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アンバラヴァウ(Ambalavao)→イフシ(Ihosy)
2007.05.04 |
マダガスカル国内移動 |
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移動内容 |
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06:30 |
宿の目の前のタクシー・ブルース・ステーションに行く。 |
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07:10-08:30 |
アンバラヴァウからフィアナランツァまでタクシー・ブルースで移動
タクシー・ブルース運賃 Ar3000(=US$1.57)/人 by 現金
※急いでいた人がいて通常よりも早く到着。 |
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08:30-10:43 |
フィアナランツァのホテル・クツヤニスにてタクシー・ブルース会社のKOFIFIのリヴォと対決して、予約金を取り返す。 |
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10:43-12:58 |
フィアナランツァからアンバラヴァウまでタクシー・ブルースで移動
タクシー・ブルース運賃 Ar3000(=US$1.57)/人 by 現金
※途中で車両故障したために通常よりも遅延。 |
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14:44-17:16 |
アンバラヴァウからイフシまでタクシー・ブルースで移動
タクシー・ブルース運賃 Ar8000(=US$4.18)/人 by 現金 |
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※2007.04.30現在、US$1= Ar1915で計算。Arはマダガスカル・アリアリ。。 |
本来なら5月3日にイサル国立公園の拠点になるラヌヒラに到着しているはずだったのに、予定していたタクシー・ブルースが来なかったために、アンバラヴァウで一泊足止めを食らわされた。
このままアンバラヴァウからラヌヒラに向けて旅立ってもよかったのだが、それでは腹の虫がおさまらん。
ということで、今日はフィアナランツァまで引き返し、タクシー・ブルースの奴から金を取り返す。そしてフィアナランツァからラヌヒラに向かうという予定にしていた。
朝6時半、宿の目の前のタクシー・ブルース・ステーションに向かうと、フィアナランツァ行きだという車は用意されているものの客は一人もいない。この分だと、出発までに時間がかかりそうだなぁと朝ごはんにコンポセサンドなどを食べて待っていた。
余談だが、コンポセとは野菜サラダ、ポテトサラダ、マカロニサラダなどを少しずつ1つの皿に載せたマダガスカルの健康的ファストフード。これをバゲットにはさんだのがコンポセサンドなのだ。ちなみに今食べたアンバラヴァウのフィアナランツァ方面(北方面)行のタクシー・ブルース・ステーションのコンポセサンドは、午後食べた逆向き(南方面)行のステーションのそれよりもずっと旨かった。北方面行きのは味がしっかりしているし野菜も多かったのだ。1日のうちに1つの村の2つのタクシー・ブルース・ステーションのコンポセサンドを食べ比べることになるとは思わなかったし、こんなに違う味だとも思わなかった。
今日の車は20人も乗るようなミニバスタイプではなくてバンなので客は8人も集まれば出発できる。しかし、5人集まって客足が途絶えてしまっていた。
いつになったら出るかなぁ。
そこへ、午前7時の女神がやってきた。女神は旦那と一緒で深刻な面持ちで車にがっさと乗り込むや、運転手に「さ、早く出発して」みたいな事をいっている。「いやー、奥さん、タクシーじゃないんだから、乗ったらすぐ出るってもんじゃないですよー!」と言うかと思いきや、やおらタクシー・ブルースは出発したのだった。
どうやらご夫婦は大変に急いでフィアナランツァに行く用事があるらしい。真剣な面持ちからして親族に不幸でもあったのだろうか。残り3席を買うから早く出発してと言ったのだろうか。詳しい理由はわからないが、この女神のお陰で、タクシー・ブルースはいつものちんたらした走りではなくもうスピードで山を越え、村を過ぎ、急カーブをぶっ飛ばしてフィアナランツァに向かった。速いけど怖い。怖いけど速い。午前8時半にフィアナランツァに到着した。
早速ホテル・クツヤニスに向かってKOFIFIのリヴォと対決(詳細はSketch「タクシー・ブルース KOFIFIとの対決2日目」)し、1時間半後の10時過ぎにはタクシー・ブルース・ステーションに戻ってきた。
さぁ、ここで私たちには2つの選択肢があった。1つは今朝出発したアンバラヴァウまで行き、そこからラヌヒラ行きのタクシー・ブルースに乗り換える方法。もう1つはフィアナランツァからトゥリアーラあるいはその手前のイラカカIlakaka行きに乗りラヌヒラで途中下車する方法。
途中下車する場合でも最終目的地までの料金を支払わされるのが通常なので、この場合乗り継いでいくのと料金的にはあまり変わらないだろう。問題は朝10時を過ぎている今、トゥリアーラやイラカカ行きなどの長距離がフィアナランツァからでているかどうかだ。もし、ここで待っていて正午過ぎに出発ということになると、ラヌヒラへ到着するのが日没後になってしまう。知らない町に日没後に到着するのは避けたいという理由から、我々は分割して進むことにした。
で、アンバラヴァウ行きを探す。すぐに客引きが近寄ってきて「はい、アンバラヴァウ行きはこちらでございます」と紹介したのは、先日ここからタナンバウという所まで行くときに利用したBesadyというタクシー・ブルースの会社のブースだった。ここは外国人観光客をターゲットにしている。アンバラヴァウ行きの値段を聞くとAr5000と言うじゃないか、それって乗ってきたAr3000よりも高いぞ。なるほど、外国人をターゲットにして割高な値段を設定するという方針にしているようだ。ここの会社の車は他の会社と比べて格別にいいわけではないが、体の大きな外国人旅行者ばかりを相手にすると、ローカルの場合のように人数を詰め込むことができないので、割高にして少ない人数で走らせているのかもしれない。乗る方にしたら少し高いけど、ゆとりのある座席ということになり双方の利益が合致する。
と、ごちゃごちゃと分析したものの、私たちは別にローカルのスペースで結構なのだ。アンバラヴァウまでたかだか2時間弱なのだし。だから「Ar3000のを探してるんだけど」というと、このブースの入り口にコバンザメのように張り付いていた別の客引きが「はいよ」と私たちを引き継いで自分たちの車に連れて行ったのだった。
車は40分かけて徐々に客を詰め込み、最終的には座席の下に素敵な鴨まで詰め込んで10時43分に出発した。
この分なら12時過ぎにはアンバラヴァウに到着するでしょ。そこから、そうねぇ遅くとも午後1時半には出発すればラヌヒラに日没前に到着できる!
