夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.05.03 Vol.1
タクシー・ブルース KOFIFIとの対決1日目

マダガスカル:アンバラヴァウ

 フィアナランツァのホテル・クツヤニスのロビーで、アンドリンギチャ国立公園の写真を見て「あら、素敵!」とアンドリンギチャ国立公園行きを決めたのが4月30日のことだった。

 アンドリンギチャ国立公園から5km離れた場所にキャンプ・カタCamp Cattaという高級ロッジがあり、ホテル・クツヤニスが経営にかかわっているらしく、ロッジの予約はフィアナランツァのホテル・クツヤニスですることができるのだった。

 交通の不便な場所なので、キャンプ・カタに行くまでとそこから次の目的地のラヌヒラへの交通をホテル・クツヤニスに相談すると、このホテルでいつも使っているというタクシー・ブルースの会社KOFIFIのリヴォRivoという男を呼んできた。英語があまりわからないという彼と、ホテル・クツヤニスにいた男性(実はオーナーだそうだ)を交えて話をして、キャンプ・カタからチェックアウトする5月3日の朝、タナンバウという場所でピックアップしてラヌヒラまで乗せるという話になったのだった。

 KOFIFIはフィアナランツァからトゥリアーラまで毎日運行しているので、なんだったらラヌヒラで2日過ごした後、ラヌヒラからピックアップしてトゥリアーラまでも連れて行くことができるという話になった。

 おお、じゃぁ一気に予約しちゃおう。

 こうして、5月3日にタナンバウからラヌヒラまで一人Ar13000、5月5日にラヌヒラからトゥリアーラまで一人Ar23000という内容で契約して、その場で手書きの契約書も作ってもらい、前金としてそれぞれ一人分の運賃、つまり合計でAr36000(約US$18)をリヴォに渡した。

 ここまでが4月30日、フィアナランツァでの話。

 アンドリンギチャ国立公園近くのキャンプ・カタでの2泊を終えて、5月3日に朝9時から午後1時半近くまでタナンバウで待ったがKOFIFIは現れなかった(移動の記録「アンドリンギチャ国立公園近くのキャンプ・カタ(Camp Catta)→アンバラヴァウ(Ambalavao)」参照)。

 親切なアランという運転手さんの好意でアンバラヴァウのホテル・オー・ブガンビレにチェックイン。村一番の有名ホテルにしたのは、KOFIIFIのリヴォを呼び出そうと思っていたからだ。一番有名なホテルなら場所がわからないとは言えないだろう。

 タクシー・ブルース・ステーションからアランさんの電話でリヴォに電話した時、奴は午後4時にアンバラヴァウに到着すると言っていた。しかし、どーぉにも奴は信用できん。

 午後3時半きっかりに、ホテルの電話を使ってリヴォに再び電話してみた。すると「ああ、そっちへの到着は午後7時になるなぁ」とうそぶく。

 なんだとー、こらぁーーーー。私の怒りスロットルが全開になった。「あんたねぇ。アンバラバウに朝の10時にくるっつーから、私たちは朝9時から4時間以上待ってたのよー。それなのに夜7時にくるってどーゆーことよ。もう、いいから。あなたの所は全部、キャンセル。わかる?キャンセルするからね。だから全額持ってこっちに来なさい。わかった?」というと、リヴォは急に「ああ、ワタシー、エイゴ、ワッカリマセーン」といって、「ダカラ、ゴメンナサーイ」とまたもや勝手に電話を切った。

 受話器を持ったまま手がプルプルと震えるくらいに怒りが押し寄せてきた。リヴォに対して、リヴォを紹介したホテル・クツヤニスに対して、そしてどうしてタクシー・ブルースを信用したのかと自分に対して。

 今までの旅の中でこれ程までに馬鹿にされただまされ方はなかった。地下鉄内でカードを盗まれたことはあったけど、今回のように話し合った上で騙されるという、ガイドブックにでも出てきそうな騙され方は初めてだ。許せん。絶対に許せん、KOFIFI。

 先ほどのリヴォの対応から、これ以上彼に電話をしてもらちが明かないと悟った私は、今度はホテル・クツヤニスに電話をした。ホテル・オー・ブガンヴィレは、最初にリヴォに電話をすると言った時にテレフォンカードをAr2000で買えと言って来たのでカードを買ってリヴォと話をした。私の話っぷりから、何か問題が起こっていることを察知したホテル・オー・ブガンヴィレは5分話せるAr5000カードをくれというと、代金は受け取ったものの携帯電話ではなく、常設のホテルの電話を使わせてくれた。これなら時間を越えても話ができる。

