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アルゼンチン:コルドバ(Argentina/Cordoba)
滞在期間2005年11月21日〜11月28日
左:中心部のサンマルティン広場周辺は歩行者天国になっているショッピングゾーン。カフェやレストランもあり、多くの人で賑わっている。中:サンマルティン広場。右:コルドバ郊外のラ・クンブレシータはドイツ風の自然と町並みで人気の保養地。 |
アルゼンチン第二の都市であるコルドバは、町自体も爽やかな気候だが、周りをシエラ(スペイン語で山脈の意)と言われる高原に囲まれ、国内有数の保養地を郊外に数多く抱えている都市でもある。アルゼンチンの国民が休みの日に滞在したい都市の人気度No.2と言われており(1位はマル・デル・プラタMar
del Plata)、多くの人にとってコルドバは保養地への通過地点という印象のようだ。
夏のシーズン(12月〜2月)になると、アルゼンチンから多くの人が避暑地としてコルドバ郊外の保養地を訪れる。そのため保養地には、多くのホテルやレストラン、カジノなどがあり、キャンプ、乗馬、近くの渓谷で釣りなどが楽しめるようだ。外国から観光客として訪れて、これらの保養地を駆け足で見て周って面白いという所は、ラ・クンブレシータLa
Cumbrecitaとその近くのビジャ・ヘネラル・ベルグラーノVilla General Belgranoだろう。ここは、第二次世界大戦後、ナチスの残党が渡り住んできたために、ドイツのような木組みの家があったり、ドイツのお菓子が売られていたりして、アルゼンチンにいながらドイツの雰囲気の街並みとなっている。今では、保養地かつ観光地として賑わっているこれらの町を回るツアーに参加するのが便利だ。しかし、正直言ってこうした保養地を日帰りツアーで巡るのは、興奮するほど面白いものではない。やはり、カバーニャ(キッチン付きロッジのような宿泊施設)などに数日滞在して、自然を満喫することで保養地の楽しさがわかるのではないかと思う。
しかし、アルゼンチンに長期滞在したい場合には、コルドバは物価、治安、都市機能のいずれをとっても快適な所だ。我々にとってコルドバは、アルゼンチンで長期に滞在した最初の都市だが、街路樹などが洒落ていて気持ちの良い通りにカフェが並び、スーパーで買った牛肉が非常においしく、高級感のあるレストランでの食事がリーズナブルに楽しめるなど、とても気持ちよく滞在できた。中心地は、パーゴラの連なる遊歩道沿いに店が並ぶショッピングエリアがあり、アイスクリームを片手にウィンドウショッピングを楽しむコルドバっ子に混じって歩くなど、住民気分を満喫できる町だった。
特に、宿泊した宿は、コルドバ大学の夏季コースに参加する大学院生や、出張で滞在している会社員などもいて、ツーリスティックな町よりも、より多くの一般アルゼンチン人と交流できる印象を持った。
安全面については、あまり取りざたされることがないので、危険度はペルーやボリビアに比べると低いと思われる。しかし、日本とは違うので、夜間の行動や人気のない通りには気をつける必要はあると思う。
アルゼンチンの小都市であるフフイは、ボリビアと国境を接する町、ラ・キアカからフフイに至るまでにあるウマワカ渓谷が見所である。緑や赤や黄色など含まれる鉱物によって色とりどりに層をなす地形が面白い。11月に訪れた時、特にツアーは存在しておらず、旅行代理店では、ドライバー付きで2人が観光するとしたら、1人A$120(=US$40.82)でアレンジしてくれると言われた。
ボリビアのウユニから真っ直ぐに南下してフフイに至った我々は、移動のバスからウマワカ渓谷を堪能できたので、こうした観光は行わなかったが、コルドバなどからサルタやフフイを訪れた場合は、ラ・キアカからボリビアの国境を越えてボリビア側の国境の村ビジャソンなどを訪れると、アルゼンチンとは全く異なる先住民族の暮らしぶりが見られて面白いかもしれない。
フフイは、というよりもアルゼンチン全体において、夜のレストランは8時、9時から開くのが普通である。そうした時間でも多くの人が町に出ているので、あまり危険な感じはしなかった。
