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2006.11.03 Vol.1
ローズバレー一帯のトレッキング(午前編)
トルコ:ギョレメ |
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昨日の朝ギョレメに到着して、いきなり一日ツアーに出かけた。今日はゆっくりしとこうかな、休憩かなと朝、空を見上げたら、昨日にもましていい天気。むむむむ。これは出かけなければもったいない。
それにしても、見所がまだはっきりとわかっていない。とりあえずギョレメ野外博物館を目指しつつ、途中で観光案内所によって、今後の方針を立てることにした。
今日の観光案内所にはちゃんとトルコおっちゃんがいて、ギョレメ周辺見所、散策コースの地図をくれた。これこれ。これがあれば楽しめる。下の地図はその時もらったのと、ほぼ同じような地図で初日にツアーに参加した旅行代理店が配布しているものだ。
おっちゃんはその地図に真っ赤な蛍光ペンでギーギーとお勧めコースをマーキングしていってくれた。おっちゃんのお勧めは上の地図の赤のコースだ。
ギョレメ野外博物館を見て、そこからローズバレーに向かう散策コースだった。余力があれば、ローズバレーを通り過ぎてシャヴシンCavusin村で洞窟住居跡を楽しみ、更に余力があればその先のセルヴェZelveやパシャバPasabaの奇怪な岩を楽しんだらどうかという提案。いいねぇ、それいい。因みにギョレメからパシャバまでは直線距離で7km。クネクネとしたトレッキングコースを歩いて行くと、おそらく10kmくらいになるだろうと思われた。10kmかぁ。1時間4kmで歩けるとして2時間半。南米での体験を思えば、そんなトレッキングは楽勝コースだ。
帰りはアヴァノス村からバスが出ているので、アヴァノスまでたどり着ければどうやら帰ってこられそうだということもわかった。
じゃぁ、今日はそれで行ってみよう。
ギョレメの野外博物館まではスタスタと歩けば30分くらいで到着する距離だろうが、ギョレメ村をはずれて博物館に向かうまでの両側の風景が、既に面白い岩の連続で、博物館到着までに1時間近くかかってしまった。
博物館の道のりで、やがて右手奥に奇石でできた壁のような景色が見えてきた。下の写真の右下を走る車の大きさと比較すると、どんな大きさの岩なのか想像していただけるのではないだろうか。
やがてこれらの岩壁が丘となって道路まで迫ってきて、草が踏み込まれた獣道のような細い道が丘の上の方に続いている。
この丘を登った向こう側にローズバレーが見えるのだろう。野外博物館までまだ到達していないが、ちょっと寄り道でこの丘の上に登ってみた。
丘をあがりきった所は、同じ高さでまだ奥まで道が続いている。遥かかなたにローズバレーが見えた。なるほど、この道を伝っていけば、ローズバレーに近づけそうである。こうした細い道は、この後ももう一本あり、いずれから登っても途中で合流してローズバレーへのトレッキングコースにアクセスできた。
この獣道調査を終えて、再び博物館への舗装道路に戻って歩き始めると、左手に洞窟を掘って作った教会(有料)があり、その先の右手が博物館だった。
入場料TRY10(=US$6.76)を支払い、バーコードのついたチケットを持って博物館入り口のバーに向かった。
イスタンブールの博物館や宮殿でもそうだったが、こうしたバーコードを感知する機械の側には必ず係員が立っている。係員にチケットを渡すと、係員が機械にチケットを挿入して青信号を確認してから、私たちに「どうぞお入りください!」と指示する。なぜ機械があるのに人をつけるのだろう。人がいるなら機械はいらないんじゃないか?この辺りが、発展の途上で、機械は付けたものの、あまり上手に機能しないので人をつけているのだろうか?いつも、いつも疑問に思うトルコの実情だ。
野外博物館はギリシャ正教徒たちが集まって暮らしていた集落の後だった。集落といっても岩をくり貫いた洞窟の集まりで、住居にもまして教会の数が多いのが特徴だった。
歩く度に見所の矢印をたどると、あ、ここも教会、そして、あちらも教会。教会といっても中は洞窟で消えかけたフレスコ画がちらとあるだけである。しまいには教会に入るのはやめてしまった。
洞窟住居を外側から見たり、博物館から見た景色の方がずっと面白かったからだ。
博物館はギョレメ村からはずーっと緩やかに(博物館直前はちょっと傾斜がきついが)坂を上った所にある。
だから博物館のある岩山から渓谷を通して、ずっと先の村まで見渡せるビューポイントがある。
この小さな渓谷を挟んで向かいの岩山にもかつての住居跡があり、そこには鳩の巣の小さな穴もいくつも並んでいた。
かつてはこの鳩の巣に蓄積するフンを収集して肥料として売ることが生業だった時代があり、その名残だということだった。11月2日に参加したグリーンツアーで最初に訪れた渓谷は、こうした鳩の巣跡がとても多くあるために、ピジョン・バレーと呼ばれているのだった。
屋外博物館内も入り口からずっと傾斜して坂を上がって遊歩道が続いている。一番奥まった岩も教会がたくさんあり、一番高台にある教会に入るには、別料金TRY5が必要だった。
「とにかく抜群の眺めだから」と係りのおっさんに言われたが、丁重にお断りした。教会に入らなくても、既にここからの眺めで十分に楽しめたからだ。
こうして博物館を30分弱見学して、いよいよローズバレーへのトレッキングにでかけるために、さっき発見した獣道へと戻っていった。
獣道をたどって丘の上にあがり、どんどんとその先に行くと崖っぷちに出てしまった。眼下の渓谷にトレッキングコースのような白い道が見えている。
あの道に行かなくっちゃいけないんだよなぁ。
この位置から左手に回り込んでいくと、下に降りる道が見つかったので、そこから渓谷に下りて、さっき上から見えていたトレッキングコースにたどり着くことができた。
この辺りは南米のこなれたトレッキングコースとは違って、親切な看板なんかありゃしない。自分で道を探していくのだ。子供の頃、好き勝手に野山を散策していたのを思い出して、これはこれで面白い。
こうしてすっかり下のトレッキングコースまで降りてしまうと、前方の視界は岩にふさがれてしまい、このままたどりつけるのかちょっと不安になる。
でも、ここからは何気なく表示が見つかることになった。
この先のシャブシンという村にあるらしいカフェが公告として、岩の上に矢印を書いているのだ。
自然破壊行為なのではあるが、全く目印のないトレッキングコースなので、正直これはありがたかった。行く先々でこのカフェの赤い文字を見ては、自分の進む道が正しいことを確認できたのだ。
下の道に下りてから歩くこと30分弱。とてつもなく巨大な岩にずーっと囲まれて自分が小さく小さくなったような気分で歩いていると、例のカフェが出してくれただろう「Rose Valley 500m」という赤い表示が見つかった。今回の表示には広告の意味はない。お、あともう少し。表示に励まされて、更に先を進むと、再び道は登り道になっていった。(午後編に続く→)
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