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2006.06.28
私たちが暮らした町、ノワジー・ル・グランNoissy Le Grand
フランス:パリ |
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いよいよ今日、2ヶ月過ごしたパリを離れてオーストリアのウィーンに旅立つ。最後に、私たちが過ごしたパリの郊外、ノワジー・ル・グランNoissy
Le Grandを写真で綴ってみたい。
ノワジー・ル・グランは、パリ郊外線のRERのA線Chessy-Marne-la-Vallee行きに乗り、パリのオペラ座から西方向へ20分行ったNoissy-Le-Grand-Mont-d'Est駅で下車した所にある。
最初に家主のスージーさんとコンタクトを取った時、駅名が随分長いこと、市内地図にも載っていない郊外だったことで、「ここはちょっと遠すぎるから、見学だけにしよう」という印象を持った。
しかし、実際に行ってみるとゾーン4であるこの地域は、パリからそんなに遠い感じがしない。RER線は地下鉄の既存の駅を飛ばしていく、いわば地下鉄の快速番のような所があり、距離の割りには時間がかからない。
家主も、家も気に入ったし、周りの環境も良かったのでここに決めて2ヶ月。本当に満足できる滞在となった。
○駅周辺の様子
駅は駅ビルの地下にあり、駅ビルには大型スーパーマーケットのカルフールや家電製品・CD・DVDを販売するチェーン店のfnacを含む様々なショップが入っている。郊外の町といえども、近隣の商圏の中心地として発展している所。駅ビルから出ると池があり、池を含む大きな公園になっている。
左手に見えるのはメルキュールホテルで、その隣の建物が駅ビル。中央に台形に開いた入り口から入っていく。
駅ビルの各出入り口には「ありがとうございます、またお越しください」というメッセージが各国語で書かれているのだが、日本語の表記もある。日本人も多く住んでいるということなのだろうか?
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駅ビルは2階建て。2階にわかれて売り場を持つカルフールの面積が一番大きく、次に大きいのがフナックfnac。1階には、銀行のATM、写真の現像、洋服、靴、めがね、ヘアーサロン、食器、アクセサリーなど、さまざまな店が入っていて、2階は、ショップとレストランになっている。
2階部分はトップライトで、晴れている日中は外にいるような居心地の良さ。
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○家の周辺
駅前の池沿いに歩いて住宅地に入っていった中に、借りていた家があった。
パリというイメージとはちょっと異なるが、生活環境としてはとてもいい。庭付きの住宅が並ぶ一角で、家が面している道路も幹線道路ではないので、とても静かだ。週末になると、各家の庭からBBQの煙があがり、郊外の暮らしを満喫している人々の楽しそうな声が聞こえる。
借りていた部屋の窓から撮った左手の様子。
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借りていた部屋から撮った右手の様子。4軒の家の庭が付き合わさるようになっていて、生垣で2階からでも隣の家の庭は見えないようにうまくカバーされている(あ、隣は見えちゃうけど)。
また、庭の前に建っている家には、我々の家側に窓がない。市か国の法律で窓を作ってはいけないことになっているそうだ。プライバシー保護を尊重しているのがわかる。
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我々の家は、庭付き2軒長屋エリアだが、別の所では公園を囲むようなアパートエリアもある。アパートといっても3階建てくらいのローライズな建物ばかりなので、のびのびした感じがある。
近隣では新たにのアパートも建設中で、この地域が住宅地として人気を呼んでいることが推測された。
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○市庁舎周辺
家から歩いて5分くらいの所には、市の劇場があり、芝居やミュージカルや音楽演奏会が開かれている。そこからまっすぐに伸びる道の端に市庁舎があり、途中の右手にはマルシェの立つ場所が用意されている。この辺りでは、市主催の夜のイベントが行われ、何度か楽しませてもらった。
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水と光のパフォーマンス〜パリ郊外の地元のイベント
フランス音楽祭(フェット・ド・ラ・ミュジックFete de la Musique)
全面ガラス張りのモダンな建物の劇場。イベントの時には、内側からグリーンやブルーのライトを照らして、夜のイベントに彩を添えている。
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中央に市庁舎。とても可愛らしいお家という感じ。
劇場と市庁舎があるといっても、レストランなどが数件並ぶ程度で、特に繁華街というわけではない。
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日・水・金と週3日立つマルシェ。肉・魚・野菜などの生鮮品、チーズ・ハム・ジャムなどの加工品、前菜のお店など食料品の店ばかりでなく、洋服を売る店、はさみやカッターなどを売る店、果てはベッドのマットレスを売る店まで出ている。
特に日曜日の市は、午前10時頃から多くの人で賑わう。スーパーと違って、店の人と会話しながら買い物ができるのが、ある意味イベントになっているようで、肉屋の前で店の人と真剣に話し合ってステーキ用の肉を選ぶ老人の姿などが見られた。
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○昔ながらの商店街
市庁舎の左手から続く石畳の道沿いは、古くからある商店街だそうだ。ここはある意味、私たちのような外国人がフランスに持っているイメージに近い通りで、感じがいい。しかし残念ながら、駅ビルができたせいか、あまり元気があるとはいえない。それでも短い距離の間に3軒もあるパン屋さんは、常に盛況だ。
細い通り沿いに店が並んでいる、昔ながらの商店街。ゆるやかにカーブする道には街路樹が繁り、石畳の道路は、車が通るたびにゴロゴロと音をさせる。ヨーロッパのいうイメージだ。
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3軒あるうちの一番遠いパン屋さん。他の2軒は日曜日も営業して、月曜日はお休みなので、月曜日だけはこのパン屋さんに買いにくる。バゲットはちょっと細身なので、皮が硬くて香ばしいタイプ。私(妻)が好きな方のパン屋。
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家から一番近いパン屋。ほぼ毎日、朝7時過ぎに訪れてバゲットを買っていた。やや太めのバゲットは柔らかめに仕上がっていて、3軒の中では一番塩味が利いていた夫のお好みの店。
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6月28日の朝。最後のバゲットを購入。今まで話をしたことがなかったが、何とか今日で最後だということを告げて、写真を撮らせてもらった。
最後の日のバゲットもまだ温もりの残っている焼きたてだった。毎朝、パリにいる幸せが噛みしめられる。この喜びを与えてくれたパン屋さんに感謝。
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これが、私たちが暮らした町、ノワジー・ル・グランである。「パリに滞在するなら郊外だね」と素直に言えるようになってしまったくらい気に入った。
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