フフイよりは規模が大きく、町の中央にある7月9日広場周辺の洒落たカフェでくつろぐ観光客の姿も見られた。この町の楽しみは、コロニアル建築の建物を見ながらゆったりすることと、夜ペーニャでガウチョのライブを楽しむことだろう。7月9日広場あたりで見つからなかったレストランは、鉄道駅からまっすぐ南に下りてくるBalcarce通り沿いにたくさんあった。夜10時半以降にこの通りに行くと、ライブを見ながら食事のできるレストランが軒を連ね、夜はこれからと言わんばかりに盛り上がっている。大半はアルゼンチン各地からの観光客と思われた。同じ宿に宿泊していたアルゼンチン人の老夫妻もペーニャをはしごして、明け方の4時に帰ってきたと語っていた。
サルタ発の郊外へのエクスカーションとしては、カファジャテ渓谷を通ってワインの産地カファジャテのワイナリーを訪ねるツアーと、サルタから北東方面に進んだサン・アントニオ・デ・ロス・コブレスを訪れるツアーなどがある。この村は標高が高い(3774m)ため、スイッチバックを繰り返しながら進む列車に乗るのが楽しみの一つと言われている。我々が訪れた2005年11月は、この列車がメンテナンス中。バスでなら行けるという状況だったために、断念した。
カファジャテ渓谷はウマワカ渓谷と似て、鉱物ごとに色の異なる断層が見られる山々や、巨大な岩でできた壁(悪魔ののどぼとけ)が圧巻。これにワイナリー巡りも付いて、1日楽しめる。
サルタでの自炊生活だが、紹介している宿から徒歩20分の所にスーパーマーケットがあり、ここに行けば必要な物はほとんど揃っていた。近所には、八百屋、パン屋、飲み物やパンを売るミニスーパー、ネットカフェ、薬屋などがポツポツとあり、とりあえず困らない。治安は悪くない。夜12時過ぎまでペーニャにいて、大通りを7月9日広場まで歩いてからタクシーを拾ったが、そんな時間にもかかわらず昼間のように人がたくさんいたので、危ない雰囲気はなかった。
メンドーサの町は、碁盤の目状に街路が作られていて、全ての道が気持ちの良い並木道になっているのに驚かされる。ワイン生産大国であるアルゼンチンの中心地がメンドーサ。かつて収穫したブドウを日光から守ってきた街路樹は、今は大木に成長し、ワインを楽しみにこの町を訪れた観光客に、裏切りのない町の印象を与えてくれる。
そう、この町の楽しみは近郊のワイナリーを訪れること。また登山家にとっては、標高6960mのアコンカグアへの出発準備を整える町として知られている。
登山を行わない人でも、遠目からアコンカグアを見学するツアーやトレッキングツアーなどがあり、ブドウに適したカラッとした気候で爽やかに汗を流すことができるようだ(我々はバスに乗って遠目からアコンカグアを見る楽チンツアーに参加した。お年寄りばかりだった)。
ワイナリーは近郊の町マイプーなどに行くことになる。観光案内所でマイプーまでの行き方(バスの番号と発着所)を聞いて、市バスで気軽に訪ねることができる。ただし、ワイナリーによっては予約が必要なところもあるので、それも事前に案内所で調べておいた方が良い。我々が訪れたLa
Ruralというワイナリーに行くために降りたバス停の目の前には、マイプーの観光案内所があって、ここでまた更に詳しいワイナリーマップをもらうこともできる。旅行代理店によっては、いくつかのワイナリーを巡るツアーも組んでいるので、ツアーに参加して効率よく周り、周りもれた所は個人的に訪ねるということも可能だ。
メンドーサでは、昔ながらのミニスーパーというのだろうか、パン、乾麺、缶詰、卵、肉類、調味料類など一通りの品を揃えている商店が、徒歩圏内にある場合が多い。我々が宿泊していた宿のそばにも、そうした店があり、大抵はそうした店で自炊の材料を揃えることができるので、特別な材料が必要でない限り、タクシーやバスで行かなければならない大型スーパーに行かずに何とかなる。洗濯は、ランドリーに持っていくと、一籠いくらとか、洗濯機1回分でいくらという料金体系で、洗濯・乾燥まで行ってくれる。
ワイン好きの人なら、ここに腰を据えてゆっくりとワイナリーを巡っては、自分の舌に合った料理を自炊して、買ってきたワインを楽しむという滞在のスタイルが楽しめるだろう。なにしろ、牛肉は驚くほど安く、驚くほどおいしいのだ。
最後に安全面としては、メンドーサはあまり都会ではないので、犯罪の話は聞かない。通常に行動していれば、あまり危険ということはないだろう。
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