夫婦2人で世界一周の旅に出発!現地から海外長期滞在の旅の様子をお伝えします。
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2007.06.07
パスポート申請とタザラ鉄道とザンジバルフェリーの検討

タンザニア:ダル・エス・サラーム

 ダル・エス・サラームはタンザニアで一番、都市機能が発達した街。

 今日はやらなければならないことを片付ける一日となった。用事は、パスポートの更新、タザラ鉄道のチケット購入、ザンジバル島行きの船のチケット購入。パスポートの更新にかかる日数によって、後の2つの日程が変わってくるために、まずはパスポートの更新申請に行くことにしていた。

 パスポートの残存期間が残り少ないなぁと思いながら旅を続けていたのだが、マダガスカルにいる時に真剣に考えてみたら、本当に早く更新しないと問題が発生することがわかった。アフリカのいくつかの国では、「パスポートの残存期間が6ヶ月必要」などと言っている国があり、パスポートの有効期限から6ヶ月マイナスして考えなくっちゃいけなかったのだ。

 こりゃ、まずい。ってことでマダガスカルの首都アンタナナリヴにある日本大使館を訪れて領事に相談したのだが5月も末のことだった(Sketch「パスポート更新しなくちゃ」2007年5月29日参照)。

 親切な川上さんの調べで、タンザニアのダル・エス・サラームの日本大使館で更新できることとなり、私たちはダルエスに到着したら何をさておき更新申請を行おうと思っていたのだった。

 ダルエスの中心部は小さい。どこでも歩いていける範囲内にあり、日本大使館も歩いていけるのだった。インド人女性の受付を通して内部に入ると、「川上から話は聞いておりました!」と田中さんが対応してくれて、事は超スムーズ。素晴らしい。VIPの気分だ。

 中東、アフリカを旅行してきて、何度も同じ事を説明したりお願いしても忘れられたり、だまされそうになったりという日々の中、マダガスカルで1週間ほど前にお願いした話が、タンザニアのダル・エス・サラームで当たり前のように話が通じているということに、感動すら覚えるのだった。日本はちゃんとしているなぁ。

 1週間もあればできるということだったし、その期間中は古いほうのパスポートが使えるので、私たちは1週間を使ってザンジバル島に行き、帰ってきてから大使館にパスポートを取りに来ることにして田中さんと別れた。気さくでとても感じのいい人だ。帰ってきてまた会えるのが楽しみだ。

 ということで、もう明日にはザンジバル島に行ける身になった。ザンジバル島から帰って、ダルエスでパスポートを取りに行ったら、タザラ鉄道に乗ることができる。

 タンザニアにはタンザニア鉄道とタザラ鉄道の2つの鉄道が走っている。

 タンザニア鉄道はダル・エス・サラームからキゴマやムワンザに向かう路線を走る。

 タザラ(TAZARA)鉄道とはTnazania Zambia Railway Authorityの略称。ダル・エス・サラームとザンビアのカプリ・ムポシを結ぶ国際列車だ。

 私たちの計画では、ザンジバル島から戻ってきたら、タザラ鉄道に乗ってムベヤMbeyaで下車し、そこから南下してマラウィという国に入ろうとしている。タザラ鉄道は火・金にカプリ・ムポシ行きの急行が1本、月曜日にムベヤ行きの鈍行が1本走っているだけで、あとはない。6月、7月とハイシーズンになってくると1週間前から予約をしておいた方がいいというくらい混むのだそうだ。とうことで、私たちはザンジバル島の滞在を1週間くらいとって、翌々週の火曜日の急行でムベヤに向かうことにした。

 キゴマとムワンザに向かうタンザニア鉄道の駅は中央駅といって、海辺に近い徒歩圏内にあるのだが、タザラ鉄道の駅は市外にある。そこへのバスはザンジバル島行きのフェリー乗り場の近くから出ている。丁度いい。フェリーのチケットブースの下見をしてから、バスで鉄道駅に行こうじゃないか。

