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コスタリカ:サン・ホセ(Costarica/San Jose)
滞在期間2005年9月8日〜10月2日
トルトゥゲーロ国立公園で、朝のジャングルクルーズの様子。 |
コスタリカと言うと、豊かな自然の熱帯雨林、コーヒー農園、バナナプランテーションを思い描くかもしれないが、サン・ホセはコスタリカの首都というだけあって、国立劇場や博物館、市場やお店が軒を並べる街の風景となっている。サン・ホセ市内の観光だけならば、ツアーに参加すれば半日で終わってしまうだろう。
では、サン・ホセは長期滞在に適していないのかというと、そうではない。中米でも英語が通じやすいといわれているコスタリカなので、ヨーロッパやアメリカから多くのスペイン語学習者が訪れて、長期滞在している。
定年退職後にこうした語学学習に訪れているアメリカ人などは、すごしやすいサン・ホセの高原気候に加えて、語学学校に通うことで、世界中の様々な年代の人と知り合いになることや、学校が主催するサルサ教室やお料理教室などのアクティビティーや小旅行に参加できるのが魅力だと語っていた。(アメリカよりも生活コストが安いという魅力もある。)
こうした、サン・ホセ自体に長く滞在するようなタイプの長期滞在とは別に、我々が行ったような長期滞在も可能だと思う。今回我々は、サン・ホセに長期で居を構え、大きな荷物は宿に置いて、身軽になっていくつかの小旅行を行った(下の地図を参照)。1週間未満の小旅行を行い、サン・ホセに戻ってゆっくり休養してから、次の小旅行に出る、というスタイルである。
もちろん、観光地間の交通もあるので、ずっと移動しながらコスタリカを長期に観光するという方法も考えられるが、国立公園や自然保護区へのバスや飛行機は、たいていサン・ホセを中心に放射線状に伸びているし、地理的にもサン・ホセはコスタリカの中央にあるので、いずれサン・ホセに立ち寄ることになるだろう。だったら、一旦、サン・ホセで休養してから次に行こう、と考えたのだ。
実際に旅行してみて、この方法は正解だったと言える。サン・ホセで洗濯もゆっくりできるし、慣れた街、慣れた宿に戻ってくるので、疲れも取り易く、また郵便やインターネットなどの用事を済ませるにも、場所がわかっているので便利で効率的だということもあった。
そうした使い方として、サン・ホセは長期滞在に適した街であると言える。都市なので、レストランはいうまでもなく、大型スーパー、ショッピングモールもあるし、新鮮な野菜や肉を取り揃えた商店、和食を扱う中国系食材店もあり、生活には便利な地域だ。
サン・ホセの中心部はコカ・コーラ地区周辺が危ないと言われている。確かに、昼間から浮浪者が路上に寝ている通りもあったが、日中は足早に歩けば危険な目に会うことはなかった。しかし、日中とはいえ、サン・ホセ市内のレストランでの置き引きの話も聞いており、常に携行品への注意が必要であるとともに、夜間の外出は控えた方が良い点は、他の中南米の都市と同様である。ここでの滞在は、この都市を楽しむというよりは、他地域への観光の拠点であることを考えると、わざわざ夜歩きする必要もないと思う。
サン・ホセからバスで4時間半。アレナル火山国立公園の観光拠点となるのが、アレナル火山の麓にある村、フォルトゥーナだ。フォルトゥーナは小さい村ながら、キッチン付きのホテル、レストラン、スーパーなどがあり、長期滞在も可能なようだが、我々はフォルトゥーナに一泊、アレナル火山国立公園エリアに二泊だけなので、キッチンは必要としなかった。
アレナル火山は活火山で、昼夜問わず溶岩が噴出しており、特に夜は噴出した岩が赤く筋となって山を落ちていく様を見られるのが人気。ただし、この噴火はフォルトゥーナからは見えず、ナイトツアーに参加するか、噴火の見える位置にあるホテルに宿泊する必要がある。また、溶岩が冷えて固まった上をトレッキングするコースもあるし、日本人にとっては温泉に入れるというのも、大きな魅力である。
カリブ海沿岸の北部に位置する国立公園で、同名の村とその周辺に宿泊施設が集まっている。7月〜9月にアオウミガメの産卵を見るツアーがあり、他にも、この地帯特有の運河をカヌーや小さなボートでクルーズして生物を観察するジャングルツアーが面白い所だ。
今回はアレナル火山国立公園からトルトゥゲーロに行き、村でホテルを探した。村のホテルは安宿がほとんどで、村から孤立してボートでしかいけない所に中・高級ホテルがある。サン・ホセからは交通費・ツアー・中・高級ホテルでの宿泊・食事込みのツアーも出ている。