そんな予測をかる〜く裏切ってくれるように、出発してから30分も経たないうちに車は停車。運転席のクッションをはがして内部を見たりしていた運転手は、もうお手上げだということで仲間に別の車を回してもらうように手配の電話をかけたのだった。
あーあ。こんなことならBesadyのAr5000に乗っておきゃぁ良かったのだろうか。とも思ったが、タクシー・ブルースなんて大なり小なり同じだろう。今まで事故もなく走っていた方が運が良かったのかもしれない。それにしても、こんなに忙しく予定を組んでいる日じゃなかったらよかったのに、何で今日なんだ。
他のマダガスカル人は誰一人イライラしていない。これ幸いと子供にトイレさせたり、タバコをふかしたり、向かいの売店で揚げたバナナ買ったりしている。はぁー。イライラしているのが阿呆らしくなるほど皆のんびりと構えているのだ。
それでもイライラがおさまらない私は、言葉が通じないながらも新しい車が来るのなら今のうちに車の上に積んだ荷物を荷解きして準備しておいた方がいいんじゃないかと運転手に提案してみた。「いや、大丈夫、大丈夫」って何がオーケーなんだかわからないけど、動く気配がない。車が来てから荷解きしたんじゃ、また遅くなるだろうになぁと思いつつまた少しイラッとしながら車を待った。
しばらくして運転手がやおら車の屋根にあがり荷をほどき始めた。お、私の提案が聞き入れられたようだ。私も微力ながらお手伝いすることにした。
それでも荷をほどいたらお終い。荷を下に降ろすまではしないようだった。
マダガスカル人と仕事をするってのは大変なんだろうなぁ。
30分後、代車は思いがけず早く来た。フィアナランツァという交通の要所から近い場所だったのが幸いしていたのかもしれない。新しい車には新しい運転手と荷物の積み替え要員が一人。元の車の運転手と3人で要領よく荷物を積みなおして再出発だ。
新しい車の新しい運転手はこれまでの遅延を取り返すかのように、ぐんぐんとスピードを上げてアンバラヴァウに向かったので、結局フィアナランツァからアンバラヴァウまでは2時間15分。途中で車両故障があった割りには早く到着したと言えるだろう。
ということで、今朝7時に出発したタクシー・ブルース・ステーションに戻ってきたわけだが、ここから今度は北方面行きのステーションに移動しなければならない。2つのステーションは思ったよりも離れていて、炎天下をヒィヒィ言いながら小走りに移動して10分くらいで南方面ステーションに移動終了。
さて、ラヌヒラ行きは、ラヌヒラ行きはと聞いてまわった所、アンバラヴァウからラヌヒラ行きは朝のうちしか出ておらず、この時間になるとイフシ行きに乗り、そこからラヌヒラ行きに乗り換えないといけないという状況になっていた。アンバラヴァウからイフシまでは2時間半から3時間かかる。ただいま時刻は午後1時8分。タクシー・ブルースのことだから順調にいって午後2時に出発したとして、イフシ到着が午後4時半から5時だ。むむむ。そこからラヌヒラ行きが見つかったとしても日没ぎりぎりになるだろう。
このままアンバラヴァウに一泊して明日の朝1番でラヌヒラ行きに乗るか。今日イフシまで行って一泊してラヌヒラを目指すか。悩ましい所だったが、ロンリープラネットにイフシの宿が数軒紹介されているし何とかなるだろうとイフシまで行くことにした。
車は予想通り午後2時近くになって満席となり動き始めた。ところが向かう方向がフィアナランツァ。反対方向に走っていくではないか。
乗っている他の人に「これイフシ行きだよね」と何度確認しても皆「大丈夫、大丈夫」というので乗っていると、車はガソリンスタンドに入って行く。そう、タクシー・ブルースは常に客が集まって集金が終わってから走る分だけのガソリンを入れるためにガソリンスタンドに立ち寄るのが常なのだ。
そうか、ガソリンか。と納得していたらガソリンは入れないでまた走り出す。
やっと事情が飲み込めてきたのだが、実は荷物だけ載せてどこかに行っちゃった人を探し回っているのだった。車は裏手の民家の細道を走り始めた。小さな村だけに乗り込むはずの人の家まで迎えに行っているらしい。なんてこったい。しかし、本人は家にいない。
