ)、US$1= C$515(チリペソ)で計算しています。
※アルゼンチンペソもチリペソも通常$と表記されますが区別のため、ここでは各々A$、C$と表記しました。 |
メンドーサの宿は、今年2005年の5月にオープンしたばかりの新築一戸建てのホステルで、大変スタイリッシュで気持ちのいい空間だったのだが、一つだけ問題があった。それはスタッフを含め、宿泊客も皆宵っ張りだということだった。お陰で、夜中の2時、3時、週末は朝の7時まで、大きな音で音楽が鳴り響き、騒ぎ声が絶えないという、パーティー好きには最高の宿である。
そんな宿で、眠れぬ週末を過した週明けの早朝出発は、かなり辛い気分だった。でも、岩のように重いスーツケースを運んでいるうちに、重い目は徐々に目覚めてきた。宿の人にタクシーを呼んでもらうと、5分くらいできてくれた。20分はかかるだろうと思っていたのに、予想外の早さ。こんなことなら、あと15分は寝ていられたなぁ。
この町のタクシーの運転手さんたちは、皆愛想が良かった。メンドーサという世界的に有名なワインの生産地で、様々な国からのお客さんに慣れているにもかかわらず、都会のタクシー運転手にありがちなスレタ感じがなく、とてもいい。今朝の運転手さんも、感じが良かった。ま、朝の運転手さんは、大抵感じがいいものだけどね。
チケットは、事前にバスターミナルまで来て購入していたので、タクシーでバスターミナルに到着したら、指定されたプラットフォームに向かうだけ。因みに、先日チケットを購入するためにバスターミナルに来たときに、7〜8社に価格とサービスを聞いて周ったが、価格はいずれもA$50(=US$16.67)と同じだった。バスの種類は2種類で、15人乗りのミニバンを利用する所と、大型バスを利用する所があった。また会社によっては、昼食と飲み物をつける所もあり、同じ価格でも微妙に各社異なる内容となっている。
我々のプライオリティーは、まず出発時間が朝早いこと、そして車体が新しくてきれいなバスにしたかった。その結果選んだのは、El
Rapido。朝7時半発のバスはここだけだったのだ。他の会社で次に早い出発は8時半。所要7時間と聞いていたので、7時半に乗ることにしたのだった。このバスは車体もきれい。そのかわり、サンドイッチなどの食事サービスはなく、クッキーを一つ配ってくれただけだった。
定刻通りに出発。実は、チリ国境から2km手前にある町ビジャ・ラス・クエバスVilla Las Cuevasまでは、メンドーサ発のアコンカグアを見るツアー「Alta Montana」と全く同じルートで行く。ツアーのルートになるくらいなので、その道中からは、ジオラマのような風景が広がっていて、天気が良ければ右手にアコンカグアが見えるし、左手に鉱物が固まってできたインカの橋も見えて、移動と観光を兼ねることができるルートだとガイドブックにも書いてあった。とはいえ、観光ではないので、「これがアコンカグアです」「これがインカブリッジです」という解説もなく、停車もしない。何も言われない乗客は、インカブリッジのすぐ横を通過しても、知らんぷりだった。ツアーにも参加して、このルートの国境越えバスにも乗った私としては、時間が許す限り観光でちゃんと訪れた方が満足がいくという感想を持った。
やがてアルゼンチンとチリの国境に到着。足元にまで氷河が迫る寒い寒い所だった。今朝バスに乗った時は、半袖でいい陽気だったのに、ここはまるで真冬のようだった。
この国境ではアルゼンチンの出国とチリの入国が同じ建物の中で行われるので、とても便利だ。バスを降りて、建物左手で出入国検査を終えると、建物右手の方にいって荷物の検査を受ける。