ツアーで行くか、自力で行くかの選択のポイントは、以下の通り。
・交通
自力で行くことも可能だが、交通費が安い分、直通でなく、途中でお客さんを拾うバスに乗るので時間がかかる。また乗り継ぎにも待ち時間が発生する。自力は、時間と体力に余裕があって、地元の人の生活を見たい人向け。(移動の記録を参照ください。)
・ホテル
村の中のホテルは安宿が中心だ。紹介した宿はその中でも、まだ高級な部類に入るが、ベッドには刺されるとかゆくなる虫がいた(ダニ?)。スプレーが必要なようだ。中・高級ホテルならば、そのような心配はないだろう。
・食事
村の中に宿泊する場合、食事はレストランあるいは食料品店で購入する。紹介している宿で出すカマロネス・ランゴスティーニはこの地方の特産の手長エビでUS$7で食べられて満足度も高い一品だった。一方の中・高級ホテルではホテル内のレストランで品数も量も豊富で高級感もあるが、様々な国のお客様に対応した料理を出さなければならないので、面白みには欠けるかもしれない。
サン・ホセからバスで5時間、モンテベルデ自然保護区とサンタ・エレーナ自然保護区への入口となる村、サンタ・エレーナに到着する。メインストリートは、1辺30mほどの三角形の道沿い。しかし、小さいながらも世界中の観光客が集まるこの村には、経済的なホテル、品揃えも豊富なスーパーが2件、レストラン数件、土産物屋など、驚くほど色々な施設が揃っている。キッチン付きのホテルも多く、長期に滞在して森林を楽しむ人が多いのだろうと思われるが、通常の過ごし方ならば2泊あるいは3泊あれば一通り楽しめると言える。
この村を拠点に、事業団体が管理する2つの自然保護区へのトレッキング、自然保護区の周辺にあるキャノピーやスカイブリッジを楽しむ施設の利用、ナイト・ツアーなどが行える。トレッキングは自分で保護区に行って入園料を支払えば自由に歩きまわれるが、森の生き物を見つける目を持ち、知識も豊富なガイド付きツアーに参加するのが面白いだろう。もちろん、こうした全ての行動を含んだサン・ホセからのツアーもあるので、どのようにしてこの地域を楽しむか、バリエーションは豊富である。
太平洋に面したニコヤ半島には、様々な表情を持ったビーチが数多くある。ニコヤ半島の中央あたりに位置するニコヤを拠点に様々な方面へのバスが出ている他、サン・ホセから行くにはプンタレナスという港からフェリーでニコヤ半島に渡り、ニコヤ半島南端のビーチに行く方法がある。
我々はこの中の一つ、サマラを訪れた。サマラから7km南にあるプラヤ・カリージョというビーチが砂浜も白く、沖合いにクルーザーも出るというので、経済的に宿泊できるサマラにホテルを決めてカリージョを楽しむつもりだった。しかし、丁度サイクロン(台風のようなもの)がコスタリカ太平洋沿岸部を襲い、ニコヤ半島は滞在中ずっと雨。バスでカリージョにも行ってみたが、山の土を運んだ川から水が流れこみ、海も茶色に見えるほどで、期待とは全く異なる光景だった。そんなわけで、ニコヤ半島の魅力は今回の滞在では感じることができなかった。しかし、どちらのビーチも両脇を岬に抱かれているため、太平洋沿いといっても遠浅で、海水浴に適しているように見えた。サマラの砂は黒、カリージョはもう少し白っぽいようである。両方ともヤシの木があり、南国の海岸という雰囲気があった。
サマラは小さな村だが、宿泊施設も安いものから中級まで規模の割りにはそれなりにあり、レストランも数軒あった。サーファーが多く集まる地域はそうした傾向にあるのか、我々が訪れたコスタリカ国内の他の地域に比べると、宿泊費・外食費が若干高めな印象がある。
スーパーなどが見当たらなかったので、自炊ということになると不便かもしれない。次回、天候の良い時期にニコヤ半島の各ビーチを回ってみたいと思う。
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今回、観光を計画した地域は、以下の通り。他にもたくさん見所はある。。
@ニコヤ半島のビーチ
Aアレナル火山国立公園
Bモンテベルデ
Cトルトゥゲーロ国立公園
Dマヌエル・アントニオ国立公園
このうち、Dのマヌエル・アントニオ国立公園は、天候不順のために行くことを諦めた。
@やDのように太平洋沿いは、乾季の1〜4月がベストシーズンといわれており、今回のように雨期だと楽しむのが難しいと感じた。AやBの森林は、雨期でもそれなりに森の美しさが楽しめ、Cは雨期の7〜9月がカメの産卵が見られる時期なので、逆にこの時期でよかったところ。 |
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