もう一度タクシー・ブルース・ステーションに戻って待っていると、ようやくお尋ねの人物が現れて本当に出発することになったのだった。時刻は午後2時44分。あーあ、2時に出ると思ったのに。この国では時間の概念は朝、昼、夜しかないようだ。
で、またもやガソリンスタンドに立ち寄ってから(何でさっき入れておかないのかという疑問を持っているのは私たちだけだろう)、ようやく本格的にイフシに向けて出発したのだった。はぁー。
結局、この道を通るのは4度目になる。
村を出て10分も走らないうちに左手に大きな岩が見えてきて、そのまた左のずっと奥に高い山々が見えてくるのがアンドリンギチャ国立公園の山並みだ。
左手の岩山がぐんぐんと近づくにつれて、アンドリンギチャの山並みは隠れてみえなくなってしまう。この近づいてくる岩山がプライベートパークのアンジャANJAだということは、アンバラヴァウで知った。
アンバラヴァウから車をチャーターしていくか、タクシー・ブルースでも行けるトレッキングについてガイドから話を聞いたっけなぁ(詳細はSketch「アンジャ自然保護区 ANJA」で)。
アンジャの周辺にはアンジャ程ではないにせよ、大きな岩が急に草原から隆起している場所が何箇所もあり、どうしてこんな風になっているんだろうと不思議な気持ちのする風景が続く。
やがて坂道をぐんぐんと登って行くと、草原の波間の向こうに再びアンドリンギチャ国立公園の山々が見えてくる。
それは手前の草原とは全くことなる草のない黒々とした肌を見せていて、その対比も面白い。
アンバラヴァウから40分で、私たちが昨日タクシー・ブルースを待って4時間以上を過ごしたタナンバウを通過。
昨日の10時にここを出てラヌヒラに向かっているはずだったのだ。あまりに色々なことがあったので、ここで待っていたのが昨日のこととは思えなかったが、とにかく丸1日遅れてやっと先に進むことができたのだった。
ここから先は未知の景色だ。
アンドリンギチャ国立公園はマダガスカル東部に南北に伸びる熱帯雨林の南端にあり、雨の多い東側の気候に属するが、そこから西に向かうと乾燥した好天の気候になる。
我々はアンドリンギチャ国立公園を過ぎて西に向かっているのだが、本当にアンドリンギチャを過ぎたあたりから雲が切れて青空がみえてきた。振り返ると、アンドリンギチャの上には雨雲がありどうやら雨を降らせているらしい。同じ視界に雨雲と青空が見えるというのも、気候の境界線ならではの珍しい風景だった。
相変わらず草原の中に忽然と岩が生えているような風景が続いていたが、中でも巨大なテーブルマウンテンが右手見えてきたのは午後4時16分。アンバラヴァウを出て約2時間半後。
道路は緩やかに蛇行しながらテーブルマウンテンに近づき、この岩の左側を通過していくのだった。
テーブルマウンテンを過ぎると、草原の上には巨大な入道雲がもくもくと乗っかっていた。何と大きな入道雲だろう。その大きな入道雲を浮かべてもなおマダガスカルの空は広い。
午後4時23分。道路脇の白い道標にはイフシまで55kmと書いてあった。道がよいので、あと1時間もかからずに到着するだろうが、そこからラヌヒラに行くのは無理だ。この時点でイフシ宿泊が決定になった。
この辺りからポツポツと乗客も降りはじめた。荷物を持って降り立ったおばあちゃんを鶏と孫たちが賑やかに歓迎する場面、どこに家があるのか草原の中に降り立って細い道を歩いていく男性、運転手は村に立ち寄ると馴染みの商店主と挨拶を交わしていく。
タクシー・ブルースの旅は窮屈で時間もままならないが、マダガスカルの人々の生活を目の当たりにできるというのが大きな魅力である。
午後4時51分。今日最後の空の不思議な景色を目撃。
岩山にかかる綿帽子のような雲である。斜めにさす夕日に岩肌をやや赤く染めた上に、ぽっかりと浮かぶ変わった雲の形。
今日はほぼ一日移動に費やした日だったが、首都アンタナナリヴから西海岸のトゥリアーラまで続く国道7号線のハイライト、サザンクロス街道だったこともあり、移動というよりは観光の気分に近い楽しさがあった。
午後5時17分にイフシに到着。日没はどんどん迫っている。早く宿を決めてしまわなければならない。
手荷物からガイドブックのロンリー・プラネットを引っ張り出して宿情報を探し始めた。
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