 ホテル・クツヤニスで英語が話せる人を出してほしいというと、マネージャーだと名乗るかなり話せる女性が出てきた。事情を話すと「ホテル・クツヤニスとしては全く責任のない話だが」と前置きしつつも、KOFIFIに電話をして私たちが支払った前金Ar36000とタナンバウからここ、アンバラヴァウまでタクシー・ブルースで移動した場合の料金二人分Ar6000、合計Ar42000を今日中にホテル・オー・ブガンビレに持ってくるように伝えてくれることになった。伝えて何時にくるかわかったら、私に電話をしてくれるようにも頼んだ。

 5分後、ホテル・クツヤニスのマネージャーからホテル・オー・ブガンビレに電話があった。フロントに張り付きで待っていた私はすぐに電話を代わり、マネージャーからKOFIFIが今夜7時から7時半に金を持ってこちらに来ると言っていると聞かされた。

 ここまででできることは全てやった。後は午後7時から7時半までに来るかどうかだ。

 しかし、ホテル・クツヤニスの「私たちに責任は全くないが」という前置きからして、KOFIFIが来るかどうかも疑わしい気もした。クツヤニスが「私たちの責任において行かせます」というのならともかく、前提条件が真逆だからねぇ。ま、フランス系だから、責任を取るとは絶対に言わないだろうけどね。

 ろくな昼食を取っていなかったので、午後6時半からホテルのレストランで夕食。レストランからフロントデスクは見える位置にあるので好都合だ。しかし、午後7時を過ぎても来る気配がない。又もや騙されたのかもしれない。

 怒りが盛り返してきた私たちは、もう、こうなったら金を取り返しにフィアナランツアのホテル・クツヤニスを訪ねるしかないという結論になった。

 部屋に戻って明日の作戦を練ったりシャワーをあびたりコンテンツを作成していると、午後9時半に「コンコン」と部屋をノックする音が聞こえる。開けるとホテルのフロントの女性と大きな黒人男性が立っていた。男はKOFIFIのドライバーでリヴォに頼まれて金を返しに来たというではないか!

 さすがのKOFIFIも上客のホテル・クツヤニスに言われたらプレッシャーを感じたらしい。よしよし。これで金を受け取ったら、まぁよしとしよう。と男を部屋に招きいれた。

 ところがだ。

 男はリヴォからAr13000を返せとしか言われていないという。あぁぁぁぁ。また訳の分からないことを。男は全く英語が話せないようだったので、一緒にレストランに行き、英語が話せる地元ガイドを通訳に私たちが要求しているのはAr42000なのだから、すぐにリヴォに確認の電話をするように伝えた。男の携帯でリヴォに電話がつながったのだが、男はすぐに電話を私に渡してきた。だから金額の確認をすると、今度はリヴォは後半の前金Ar23000なんて受け取っていないといい始めた。そしてまた英語はよくわからないとか言っている。くっそー、この男。

 今度こそ怒髪天を突いた。

 リヴォは完全に私たちを馬鹿にしていた。どうせ旅行者なんだし、たかが10ドル程度なんだからもう諦めて行くだろうという態度が見え見えだった。

 むぉーーーーー許せない。明日絶対にリヴォから金を取り返す。金額の問題じゃない。あいつから10ドル取り返すためには、地の果てまでも行ってやる。これは正義の問題だ。

 とりあえず男が持ってきたAr13000は受け取っておくことにした。男はこれからトゥリアーラに向かうタクシー・ブルースの運転手で、外ではぎっしりと人のつまったタクシー・ブルースが彼を待っている。彼には彼の事情があるのだ。しかし、お互いのために受取証を作ってサインした方がいいだろうという私たちの提案にはイライラしながらも従った。

 最後に契約書を交わした証拠に一緒に写真を撮ろうというと、私の肩に腕を回して思いっきり胸を鷲づかみにしてワッハッハーと笑った。彼なりにストレス解消というわけだろう。

 これから一晩中かけて運転しなければならないのに、こんなことに巻き込まれて迷惑だと思う気持ちはわかるが、先進国では知らない女性の胸を勝手に揉むのは犯罪だということは・・・。きっと彼の一生の中で知ることはないのだろう。

 写真を撮った後、「人の胸を勝手に揉むなー」と股間に蹴りを入れた。夫も加勢して二人で男をポカスカと殴ったが、男はヘラヘラと笑いながら去っていったのだった。マーシャル・アーツ。合気道とかテコンドーとか習っておくべきだったと生まれて初めて思った。

 さぁ、明日はフィアナランツァに殴りこみ、いや交渉に行く。


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