 フェリー乗り場近くには各フェリー会社のチケットブースが並んでいる。ブースの周りには「あなたのチケット購入を助けてあげたい」という輩が手ぐすね引いて待ち構えている。私たちが近づいていくと、来た来た。1、2、3、4・・・。口々に「ザンジバル島に行きたいのか」「今から出発か」「安くていいチケットがある」と話しかけてくる。フェリーはスピードボートとスローボートの2種類があり、スピードボートの所要時間は1時間半から2時間、スローボートは3時間から3時間半。価格はスピードがUS$35、スローがUS$20。私たちはスローボートを出しているFlying Horseという会社を使うということろまで調べはついている。

 男たちの中には「安いチケットがある」とA4の紙にご丁寧にもフェリー会社名とチケット代金を書いたリストまで見せる者がいた。リストにはFlying Horseの値段もありUS$25となっていた。US$5を手数料として頂こうという算段だ。ブースのこんな目の前であっさりUS$5の二人分、つまりUS$10をかっさらおうなんて、詐欺に等しい。全く、あきれた奴だ。

 こうした連中を適当に交わして、ブースの並んでいる右端近くにあるFlying Horseのブースに到着。ガイドブックには外国人は米ドルキャッシュかT/C払いと書かれていたがFlygin Horseではタンザニアン・シリングのキャッシュ払いも可能だということだった。シリングだとTs26500。2007年6月4日の換算レートUS$1=Ts1285を使うとTs26500はUS$20.62ということになる。つまりシリングで支払ってもほぼドルと同じ価値だけ支払えばいいということになる。米ドルを減らしたくない私たちには朗報だった。

 ここまで調べてから、タザラ鉄道へのバスに乗って駅に向かうことにした。バス停はフェリーの並んでいるブースに向かって左側に歩いていった所にある。

 緑と黄緑と白の車体で、わき腹にCity Busと書かれた循環バスの1つがタザラ鉄道駅まで行っているのだそうだ。バス待ちの客に聞くと、親切な女性たちが「私たちも同じバスに乗るから、一緒に乗りましょう」と言ってくれて、問題なくバスに乗ることができた。料金は一律Ts250(=US$0.19)。先日バスで到着したウブンゴ・バスターミナルと同じくらいの距離で、タクシーはUS$5.5くらいかかったから、タクシーと比べたら格段に安い。

 朝、大使館では領事の田中さんに「岡田さんたちは、きっと市バスとか使っちゃうんでしょうねぇ」と言われた。大使館としては、できるだけタクシーを使ってほしい意向があるのだが、個人の行動は制限できない。「バスの事故は個人の不可抗力だが、盗難には十分気をつけてください」と注意を受けていたので、所持品はしっかりと握り締めていた。

 午前11時の市内からタザラ鉄道駅に向かう道は、市街地を出た辺りで大変に渋滞していた。車のほとんどが私たちが乗っているようなミニバスだ。なんでこんな時間にミニバスの渋滞?よくわからないが、ミニバスは道ではない側道を走って途中から道路に無理やり入り込んだり、それをけん制するミニバスがクラクションを鳴らしたり、助手がドア身を乗り出して怒鳴ったりと、にぎやかなことこの上ない。ええーっとー、所持品に気を配っていたので写真はありません。残念。

 渋滞とはいえ、タザラ鉄道の駅までは15分の乗車で到着した。

 駅舎は大層立派な建物だが、どことなく共産主義の香りの漂うデザインだ。後から、この鉄道が中国政府の管理下の下に作られたと聞いて納得。建築というのは、どことなくお国柄が出るものなんだなぁ。

 1階のガラーンとした空間の左端にチケット販売の窓口があった。窓口で1等コンパートメントの座席を2席買いたいというと、「男女が一緒のコンパートメントの席を買いたいならコンパートメントごと買取、つまり4席分を買わなければならない」と言われてびっくり。1席ずつ購入するなら、男子コンパートメント、女子コンパートメントに別れて座ることになるんだって。