国境によっては、陸路で国境越えする場合、大きな荷物はほとんど検査されなかった。メキシコからベリーズに入るとき、一応荷物は通関を通すが、質疑応答のみで中身の検査はなかったし、ベリーズからグアテマラに入る時とペルーからボリビアに入る時、荷物はバスの中に置きっぱなしだった。ボリビアからアルゼンチンに入る時も、スーツケースは手に持っていたが検査はなかった。ところが、ここでは空港のようにX線の検査機があり、全荷物はここを通す。
ここで怪しい影が映ると、脇によけられて1人ずつ中を開けてみせなければならなかった。バックパッカーの1人旅行者の白人青年が、お手玉のようなものでひっかかった。これは中南米でヒッピーなどがよく遊んでいるのを見たが、日本の蹴鞠のように下に落とさないように蹴って遊ぶボールである。「中身は何が入っているのか?」と聞かれて、青年は返答に困っていた。何に使うのか?と聞かれて、真面目に遊び方を答えている姿は滑稽だったが、本人は真剣だった。結局、話している様子から無罪放免となり、ボールは返してもらえたが、こういう物はなかなか面倒なんだなぁ。他にも、チリの親戚に持っていくために大量のお菓子を買っていた婦人やら、何となく怪しそうな人はカバンを開けるように指示されていた。
こうして全員が通関し終えるまでに1時間かかって、バスは再び出発した。チリに入ってからは、ものすごい九十九折の坂を下っていく。
この光景に同乗していたアメリカ人らしき年配の一団は大喜びだった。V字カーブにさしかかる度に、「うわーっ」と感性をあげて、子供のようにはしゃいでいた。うんうん、その気持ちはわかる。
坂を降りきると、ごつごつとした岩山の麓には豊かな緑の樹木が茂り、その間を春の雪解け水が轟々と流れる風景から、牛が草を食む牧歌的な風景になり、やがてそれはブドウ畑に変わって、おいしいワインの産地、サンティアゴに近づいていることがわかった。
こうして、乗車して7時間弱の14時12分、無事にサンティアゴのアラメダ・バスターミナルに到着した。バスを降りると、「タクシー?」と近寄ってきた男性がいた。これまでの経験から、向こうから寄ってくる人にはあまり印象がないため、無視していたが、彼は我慢強く待ち続けた。それに敬意を表したわけではないが、それではこの人に頼もうということになって住所を見せると、この住所ではよくわからないので、事務所から電話して確認したいという。そんなことは初めてだったので、一体何を言っているのかわからなかった。しかし、タクシーの事務所はバスターミナルの出口手前にあったので、電話して住所と行き方を確認してもらった。そこで値段を交渉すると「C$4000」だという。チリに入ってきて、初めてのタクシーだし、ガイドブックの情報から考えると大分値上がりしているようだが、これが高いか安いか検討がつかない。でも一応言って損はないと思って、「高いなぁ」というと、彼も周りにいた彼の同僚も「いやいや、高くないって、こんなもんだって」と必死に言い返してきた。そうなのだろうか?まぁ、もう荷物もトランクに積んじゃったし、仕方ないと車に乗り込んだ。
宿に到着すると、彼は「C$3000」でいいと言い出した。???もしかして、あまり宿にも見えない所に宿泊する私たちに、同情してくれたのか、行き先を見当違いして高い料金を言っていたのか、真相はわからないが、とにかく安くしてもらえた。ま、US$2引きだけどね。
後で、他の都市に行った時にも、電話して確認するから電話番号を寄こせと言ってきたタクシーの運転手さんに会った。なるほど、チリでは住所を確認してから走り出す場合があるんだなぁとわかったが、この時は初めてだったし、よくわからなかった。ちょっとドキドキしましたね。
宿の呼び鈴を押すと、見慣れた旅行者が迎えに出てくれた。これまで、何回か同じ宿に宿泊したことがあった勇樹さんだった。いやー、また会ったねぇ、と再会を喜ぶとともに、初めての都市、初めての宿なのに、慣れた顔に会ってすぐにリラックスできる不思議な体験をさせてもらえた。
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