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ペルー:クスコ(Peru/Cusco)
滞在期間2005年10月11日〜10月21日
クスコの中心にあるアルマス広場とその周辺の様子。晴れ渡る空に歴史的な建物と
レンガ色の屋根が美しく映える街並み。 |
インカ帝国を築いたケチュア族の言葉で「ヘソ」を意味するクスコは、その名が示す通り、インカ帝国の中心地だった所である。剃刀の刃さえ通さないといわれるインカの石組みが今でも残る街並みが、アルマス広場を中心に広がり、民族衣装に身を包んだ人が行き交うクスコでは、まさにインカの息吹を感じられる。
クスコは、ここを拠点に、マチュピチュやSacred Valley聖なる谷に点在する遺跡や村々を訪ねる交通の要所ともなっている。聖なる谷には、オリャンタイタンボ、ピスコ、チンチェーロ他、様々な見所があり、クスコ自体を楽しみ、また大きな荷物はここに置いて、数泊あるいは日帰りの旅を楽しめるという意味で、長期滞在になる都市だろう。
クスコは標高が3360mと高いので、大抵の人は多少なりとも高山病の症状が出る。これを克服するには、一度低い土地に行ってからバスなど陸路で戻ってくるのが良いようだ。我々の場合、リマからクスコに飛行機で飛んできて3日間、頭痛や食欲不振や動悸に悩まされた。しかし、その後マチュピチュ(標高2280m)に1泊2日で行き、列車とバスでクスコに戻ってからは、頭痛や食欲不振はなくなり、激しく動くと通常よりも心臓がドキドキする程度まで回復した。リマから飛行機でクスコに来て、引き続き標高の比較的低いウルバンバやオリャンタイタンボまで降り、そこからマチュピチュに行って、クスコに戻ってくるという行程を辿ることで、高山病を回避する人もいた。これはなかなかスマートな方法だと思う。
クスコには世界中から旅行者が集まってきているので、様々な価格帯のホテルがあり、食事も高級レストランから市場の食事まで選択肢は豊富である。また、旅行代理店も数多くあるので、各方面に観光する場合も、旅行代理店を使うことが可能。現地で時間をかけて情報を収集し、自分のスタイルに合ったアプローチを探るのが理想的だ。(例えば、マチュピチュへのアプローチの方法は、Excursion「インカ帝国の秘密基地、マチュピチュへの旅」をご参照く。)
情報の収集方法としては、ガイドブックで基本情報を頭に入れた後は、長期でこの辺りを旅行している人の話が一番リアリティーがある。インフォメーションの案内は、スペイン語か片言の英語になるので、活き活きとした情報として伝わりづらい面があった。長期の旅行者は、インターネットでサイトやブログを公開している場合があるので、出発前にインターネットで情報収集がでる。クスコに来てからは、日本人宿(下記に紹介の)のご主人や、宿にいる他の日本人、日本料理レストランに集う人などが情報を持っている。そうした意味においては、下記に紹介するペンション八幡に数泊して情報収集するのは有効な手段だと思う。いずれにせよ、多くの人の意見を見聞きして判断することが大切だ。
最後に、クスコの治安情報について。ここ数年、首絞め強盗が流行っていると聞いてクスコに入ったが、観光警察が数多く配置され、クスコにおいては、最近は首絞め強盗被害はあまり聞かれないということだった。宿に宿泊している人でも、クスコで首絞め強盗にあった人はいなかった。しかし、つばかけ強盗(細い路地などで、知らないうちに前後を囲まれ、後方からつばをかけられて、気をとられているスキに財布やパスポートを取られる)やスリはあるようだ。パスポートや貴重品は安心できる宿に置いてでかけること、昼間でも人気のない路地には入らないこと、市場など人が込み合った地域では持ち物に充分注意することなどは必要である。
マチュピチュの麓にあるアグアス・カリエンテスは、マチュピチュに行くほとんどの旅行者が通過する村。クスコからの列車は3時間半後にアグアス・カリエンテス駅に着き、ここからバスに乗り換えて20分でマチュピチュに到着する。
小さな村ながら宿泊施設とレストランと土産物屋が数多く存在し、観光地として栄えている。スペイン語でアグアスは水、カリエンテは熱いという形容詞。この村の名が示す通り、村のはずれには温泉もある。湯の温度は日本人にとってはあまり高くないし、水も泥混じりなので、抵抗感を持つ人もいるかもしれないが、自然に囲まれた露天の温泉(水着着用)は、それなりに趣があって面白かった。
ペルーのクスコからボリビアの首都ラ・パスへ抜けるルートの途中に存在するプーノは、チチカカ湖畔に位置する小さな町である。葦で作ったトトラ舟が行き来する青く美しいチチカカ湖に浮かぶ島々に訪れる交通の拠点ともなっている。クスコからは列車とバスが出ており、列車の場合の所要時間は10時間、バスは7時間だ。
プーノでの観光としては、葦で作られた浮島ウロス島を訪ねる半日ツアー、ウロス島と民族色が色濃く残るタキーレ島を訪ねる1日ツアー、ウロス島を訪ね、同じく民族色が濃いアマンタニ島で一泊し、翌日タキーレ島を訪ねて戻ってくる1泊2日のツアーが人気のようだ。アマンタニ島では、島人の家にホームステイして、電気や水道が限られている、あるいはない生活を体験し、素朴な島の食事を味わい、夜はフォルクローレのダンスパーティーに参加して島の人との友好を深める内容のツアーとなっている。いずれもプーノの旅行代理店で予約が可能。
プーノの町中ではあまり見るべきものはなく、観光地といってもクスコほどには開けていない。また、最近ではクスコで起こらなくなった首絞め強盗が、ここプーノで発生するようになったという話も聞いており、長期に滞在したい場所ではないだろうと判断している。
町にはホテルやレストランも充実しており、食事や宿泊に困ることはない。また、中央市場では新鮮な果物が売られており、島を訪ねる際、島人へのお土産として持っていくのに便利である。
山頂に築かれた空中都市、マチュピチュ。 |
葦でできた浮島ウロス島から見た
トトラ舟。観光用なので2艘合体している。 |
(左)アマンタニ島の民族衣装
(右)タキーレ島の民族衣装 |
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