 急いでロンリープラネットを開いて確認すると、同じことが書いてある。うわー、本当だ。イスラム教の国だから?おかしな話だ。イスラム教を理由に利益を上げるシステムのような気がするんだけどなぁ。

 チケット販売窓口の右側に掲示板があり、料金表がはってあるので値段を確認した。ムベヤまでのチケットの価格は以下の通りだった。値段はタンザニアン・シリング。ムベヤまでの走行距離は860kmと書かれていた。

列車種別 1st Class 2nd Class 3rd Class
鈍行 20,700 14,500 12,000
急行 24,500 18,000 14,800

 つまり急行で一等のコンパートメントを4人分ということは
Ts24,500×4=Ts98000=US$76.26

 860kmもの距離を1泊2日の寝台車で走って一人US$38.13は、タンザニアの他の交通機関の値段と比べると高い。しかし、男女別コンパートメントに分かれて、貴重品の管理に神経をすり減らすくらいなら、一緒のコンパートメントにした方が楽だ。ということで、家族会議の結果コンパートメントを買い占めることにした。

 時刻は12時をまわっていて、窓口はお昼休みで閉められようとしていたのだが、窓口の男性は私たちだけ特別にチケットを販売してくれた。共産主義の香りがする建物だったが、中のサービスは柔軟でいい。

 むかーしの日本の国鉄の乗車券みたいに、固い厚紙で作られたチケット4枚に手書きで車両番号とコンパートメントの番号が書き添えられた。混雑している場合は、後からコンパートメントの2席を販売してほしいと車内で言われることもあるそうだ。そういう場合は、駅の職員を通じて2人を受け入れて駅員から乗車賃の返金を受けてくれと言われた。なるほど。形式上は買取になっているものの、混雑時には柔軟に対応することになっているんですね(結局、乗車中には誰からも申し出がなかったので2人で最後まで乗ることができた)。ふーむ、やっぱりイスラム教の教えを利用した過剰販売方式だよなー。おっかしーなー。

 ということで、12時50分にチケット購入終了。

 同じバスの反対方向行きに乗って、フェリー乗り場に引き返した。

 フェリー乗り場のチケットブースは左側から近づいていくと、多くの客引きに囲まれる。左側にはスピードボートの販売ブースがあるからだ。しかし、Flying Horseなどのスローボートの販売ブースは右側にあり右側からブースに近づくと誰にもマークされずに窓口にたどり着ける。また、フェリーの出発時間はほぼ午前中なので、午前中に行くと急ぎの客だと思われて漬け込まれやすい。午後に行くと明日発の時間のある客だということで、攻略しにくいのか誰も近寄って来ない。

 朝はあんなにうるさかった客引きは、午後には誰もおらず、私たちはノーマークでフェリーの窓口にたどり着き、タンザニアン・シリングで明日発のチケットを買うことができた。スローボートにも一等、二等があるのだが、外国人は一等しか買えないことになっている。

 ということで、ダル・エス・サラームですべきことが終了。明日はザンジバル島に発つ。

 ところで、フェリー乗り場付近の海を見てみると、干潟のようになっていて、手前の泥は灰色にくすみ、海も灰色に濁っている。ザンジバル島は大陸からそんなに離れているわけではないので、この海を見てにわかに不安になった。もしかして、あまり美しくないのでは?

 でもまぁ、行ってみなければわからない。

 ダル・エス・サラームは、今まで滞在した高原の町に比べると格段に暑い。AZAMというアイスクリーム屋ではTs1000(=US$0.78)で3スクープのアイスクリームが食べられる。こりゃぁいい。

 また、私たちが宿泊した宿のHoliday Hotel(ホリディ・インではない)の近くには大和山荘海鮮酒家というおいしい中華料理店も見つかった。今まではワリ・ニャマというご飯とビーフシチューと野菜の定食が定番の食事だった私たちは、久しぶりに本当においしい中華に狂喜。ダルエスに帰ってからも、ここに通い詰めることになった。

 こうしてダルエスでは特に観光することなく、用事を済ませておいしい中華料理を楽しむ日々になった。


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